天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

1967年製作米映画『招かれざる客』シドニーポワチエは「僕なら国務長官どまり子供は有能な大統領に」

2010-10-27 22:49:53 | 日記
今日の日記は、10月17日付『キネマ旬報1位アーサーペン監督『俺たちに明日はない』1968年5位は『2001年宇宙の旅』名作当り年』で第11位になった映画『招かれざる客』のことです。
この映画『招かれざる客』(米1967年製作 スタンリー・クレイマー監督 スペンサー・トレイシー シドニー・ポワチエ キャサリン・ヘップバーン主演)は、私がテレビで放映(日曜洋画劇場)した過去の映画をたくさん見て、大好きになったスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘップバーンが夫婦役で主演しています。ですから、この映画が日本で公開された時、私はとても観たくなって、ロードショー劇場まで出かけました。そして、私がとても感動した映画です。
この日記を書いていて、再びその映画を観たくなり、今お茶の間鑑賞しています。添付した写真は、新聞社主(スペンサー・トレイシー)と妻(キャサリン・ヘップバーン)の娘(キャサリン・ホートン)に、結婚を申し込む黒人医師(シドニー・ポワチエ)です。
この映画が製作された当時は、まだアメリカ社会の人種差別は根深く残っており、公民権運動のリーダーだったキング牧師が暗殺されたのはこの翌年でした。しかし、このアメリカ社会の悪しき人種差別は、お互いの愛と信頼と勇気があれば、克服できるとスタンリー・クレイマー監督が全世界にこの映画で訴えています。
映画ではスペンサー・トレイシーとシドニー・ポワチエが、アメリカ社会の黒人差別に関してお互いに語り合っています。以下に、未来に起こる出来事を見事に予測したその会話を引用掲載します。
・ポワチエ『苦労するでしょうが子供は作ります。それが自然だ!』
・トレイシー『娘は何と?』
・ポワチエ『全員大統領にする気です。しかも有能なね!あなたの教育のお蔭です。』
・トレイシー『だが苦労する』
・ポワチエ『彼女は楽観的です。僕なら国務長官どまり』
・トレイシー『それでも心配だと言ったら臆病と思うか?』
・ポワチエ『いえ でも、時代は変わります!』
・トレイシー『今の我が家ほどの急変はあるまいと思うが、いずれにせよ即答は無理だ!』
この会話では、2000年に黒人初の国務長官になったコリン・パウエル氏(就任時63歳)や2008年初の黒人大統領になったバラク・フセイン・オバマ・ジュニア氏(就任時46歳)のことを的確に暗示しています。37歳の黒人医師役のシドニー・ポワチエが2000年頃に国務長官になり、その息子が大統領になると、映画では予測しているのです。これは、とても素晴らしい慧眼力のある脚本と言うしかないです。
この時の二人の会話では、結婚承諾を保留したスペンサー・トレイシーは、お互いの両親を招いた夕食会の前に、結婚を決意した二人に向って『君達は人種を超えて愛し合った素晴らしい人間だ・・君達が愛と信頼を失わない限り堂々と結婚を貫け!』と言って、最後には二人の結婚を認めその前途を祝福しています。
とても清清しい幕切れのラストです。「映画は作り物で、現実世界にはまったく通用しない無価値のものだ!」との謗りを私に何度も繰り返した劇場悪行客に、この名作映画を是非観てほしいです。
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