天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

「政治を科学する」の鳩山首相は、「科学技術は生命線」と訴える野依氏に耳を傾け、「米百俵」精神の発揮を

2009-11-25 23:31:23 | 日記
今日の日記は、民主党政権の行政刷新会議の「事業仕分け」についての私的所感です。24日これを所管する仙谷由人行政刷新担当大臣は閣議後の記者会見で、スーパーコンピューター開発予算が縮減され、日本の頭脳の海外流出が懸念されていることについて『米国で採用されるような力がある研究をしているのか。そんなに甘いものではない。また、世界で一番を目指す必要があるのか?私は、基礎科学の理学部には予算が付かず、工学部系の研究ばかりに予算が多く付くことに疑問を持っている。予算の適正な配分が必要だ。』と語っています。
この閣僚発言を、任命権者である鳩山由紀夫首相は、何の叱責もしていません。鳩山首相の前職は、1969年に東京大学工学部応用物理・計数工学科を卒業し、1976年スタンフォード大学大学院博士課程を修了した専修大学助教授です。1986年の初選挙では、その選挙運動スローガンが科学者を志望していた自身の経歴をアピールした「政治を科学する」でした。だから、鳩山首相は、科学技術の重要性を良く知る理系出身の政治家です。何故、自身の選挙運動スローガンとまったく逆の行動「科学を政治化する」に邁進し、出身である工学部の研究を誹謗し、その科学技術の重要性を完全否定する担当大臣を注意しないのでしょうか。
この「事業仕分け」の横暴に25日、ノーベル化学賞授賞者で理化学研究所理事長の野依良治さんが『科学技術は生命線。コストと将来への投資をごっちゃにするのは見識に欠ける。世界水準をしのぐ科学技術なくして我が国の存在はない。外国から買って来ればという人がいるが、それはその国への隷属を意味する。歴史の法廷に立つ覚悟があって言っているのか!』と強く批判しています。
また、2001年5月7日自民党小泉元首相の所信表明演説に用いられ、一躍有名になった「米百俵」の逸話を、鳩山首相は御存知ないでしょうか?以下に、その逸話部分を掲載します。
『明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が届けられました。米百俵は、当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまいます。しかし、当時の指導者は、百俵を将来の千俵、万俵として生かすため、明日の人づくりのための学校設立資金に使いました。その結果、設立された国漢学校は、後に多くの人材を育て上げることとなったのです。今の痛みに耐えて明日を良くしようという「米百俵の精神」こそ、改革を進めようという今日のわれわれに必要ではないでしょうか。』
政治的な立場は違いますが、小泉元首相もこの逸話を述べて、「事業仕分け」と同じような聖域なき構造改革への強い決意を語ったのです。でも、人的資源育成の教育や科学技術の振興だけは、その中でも逆に最重要課題と考えて、ばら撒き恩恵助成の削減や無駄の排除を反対しないでくれと訴えているのです。この決意は、今の政権とは、まったく違う政治姿勢です。技術立国の日本では、人間が貴重な財産資源です。優秀な人的資源が枯渇したら、豊かな日本は死滅します。国民は、ばらまき助成などの目先の利益を何も望んでいないと、私は思います。
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