保健福祉の現場から

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病院併設訪問看護ステーション

2018年01月26日 | Weblog
メディウォッチ「地域包括ケア病棟、自宅等患者を多く受け入れる中小病院の評価を手厚く―中医協総会 第386回(2)」(http://www.medwatch.jp/?p=18420)。<以下引用>
<2018年度の次期診療報酬改定では、地域包括ケア病棟のうち、「自宅等から入棟した患者の割合」「自宅等から緊急入院した患者の受け入れ数」などが高い200床未満の病院に設置された病棟を高く評価する―。1月24日の中央社会保険医療協議会・総会に示された「短冊」には、こういった内容も盛り込まれています。同じ地域包括ケア病棟でも、病院の規模や自宅等患者割合で評価が異なることになり、今後の病床戦略にも影響が出てきそうです。自宅等入院患者割合の高い、中小病院に設置する地域包括ケア病棟の評価を充実 2018年度には、急性期から長期療養に至る入院基本料・特定入院料の再編・統合という歴史的な診療報酬改定が行われます。急性期(7対1・10対1)の再編・統合については既にメディ・ウォッチでお伝えしており、今回は後方病床(地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、13対1・15対1、療養病棟)の再編・統合案に焦点を合わせてみます。まず地域包括ケア病棟については、看護配置13対1を基本部分とし、診療実績として「自宅等から入棟した患者の割合」「自宅等から緊急入院した患者の受け入れ数」などを勘案した4種類の入院料に再編・統合される方針が示されました(病室単位の地域包括ケア入院医療管理料も同様の再編・統合が行われる)。基本部分の基準を見ると、▼看護配置13対1以上▼一般病棟用の重症度、医療・看護必要度IまたはIIを満たす患者割合が一定以上▼院内への在宅復帰支援者の配置▼病棟への常勤PT・OT・STの配置▼疾患別リハビリテーション料の届け出—などが盛り込まれます。ここに診療実績を組み合わせ、次の4種類の入院料が設定されます。【地域包括ケア病棟入院料1】:▼在宅退院患者割合が一定以上▼1人当たりの病室床面積が内法で6.4平米以上▼許可病床数200床未満▼入棟患者に占める「自宅等からの入棟患者」割合が一定以上▼自宅等からの緊急入院患者受入数が一定以上▼3か月間の「在宅患者訪問診療料」「在宅患者訪問看護・指導料等」「同一敷地内の訪問看護ステーションにおける訪問看護基本療養費等」「開放型病院共同指導料(Ⅰ)(Ⅱ)」などの算定回数が一定以上(選択要件)▼介護保険の訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションなどの実施(選択要件)▼「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等(以下、ガイドライン等)を踏まえた看取り指針の策定 【地域包括ケア病棟入院料2】:▼在宅退院患者割合が一定以上▼1人当たりの病室床面積が内法で6.4平米以上 【地域包括ケア病棟入院料3】:▼許可病床数200床未満▼入棟患者に占める「自宅等からの入棟患者」割合が一定以上▼自宅等からの緊急入院患者受入数が一定以上▼3か月間の「在宅患者訪問診療料」「在宅患者訪問看護・指導料等」「同一敷地内の訪問看護ステーションにおける訪問看護基本療養費等」「開放型病院共同指導料(Ⅰ)(Ⅱ)」などの算定回数が一定以上(選択要件)▼介護保険の訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションなどの実施(選択要件)▼「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等(以下、ガイドライン等)を踏まえた看取り指針の策定 【地域包括ケア病棟入院料4】:基本部分の要件(施設基準)を満たす 現在の【地域包括ケア病棟入院料1】及び【地域包括ケア病棟入院料2】のうち、診療実績(「自宅等からの入棟患者」割合が一定以上など)が高い200床未満のところを新たな【入院料1】【入院料3】として高い報酬を設定することになります。また【救急・在宅等支援病床初期加算】を、▼急性期一般病棟からの転院・転棟患者の受け入れを評価する【急性期患者支援病床初期加算】▼自宅や介護施設などからの入院患者に対する、患者や家族の「治療方針に関する意思決定」支援を評価する【在宅患者支援病床初期加算】—に細分化し、後者を手厚く評価する方針も明確にされました。これらから、「自宅などからの急性増悪患者・救急患者をより多く受け入れる」「200床未満の病院に設置される」地域包括ケア病棟では収益が増加(基本料のアップ+加算のアップ)することが予想されます。逆に、点数や基準値の設定如何によっては、「大規模病院に設置され、7対1の受け皿として機能している地域包括ケア病棟」では収益減少の可能性もあります。今後の病床戦略に大きな影響を与える見直し内容であり、詳細に注目する必要があります。回復期リハビリ病棟、リハビリ実績指数の高い病棟を手厚く評価 回復期リハビリ病棟では、看護配置15対1以上、PT2名・OT1名配置などの基本部分と、リハビリ実績指数(リハビリ提供によるADL改善度合いを指数化したもの)や重症患者割合、自宅等退院患者割合などの診療実績に応じた段階的評価を組み合わせた報酬体系への見直し(6種類の入院料を設定)が行われます。基本部分の基準を見ると、▼回復期リハビリの必要性が高い患者割合80%以上▼回復期リハビリが必要な患者への1日2単位以上のリハビリ提供▼病棟への専任・常勤医師1名以上配置▼看護配置15対1以上(回復期リハビリ病棟入院料1・2では13対1以上)▼看護職員に占める看護師割合4割以上(同、7割以上)▼看護補助配置30対1以上▼病棟への専従常勤PT2名以上、常勤OT1名以上配置(同、専従常勤PT3名以上、常勤OT2名以上、常勤ST1名以上配置)▼データ提出加算の届け出(回復期リハビリ病棟入院料5・6では200床以上の病院のみ)—などとなっています。ここに診療実績を組み合わせ、次の6種類の入院料が設定されます。【回復期リハビリ病棟入院料1】:▼病棟への専任・常勤の社会福祉士1名以上配置▼休日を含めた週7日間のリハビリ提供体制▼新規入院患者に占める重症患者割合が3割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善▼自宅等退院患者割合が一定以上▼リハビリ実績指数が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料2】:▼病棟への専任・常勤の社会福祉士1名以上配置▼休日を含めた週7日間のリハビリ提供体制▼新規入院患者に占める重症患者割合が3割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善(4点以上)▼自宅等退院患者割合が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料3】:▼新規入院患者に占める重症患者割合が2割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善(3点以上)▼自宅等退院患者割合が一定以上▼リハビリ実績指数が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料4】:▼新規入院患者に占める重症患者割合が2割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善(3点以上)▼自宅等退院患者割合が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料5】:▼リハビリ実績指数が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料6】:基本部分の要件(施設基準)を満たす 【入院料1と2】【入院料3と4】【入院料5と6】は、それぞれセットで、「重症患者の受け入れ割合」や「リハビリ体制の充実度合い」に応じて階段が設けられます。各セットの中で、リハビリ実績指数に応じた階段が設定される形です。より効果的なリハビリを提供し、ADL改善効果が高い回復期リハビリ病棟が経済的にも高く評価される形になります。こうした見直しに伴い、現在のリハビリテーション充実加算(1日6単位以上の濃厚リハビリ提供などを評価している)は廃止されます。このほか回復期リハビリ病棟については、▼リハビリ実績指数が一定以上などの要件を満たす場合には、専従のPT・OT・STであっても「回復期リハビリ病棟退院から3か月以内の患者」に対し外来リハビリの提供、在宅患者訪問リハビリの提供を可能とする(専従要件の緩和)▼【回復期リハビリテーション棟入院料1】の要件に、管理栄養士のリハビリ実施計画作成への参画、管理栄養士・医師・看護師らによる計画に基づく栄養状態の定期評価と計画見直しなどを盛り込む▼【回復期リハビリテーション棟入院料1】の要件に「病棟への専任・常勤管理栄養士配置が望ましい」旨を盛り込む▼【回復期リハビリテーション棟入院料1】において、入院栄養食事指導料を包括から除外する(出来高算定可能)—といった見直しも行われます。看護必要度を測定する13対1病棟を高く評価、将来、重症患者割合の設定も 13対1・15対1一般病棟入院基本料は、次の3種類の【地域一般入院料】に再編・統合されます。【地域一般入院料1】:▼看護配置13対1以上▼看護職員に占める看護師割合7割以上▼平均在院日数24日以内▼入院患者について、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Iの評価を行う 【地域一般入院料2】:▼看護配置13対1以上▼看護職員に占める看護師割合7割以上▼平均在院日数24日以内 【地域一般入院料3】:▼看護配置15対1以上▼看護職員に占める看護師割合4割以上▼平均在院日数60日以内 【地域一般入院料1】では、重症度、医療・看護必要度Iの測定が必要となり(現在の一般病棟看護必要度評価加算を入院料に組み込む形)、このデータに基づいて2020年度以降の診療報酬改定で「重症患者割合」が導入される可能性があります。今から、「より重症な患者を受け入れる」ための取り組み(重症患者を紹介してくれるクリニックや介護施設などとの連携強化、必要に応じた救急患者受入、急性期を脱した患者の在宅復帰や介護施設への退院支援の充実など)を進めることが重要です。療養病棟は20対1に一本化、医療区分2・3患者割合に応じた点数を設定 療養病棟については、看護配置20対1に一本化し、ここに医療区分2・3患者割合に応じた実績評価部分が組み合わされます(療養病棟入院料1と2)。看護配置25対1などの療養病棟は「経過措置」として存続が可能ですが、「看護体制の強化、重症患者の受け入れ強化によって医療保険の療養病棟としての存続」を図るのか、「介護医療院などへの転換」を図るのか、などを早期に決断する必要があります。【療養病棟入院料1】:▼看護配置20対1以上▼看護職員に占める看護師割合2割以上▼看護補助20対1以上▼医療区分2・3の患者割合が一定以上 【療養病棟入院料2】:▼看護配置20対1以上▼看護職員に占める看護師割合2割以上▼看護補助20対1以上▼医療区分2・3の患者割合が一定以上 【経過措置1】(当面2年間、減額された入院料を算定可能):療養病棟入院料2の基準のうち、▼看護配置20対1以上(ただし看護配置25対1以上は満たすこと)▼医療区分2・3の患者割合が一定以上—のいずれかのみ満たさない場合(現行の看護配置25対1である療養病棟入院基本料2が相当する)【経過措置2】(2年間、さらに減額された入院料を算定可能):▼看護配置25対1—を満たさない場合(ただし看護配置30対1以上は満たすこと)(現行の療養病棟入院基本料2の経過措置が相当) 療養病棟入院料の1と2は、看護配置などは同じで、「医療区分2・3の患者割合」によって区分されます(例えば、入院料1では80%以上、入院料2では50%以上など)。このほか療養病棟に関しては、▼医療区分3のうち「医師・看護職員により、常時、監視・管理を実施している状態」については、他の医療区分3・2の項目に1つ以上該当する場合に限り医療区分3として取り扱う▼在宅復帰機能強化加算について、点数および「一般病棟等から入院し、在宅へ退院した患者」割合の基準値を見直す▼日常生活の支援が必要な患者(ADL区分3)を多く受け入れ、手厚い夜間看護配置(16対1以上)を行い、身体拘束を最小化する病棟を評価する【夜間看護加算】を新設する▼救急・在宅等支援病床初期加算について地域包括ケア病棟と同様の見直しを行う(上述)▼200床以上の病院でデータ提出を義務付ける―などの見直しが行われます。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「個別改定項目について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf)p36~40「地域包括ケア病棟入院料の評価体系の見直し」で、「地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の施設基準について、地域包括ケアシステムの構築を推進する観点から、訪問看護サービスを併設している医療機関についても、要件の一つとする。」は注目である。「在宅医療にかかる地域別データ集」」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)で、訪問看護が弱い地域では、今後、病院併設訪問看護ステーションが検討されても良いように感じる。

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