<半夏生>
奈良県のレッドデータブックで希少種に指定されている、ドクダミ科の多年生落葉草本植物です。七十二候のひとつ「半夏生」の頃に花を咲かせることからその名が付きました。
花期に葉が白くなるのは、虫媒花であるために虫を誘う必要から、このように進化したのではないかといわれているそうです。(白くて目立つ)。
花は葉と同じく白で、紐状。
花が咲き終わって夏の盛りの頃になると、白い葉の白い部分は色落ちしてふつうの緑色っぽくなります。
葉の一部を残して白く色づくことから「半化粧」とも言われています。
御杖村の神末地区の岡田の谷には、半夏生が約3,000平方メートルに渡って群生しており、見頃には、緑の上に白い絨毯を敷いたような、美しい風景を見ることができます。
例年見頃は、7月上旬~下旬頃となっています。
7月20日訪れました。
臨時駐車場に車を停めて、案内板に従って進みます。
扉を自分で開け、少し坂道を進みます。
見えてきました。
小さな川沿いで。
半夏生園の周りをぐるーっと・・・。
「半夏生」
夏至(6月21日頃)から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間を半夏生といいます。田植えは半夏生に入る前に終わらせるものとされ、この頃から梅雨が明けます。
「半夏生」は気候の変わり目として、農作業の大切な目安とされています。
田植えは「夏至の後、半夏生に入る前」に終わらせるものとされ、それを過ぎると秋の収穫が減るといわれてきました。
無事に田植えが終わると、水田や神棚に餅やお神酒を供え、田の神に感謝する「さなぶり」という行事を行なうところもあります。また、この日の天気で収穫のできを占ったりしました。
関西地方ではタコの足のように大地にしっかり根付くようタコを食べ、近畿地方では収穫した小麦で「半夏生餅」を作って田の神に供えるなど、各地に半夏生ならではの風習があります。
「半夏生」は、雑節の中では唯一、七十二候からとられた名称です。「半夏生」の「半夏」は「烏柄勺」(からすびしゃく)という薬草のことで、この薬草が生える時期を指した名称だといわれています。サトイモ科で、地下にある球茎の皮を取って乾燥したものが漢方薬の生薬「半夏」。
(暮らし歳時記より)