保健福祉の現場から

感じるままに

要介護高齢者の宿泊療養・自宅療養の懸念

2021年03月31日 | Weblog
全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken_129155.html)のR3.3.9認知症施策・地域介護推進課資料(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000750940.pdf)p34「病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点について」では、「R3.2.5事務連絡(https://www.mhlw.go.jp/content/000740624.pdf)は、介護サービスの提供が必要な場合における様々な選択肢をお示しし、自治体及び介護サービス事業所における柔軟な対応をお願いしたものであり、在宅の要介護高齢者に対する訪問系の介護サービスの継続を一律に要求したものではない点にご留意いただきたい。」とある。R3.3.24「今後の感染拡大に備えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000758011.pdf)p16「病床確保計画のあるフェーズまでは、高齢者は全員入院とするが、そこからフェーズをあげた時には高齢者であっても入院治療が必要な者かどうかの判断を個別に行い、入院治療が必要ないと判断された者は宿泊療養とする。」、p38「症状が悪化するリスクが一定程度ある患者が療養できるよう、いざという時に健康管理を強化した宿泊療養施設を優先的に稼働させることについて、予め検討しておくこと。」、p39「在宅での酸素投与などができる体制の立ち上げを事前に検討し、医療従事者や設備の確保といった必要な準備を行っておく。」、p40「医療機関や高齢者施設等で感染者が発生した場合においては、真に入院治療が必要な状態の患者を優先的に入院させる必要があるため、それに該当しないような患者は、高齢者施設等入所者の場合は施設で療養し、入院患者の場合はコロナ患者受入れ病院以外の病院でも入院している医療機関で療養せざるを得なくなることを想定すること。」は、第4波の危機感が表れているように感じるが、要介護高齢者の宿泊療養・自宅療養が増えると、R3.3.22朝日新聞「第3波の病床不足、招いた原因…国も知事も押し付け合い」(https://www.asahi.com/articles/ASP3P6WYMP3PULBJ004.html?iref=com_apitop)の「国内の死者の4分の3が昨年12月以降に集中し、自宅で亡くなる人も相次いだ。」のような事態を招かないとも限らない。R3.2.5「病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000740624.pdf)p7「在宅要介護者の介護サービス確保に関する対応」では「本人が感染」の場合と「本人が濃厚接触者(同居家族が感染した場合も含む)」の場合の対応フローチャートが示されている。R2.9.18「介護保険施設等における入所(居)者の医療・介護サービス等の利用について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000674821.pdf)、R3.2.8「新型コロナウイルス感染症に係る在宅の要介護(支援)者に対する介護サービス事業所のサービス継続について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000737979.pdf)で、サービスの継続が要請され、基本的対処方針(https://corona.go.jp/news/news_20200411_53.html)のR3.3.18基本的対処方針(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_h_20210318.pdf)p32「都道府県等は、患者が入院、宿泊療養、自宅療養をする場合に、その家族に要介護者や障害者、子供等がいる場合は、市町村福祉部門の協力を得て、ケアマネジャー、相談支援専門員、児童相談所等と連携し、必要なサービスや支援を行うこと。」とある。「介護事業所等向けの新型コロナウイルス感染症対策等まとめページ」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/taisakumatome_13635.html)に掲載されているR3.3.9「介護現場における(施設系通所系訪問系サービスなど) 感染対策の手引き第2版」(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000678253.pdf)p79~120「新型コロナウイルス感染症」とR3.3.24「新型コロナウイルス感染症に対応する介護施設等の職員のためのサポートガイド」(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000757739.pdf)はセットでみておきたい。新型コロナワクチン(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html)(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html)(https://www.pc-covid19.jp/article.php?ckbn=8)について、R3.3.3「高齢者施設への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を行う体制の構築について(改正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000749261.pdf)を踏まえた「居宅サービス事業所等の従事者」の優先順位、R3.3.29「高齢者施設の従事者への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種について(再周知)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000761544.pdf)の「高齢者施設に入所する高齢者から優先して接種した際、ワクチン流通単位の観点からの効率性に留意して施設の従事者に同時に接種するといった対応」はどうなっているであろうか。なお、介護現場の戸惑いは、R2.8.3日本感染症学会「“今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて”の提言に際して」(https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=41)(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2012_teigen_influenza_covid19.pdf)p9「インフルエンザは早期診断に基づく、早期治療を⾏うことを推奨します。」に対して、p3「COVID-19軽症例については、確⽴された治療薬はなく、多くの薬剤が臨床治験中」とあるように、現状では「インフルエンザと新型コロナは正反対の治療方針」も小さくないかもしれない。R2.8.17「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について(その4)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659871.pdf)の添付「新型コロナウイルス感染症に対するアビガン(一般名:ファビピラビル)に係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659872.pdf)で「(問 10) 介護老人保健施設(老健)、重症心身障害児施設、精神科単科の病院において(転院が困難な)患者さんに対してアビガンによる治療を行いたいのですがどのようにしたらよいですか。(答) 転院が困難な症例は、医師の経過観察下で、各施設でのアビガン投与をお願いしております。」と示されているように、ファビピラビル(アビガン®)はすでに施設レベルで使用可能な薬剤であることは周知されているであろうか。R3.2.2「新型コロナウイルス感染症の治療薬に対する治験等の実施について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000732600.pdf)で、「在宅又は宿泊療養施設における被験者に対する治験薬等を投与すること等に係る留意点」が示されているが、R3.2.19「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4.2版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000742297.pdf)p12「重症化のリスク因子」を有する宿泊療養・自宅療養者に対しても、軽症からの抗ウイルス薬治療は考えられないであろうか。日本感染症学会(https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31)の「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第7版(2021年2月1日)」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_210201.pdf)p2「1. 中等症・重症の症例では薬物治療の開始を検討する。2. 高齢(およそ60歳以上)・糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・慢性腎障害・肥満・悪性腫瘍、喫煙による慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態等のある患者においては、特に重症化や死亡のリスクが高いため慎重な経過観察を行いながら開始時期につき検討する。3. 無症状者では薬物治療は推奨しない。4. PCRなどによりCOVID-19の確定診断がついていない患者は薬物治療の適応とはならない。」とあり、たとえ重症化リスクがあっても早期治療は推奨されず、R3.2.19「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4.2版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000742297.pdf)p30「抗ウイルス薬の投与が考慮される」は中等症からである。医療負荷を軽減するために、R2.10.27Web医事新報「緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763)の「急性ウイルス性疾患の治療においては,抗ウイルス薬の治療開始時期は,水痘では24時間以内,インフルエンザでは48時間以内,帯状疱疹では72時間以内というように,早期に薬剤投与による治療が開始されている。この点を考慮すると,COVID-19は,発症3~5日後までに治療を開始して,肺炎や神経系・循環器系合併症を防ぎ,後遺症を残さない治療が理想」のような選択肢はないのであろうか。R2.12.23夕刊フジ「新型コロナ、本当に効く治療薬は? 「レムデシビル」「デキサメタゾン」「アビガン」 識者「効くという報告も、その逆もある。具体的な特効薬はない」」(http://www.zakzak.co.jp/soc/news/201223/dom2012230009-n1.html)では「感染症に詳しい浜松医療センターの矢野邦夫院長補佐は、「ほとんどの人はかぜ症状なので対症療法になる。高齢者などリスクのある人ではウイルスの増殖を防ぐためにアビガンを、そして、炎症を抑えるためにデキサメタゾンを使う。サイトカインストーム(ウイルスを攻撃する抗体が暴走し、体内の細胞を攻撃する)が起こる前に早めに使用している。デキサメタゾンは血糖値が上がったり、寝られなくなるなど課題もあるが効果はある」と語る。(中略)矢野氏は、「レムデシビルは人工呼吸器が必要なレベルの重症者に用いるものだが、点滴で患者をつなぐ必要がある。これに対し、アビガンは内服薬なので使いやすい。高齢者や基礎疾患で重症化リスクのある人には早めにアビガンを使用し、ほぼ同時か1日遅れでデキサメタゾンを使うことが多い」と語る。」とある。R2.11.27Web医事新報「[緊急寄稿]これからの新型コロナ対策はどうあるべきか─universal masking,PCR検査,そしてアビガン 菅谷憲夫」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15981)の「ファビピラビルを院内感染,施設内感染対策にも使用することを考慮すべきである。」は、今後、「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/tebiki25.pdf)p10「施設内感染伝播が発生している場合には、適切なリスク評価のもと、早期の抗ウイルス薬予防投薬なども考慮されうる。」、「疥癬対策マニュアル」(https://www.maruho.co.jp/medical/scabies/manual/manual04.html)の「内服薬 原則的に確定診断がついた患者に投与する。その患者と接触の機会があり、疥癬様の症状がある方に予防的投与することがある:イベルメクチン 約200μg/kgを空腹時に1回、水で内服する。」のように、クラスター発生の医療・介護施設や後期高齢の家庭内濃厚接触者等での予防投薬はどうなのであろうか。日本医師会 COVID-19有識者会議(https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/)のR2.5.17「新型コロナウイルス感染パンデミック時における治療薬開発についての緊急提言」(https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1526)(https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/wp-content/uploads/2020/05/新型コロナウィルス感染パンデミック時における治療薬開発についての緊急提言.pdf)の「我が国が経験したサリドマイドなど数々の薬害事件を忘れてはならない。」は、富士フィルム「アビガン®錠」(https://brand.fujifilm.com/covid19/jp/avigan.html)を指しているであろうが、「(2021年2月時点)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識」(https://www.mhlw.go.jp/content/000749530.pdf)p3年代別「重症化する割合」「死亡する割合」が出ているように、高齢者で重症化率・死亡率が高い。子どもをつくる予定のない「高齢者」等で「催奇形性」を重視しなければならないのであろうか。とにかく、観察研究である限りは制約が非常に大きい。
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