友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

バレンタイン

2008年02月14日 21時10分28秒 | Weblog
 自分史が流行している。私の知人も自分史を自費出版した。自分が生きてきた道を辿りたい、そんな気持ちは誰にでもあるのかもしれない。わたしも自分がどういう人間なのか、自分探しをしているが、それは自分の中のことであって、自分史を本にしたいとは思ったことはない。小説はフィクションだから書きたいとは思うけれど、自伝を書きたいとは思ったことはない。

 自分史を自費出版した人は、およそ3百冊は印刷して、親戚や知人に配るというものらしい。私は中学の時から、ずーと日記を書いているので、自分史の材料は揃っている。小説家が私の日記を小説の材料に欲しいというなら差し上げてもかまわない。私にとっては書き綴られた日記は恥部のようなもので、恥ずかしくって人には読ませられない。

 私は、思いついた時に思いついたままを書いてきた。書いてきたけれど、決して真実ばかりではない。かなり誇張してしまっているところもあれば、本当のところはウヤムヤにしてしまっているところもある。酔っ払って、文字もよくわからないところもあるが、これが本音なのか、実のところはよくわからない。私が書いたことだけが唯一の真実である。

 この世に生まれ、育ち、働き、そして死を迎えるのが人生であるなら、この世に生まれたこと、生きて死を迎えたことにどれほどの意味があるのだろう。たかが一人の人生など、生きたことも死んだことも、それで何がどうなるというものではない。死を家族や知人は悲しんでくれるかもしれないが、時間が経てばいつか忘れる。それでよいのだ。それが自然だ。

 私は今も、私の父の日記や母のアルバムを持っている。父や母を思い出すのは、この家では私だけだ。カミさんも子どもたちも父や母を知らないし、アルバムを見ても単に私に関係のあった人でしかないだろう。人の記憶は三代までだという。私も祖父母は知っているが、その一代前は知らない。人はいつか、存在したことも忘れられてしまうものだ。

 だからこそ、今を大切に生きたいと思う。過去のことは取り戻せないし、やり直すこともできない。今日はバレンタイン。私も愛する人からチョコをもらった。チョコよりもっといいものももらった。ありがとう。
コメント (2)
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