友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

JTBの「旅物語」

2008年02月01日 21時34分54秒 | Weblog
 JTBの「旅物語」で「たっぷり別府・湯布院・黒川温泉2泊3日」に出かけた。参加費用は一人29800円とお値打ちである。飛行機の往復だけでもそれくらいの費用がかかるのに、どうしてそんな旅行ができるのかと興味深かった。答えは誠に簡単だった。

 タイトルだけを見ると「たっぷり別府・湯布院・黒川温泉2泊3日」だから、温泉三昧のデラックス旅行のように思ってしまうが、それは私たちが勝手にそう思ったということだった。1泊目の別府は温泉旅館というよりもビジネスホテルだった。2泊目の阿蘇の内牧温泉郷のホテルは夏にはテニスや水泳が楽しめるリゾートホテルのようだが、テニスコートは荒れていて駐車場になっていた。

 落ち目のホテルと安い料金で契約し、このような値段がはじき出せたのだろう。私同様にJTBだから安いといってもそれほどではないだろうと思って参加した人たちが多かったようだ。「あれじゃーね」と陰口を言いながらも「値段が値段だから」と自ら納得させていた。コースはよかったし、宿泊施設さえ良ければ、そんなに文句の出るようなプランではないように思う。

 ただタイトルの「たっぷり」の意味は、朝の始発から夜の最終までの3日間フルという意味だったのかと旅を終えて気がついた。何しろ、朝5時に家を出て、夜11時半に家に戻る、文字通りの「たっぷり」旅行だった。安い旅行ができたと思っていたカミさんは、私が最後の福岡空港での夜食で1人5千円遣ったことや日頃は土産など買ったことがない私がアレコレと買い求めたために、すこぶる不機嫌となってしまった。人の価値観というものはなかなか計れない。非難に甘んじるしかなかった。

 私がこの旅行で一番気になったのは、JTBの経営の姿勢だった。福岡空港に到着し、ツアーの集合場所にそれぞれが集まっていく。近畿ツーリストもあれば、阪急もあり、日本旅行もある。名鉄観光はセントレアから添乗員が同行していた。私たちのJTBが一番参加人数が多いようだった。「本日は44人の皆さんに来ていただいた」とガイドさんは話していた。

 どこのツアーもそれぞれ参加者の点呼をしていたのに、私たちの添乗員は短く挨拶した後、「それでは参りましょう」と言い、バスへと案内していった。それなのにバスはいっこうに発車しない。添乗員はハアハアいいながらバスとターミナルを往復している。「まだ、来ない人がいます」とバスの運転手がマイクで説明した。30分ほどして40代の女性客が二人、「第3ターミナルって‥」などと話しながら「ごめんなさい」の一言もなく乗り込んできた。それでもまだ、バスは出ない。1時間近くも待った。結局キャンセルが4人あったとわかった。

 添乗員は「私のミスで皆様にご迷惑をかけ、誠に申し訳ありません」と謝った。ブツブツ言っている人はいたが、添乗員に食って掛かる人は一人もいなかった。参加者はほとんどが定年退職した夫婦か女友だちといった様子だった。私は添乗員に「あなたの名刺をください」と言った。彼は「私はJTBの人間じゃーないですよ」と言う。「ええ、でも名刺はお持ちですよね」と重ねて尋ね、名刺を受け取った。添乗員も下請けに出していたのだ。彼はこの件をどのように報告しているのだろう。JTBはこれをどのように教訓化しているのだろう。このことが私は一番気になった。
コメント
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