友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

バングラディシュ報告会

2008年03月09日 23時01分45秒 | Weblog
 「国際交流マインド」が、2月にバングラディシュを訪問した。私は行かなかったので、今日の報告会は興味深く聞いた。バングラディシュは平地である。海を眺めて、確かに地球は丸いと思ったことはあるが、平地を眺めて、地球は丸いと思ったと言うから、よほど広い平野が続いているのだろう。この平野も、雨季には河になってしまうという。河の流れは絶えず変化し、乾季には豊かな農地に変わるという。

 バングラディシュから日本に来た青年の話を昔、聞いたことがある。彼が言うには、バングラの人々は大地の豊かな恵みに支えられて、満たされた生活を送っていたそうだ。西洋人がやってきて、バングラの人々の製品を買い上げていった。そして、現金生活が社会の中で大きな比重を占めるようになっていった。同時に西洋人の暮らしが見えると、それまで電気がなくても暮らしてきたのに、電気を引いたり、車がなくても平気だったのに、車を欲しいと思うようになった。

 そうして、豊かなバングラはどんどん貧しくなっていったと話してくれた。同じような話をネパールへ旅した人からも聞いた。ネパールでも、昔はみんな仲良く助け合って暮らしていた。ところが、ヒマラヤへやってくる観光客が増え、観光客はお金を遣っていった。それだけでなく、貧しい生活を見て、施しもしてくれた。物乞いが増えた。物乞いの中でも子どもをつれた母親や、さらには子どもが病気だったり奇形だったりすると、いっそう多くのお金を恵んでいくので、わが子の足や腕を痛める親までも現れた。

 みんなが同じ、食事や衣服や家屋で、暮らしていた時には、大きな差もなく暮らしていたのに、文明が入ってきて豊かな生活に近づくと、貧しくなっていく。人間が歩いてきた歴史が見える。先日もテレビで、宇宙ステーションづくりにかかわる日本人技師を取り上げていた。宇宙に人が住める基地を作ってどうしたいというのか、私にはわからない。この地球には65億人という人間が住んでいる。地球に住めなくなったなら、宇宙ステーションに住めばいいなどと言う人がいるが、65億人もの人間が住める場所はないし、移住する手段もない。

 バングラディシュの人々は人間的に豊かだとの報告があった。彼らは目が輝いていたが、日本の若者たちにはそうした輝きがないと。バングラの子どもは青年たちと変わらないくらいに働く。同じ仕事をする限り、10歳の子も20歳の大人も平等のようだ。そして、何よりも彼らは労働を尊重しているし、生きているものを大事にしているという。人々は自然に協力し合っている。農業は自然の驚異と闘いながら、人々が協力して生きていくことの必要性を社会にもたらした。報告の最後に、「バングラディシュに行って、私は心が豊かになった」と結ばれた。
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