保健福祉の現場から

感じるままに

自宅療養のリスク評価を

2021年09月02日 | Weblog
R3.9.2朝日新聞「自宅療養者への健康観察 県のてこ入れ後も機能せず」(https://www.asahi.com/articles/ASP916VYJP91UTNB00G.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染者の急増で埼玉県の宿泊・自宅療養者支援センターが機能不全になったことを受け、無症状などの自宅療養者で、保健所の毎日の健康観察を受けられない人がいる事態が続いている。県は保健所の業務を支えるため、保健師の派遣などのテコ入れをしたが、それでもなお人手が足りず、手が回らない状況にある。県によると、8月31日現在、県内の自宅療養者数は9271人。県内のある保健所では1日も、職員総掛かりで自宅療養者に健康観察の電話をかけ続けた。だが、職員の一人は言う。「毎日かけている対象は高齢者や症状が悪い人などに限られる。それ以外の無症状などリスクの低い人に、自宅療養中の10日間、まったくかけないということはないが、毎日はしていない」と明かす。各保健所ではもともと、県や管内の自治体から職員を派遣してもらい、中等症者らに対応してきた。支援センターの業務が滞り、センターで担っていた軽症や無症状の患者も8月26日から受け持っている。ただ、人数が多い無症状者らに健康観察を毎日実施するには、支援センターが導入していた国の感染者管理支援システム「HER―SYS(ハーシス)」を使って自動応答にしない限り難しいと複数の保健所関係者は話す。支援センターの業務が回復するまで、県は看護師30人と事務職38人を管轄の保健所に新たに派遣したのにあわせ、各保健所が支援システムを活用できるようにLAN回線も増設した。だが、保健所幹部の一人は「システムの活用には入力用に加え、チェック用にも職員が必要になる。そこに人手を割くとリスクの高い人たちへの対応に支障が出かねず、システムの活用にはなかなか踏み切れない」と言う。厚生労働省は、症状が急変する可能性もあることなどから無症状や軽症の自宅療養者についても「保健所が1日1回電話などで健康状態の確認を行う」という指針を各都道府県に示している。大野元裕知事は、新たな業者を加えて支援センターの業務を回復できる時期を「9月の早い段階」としており、それまで不正常な状況が続く恐れがある。>

R3.9.2NHK「自宅療養者の健康観察 保健所に代わり医師会が担当 広島 福山」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210902/k10013239381000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_053)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療がひっ迫し、自宅での療養を余儀なくされる人が増える中、広島県福山市では、地域の医師会が保健所に代わって、自宅で療養する人の容体に変化がないか健康観察を行っています。健康観察はこれまでは保健所が担っていましたが、感染者の急増で業務が追いつかなくなり、今週から福山市医師会が担当しています。2日は医師会の看護師4人が、自宅で療養する軽症や症状がない人に電話をかけて、発熱や息苦しさがないかなどを確認していました。福山市では先月31日までの直近1週間の10万人当たりの、新規の感染者数が84.01人で、政府の分科会が示す、感染状況が最も深刻なステージ4の指標の25人を大きく上回っています。医療機関のベッドや宿泊療養施設がひっ迫する中、自宅での療養を余儀なくされている人は市内で200人を超えているということです。福山市医師会の看護師のハマ田満美さんは「かなり多くの人が自宅療養を余儀なくされているので、保健所ともしっかり連携して療養者の少しの変化も見逃さないようにしたい」と話していました。>

R3.9.2NHK「滋賀県 自宅療養者 1か月で18人から1282人に 対応に追われる」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210902/k10013239271000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_078)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、滋賀県内の保健所では、急増する自宅療養者への対応などに追われています。緊急事態宣言が出されている滋賀県では、感染の急拡大で、8月1日の時点で18人だった自宅療養者の数が、9月1日時点で1282人に急増し、保健所が対応に追われています。このうち草津市の草津保健所では、職員が自宅療養者の自宅に血液中の酸素の値などを測る「パルスオキシメーター」を送る作業を行ったり、療養者一人ひとりに電話をかけ、健康状態を確認したりしていました。ほかの部署などから20人余りの応援を受けて、今はおよそ50人態勢で対応にあたっていますが、自宅療養者が電話に出ない場合は、安否確認のために自宅に駆けつけることもあって、深夜まで残業することも多いということです。草津保健所の荒木勇雄所長は「最近は子どもの感染者が増えていますが、学校が始まり、さらに増えるのが心配です。いま一度、マスクの着用や、人との距離を保つなど、感染対策を徹底してほしいです」と話していました。>

R3.9.2FNN「「30歳でもこんなに」「64カ所病院に断られ」追い詰められる新型コロナ自宅療養者」(https://www.fnn.jp/articles/-/233170)。

「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.1資料2-6「年齢区分別の新型コロナウイルス感染陽性者数と死亡者数-年齢区分別のワクチン接種についても検証-(2021年7月)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826597.pdf)p4「コロナ感染陽性者数、死亡者数、致死率6月と7月の比較」をみると、若年者の陽性者数が増えているが、致死率が上がっているわけではないことがわかる。以前は、R2.7.21厚労省「地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策(サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制)の移行について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000651071.pdf)p5「重症化しやすい方以外の方であれば、新型コロナウイルスに感染しても症状が軽いことが多いため、通常の風邪と症状が変わらない場合は、必ずしも医療機関を受診する必要はない」であったが、今では、R3.8.13「職場における積極的な検査の促進について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000819118.pdf)が出ており、早期診断が進んでいることが影響しているかもしれない。R3.9.1資料2-6「年齢区分別の新型コロナウイルス感染陽性者数と死亡者数-年齢区分別のワクチン接種についても検証-(2021年7月)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826597.pdf)p6「アルファ株、デルタ株のコロナ感染陽性者致死率(2021年7月)」の「両群間で有意差なし」は理解したい。なお、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.1資料2-2「最近の感染状況等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826593.pdf)p4「新規死亡者数の推移」をみると、第4波での新規死亡者数は5月中旬がピークでスパイクがみられている。最近のR3.8.31NHK「自宅療養 60代男性死亡 10日以上電話応答なく 発見は死後2日か」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013235971000.html)、R3.8.30NHK「新型コロナで自宅療養中の女性死亡 死後3日か 千葉 柏」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210830/k10013232981000.html)、R3.8.29FNN「基礎疾患なく…自宅療養中の40代女性死亡 夜に症状悪化そのまま亡くなる 東海3県新規感染者1996人」(https://www.fnn.jp/articles/-/231308)、R3.8.31朝日新聞「保健所が連絡見落とす 静岡で自宅療養者1人死亡」(https://www.asahi.com/articles/ASP806G4DP80UTPB00X.html)等の一連の報道をみると、致死率は自宅療養が影響されていないとも限らないように感じる。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)では自宅療養のリスク評価はされているであろうか。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000825864.pdf)p44「自宅療養者に対して行う診療プロトコール」では「可能であればパルスオキシメーターを貸与し1日3回程度、酸素飽和度を測定してもらう」「発症日から7日前後で悪化することが多いため綿密なフォローが必要」とあるが、適切に行われているであろうか。
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