goo blog サービス終了のお知らせ 

常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

牡丹

2014年05月08日 | 漢詩


牡丹は晩春から初夏にかけて咲く。俳句の季語では、夏に分類される。古来、中国では百花の王として珍重され、楊貴妃のような艶麗な美人に比べられた。晩唐の詩人、皮日休に『牡丹』の詩がある。

 牡丹

残紅落ち尽くして始めて芳(はな)を吐く

佳名喚びて百花の王と作す

競い誇る天下無双の艶

独り占む人間第一の香り

梅の花を皮切りに春の百花の競演が始まるが、そのフィナーレに登場するのが牡丹である。あでやかでそしてかぐわしい香りを持つ。義母の庭に開いた牡丹はさすがに王者の風格がある。今朝、義母は庭の牡丹に見送られて、デイサービスに出かけて行った。

牡丹剪って気のおとろひし夕べかな 蕪村



なかでも白牡丹の高貴な雰囲気を愛する人も多い。写真にその雰囲気を写し出すのはなかなか難しい。

白牡丹いまうたかたの艶ならず 吉田

義母の庭に咲くのは、赤い牡丹。蕾から花を大きく開こうとしている。



光禅寺の庭園には、牡丹の木が4,5本。今日、訪れてみたが花はもう咲ききっていた。いかにも惜しい。昨日行けばもっと艶麗な姿を見られたものと悔やまれる。

牡丹散ってうつかさなりにぬ二三片 蕪村







花・ガーデニング ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コリアンダー

2014年05月07日 | 農作業


もう10年も前であるが、妻が病気で入院したことがあった。長く会社勤めをしていて、家事はすべて妻に任せていたので、たちまち困ってしまった。第一に、毎日の食事である。それから、洗濯に掃除。どれもまともにできない。それではじめたのが料理であった。レシピ本を買って、鍋などもビタクラフトを買い込んで、野菜料理に挑戦した。

そのうちで一つ、得意の料理ができた。トマトと茄子、ズッキーニを使うラタトゥイユである。丸元淑生氏のレシピを参考に、夏野菜が出回るころ盛んに作った。野菜が相互に味を補完して、実においしい野菜料理になる。この料理に欠かせないのがコリアンダーの粉末である。ハーブのことなど何も知らずに、スーパーから買って来て、ふりかけのようにラタトゥイユに入れた。名を忘れやすいで、「コリャナンダー」と冗談をいう人もいた。

畑で野菜作りをしようとしたきっかけも、ラタトゥイユの材料を作ることである。コリアンダーは、夏には種をつけるので、それが零れて秋にまた新しい芽がでて、雪がふるまで収穫できる。ほったらかしにしていたコリアンダーがどんどん成長している。今年は、ズッキーニの作付けを増やした。


家庭菜園 ブログランキングへ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アヤメ

2014年05月06日 | 詩吟


本日、立夏。気温が上がり、初夏の陽気のになると、気の早い初夏の花があちこちに咲き始めた。皐月の花の下に白いアヤメがみごとに咲いていた。この花の凛とした姿と花の気品は古くから日本人に愛されてきた。

ほととぎす鳴くやさつきのあやめぐさあやめも知らぬ恋をするかな 古今集

古今集、「恋の部」部冒頭の一首である。題知らず、詠み人しらずとある。恐らく身分の高い宮廷の人がおのれを韜晦した歌であろう。あやめも知らぬとは、文目。分別のない恋という意味である。

今日は、仙台で詩吟の優秀吟のコンクールが行われる。私は、合吟で山形岳風会の男子チームの一員として出吟する。昨年の暮れから練習を積んできたが、果たして結果は。文目も知らない挑戦ではある。昨夜の雨は上がり快晴、6時55分自宅を出発。



仙台は大通りも会場周辺も緑がいっぱい。旭ヶ丘ににある瀟洒な文化センターのホールで大会が行われた。合吟コンクールでは、このブログを読んでくださっている山根さんの宮城岳風会チームと山形岳風会の女子チームが予選通過。我が男子チームはその次の努力賞となって、全国大会のエントリーならず。これにめげず、来年にへ向かうことみんなで確認した。

出吟の吟題は瀬川雅亮「偶成」。自然を友とし、この天の恵みへ感謝の心を吐露した詩である。

富貴功名何ぞ論ずるに足らん
吟花嘯月亦君恩
風光尽きくる無く乾坤かつたり
人爵は如かず天爵の尊きに

日記・雑談 ブログランキングへ
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

畑へ行く道

2014年05月05日 | 農作業


五月の連休は、植物にとっても黄金の時間である。発芽、根付き、成長と、どれをとっても植物を活性化させる条件が整っている。唯一、少雨で畑の乾燥していることが欠陥である。ただ、今日沖縄に梅雨入り宣言が出されたから、この乾燥も次第に解消されていくであろう。畑へ通う道は新緑に輝き、至るところに花が咲き、小鳥たちが鳴きながら空を飛ぶ。草むらのタンポポは花が終わって、丸い綿毛がかわいい。



ラルースというフランスの出版社の商標は、少女が一茎のタンポポの綿毛に息を吹きかけている図柄である。言葉が添えてあって、「ワタシハ吹ク風アラバ種子ヲマク」とある。この出版社は、世界を吹く風に乗せて知識の種を蒔く、という使命を表わしたものであろう。

たんぽゝのわた毛いづれへゆくべしや 細谷 源二

畑の作業は、種まきがほぼ終わり、あとはトマト、茄子、キュウリの苗を買って、明後日に植えつける。そのころには、蒔いた種の発芽も終わっている。後は施肥、水遣り、草取りをいかに根気よく続けるかが、収穫を左右する。今年も畑へ行く道は、出勤や通学路のように毎日通いなれた道になっている。

家庭菜園 ブログランキングへ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

種まき藤

2014年05月04日 | 農作業


畑で農作業をしていると、近くに経験豊富な人がいて、聞くと色々と教えてくれる。「オクラの種はもう蒔いて大丈夫ですか」と聞くと、「うーん、5月8日と決まっているな。だが、家の庭の藤が満開だから、もうみんな大丈夫だよ」と答えてくれる。この人は、藤の花が咲く時期を目安に種まきの時期を決めているようだ。今朝、先日蒔いたシュンギクが、小さな芽を出した。2mmにも満たない小さな芽をみるときある種の感動を覚える。小さな芽を守り、立派に育てようという意識が強くなる。

八甲田山の雪がとけて雪の形が老爺に姿に似てくると、「タネマキオッコ」と言って苗代の種まきしたという。この種の話は各地にあって、種まき爺、代馬など農家の人たちは山の雪解けを見ながら、農作業の暦に利用してきた。村山市の土生田の山中に、種まき桜というのがある。これは山桜の大木であるが、この花が咲くとやはり苗代に種を蒔いたという話を聞いたことがある。

花や山の雪だけでなく、鳥が時を知らせることもある。「カッコウが鳴いたら、蛭が卵を産む。せりを摘んではいけない。」「ほととぎすが啼くと麦が熟れている。」「立ち葵の花が先端まで咲いたら里芋を掘る」などなど、畑の隣人から聞いた俚諺である。田に稲を植えたり、畑に作物を作ってきた農民は、いろんな自然現象を観察して、種を蒔いたり、収穫時期を決める参考にしてきた。長く続いててきた言い伝えには、無視することのできない、生きた経験が詰まっている。

家庭菜園 ブログランキングへ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする