天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

Aグリーンスパン『波乱の時代』世界第二位経済大国を失う結果満足せず対抗策講じる著者予言はアベノミクス

2015-05-03 14:29:12 | 日記
今日の続編日記は、アラン・グリーンスパン著『波乱の時代(下)世界と経済のゆくえ』(日本経済新聞社・2007年刊)で書かれた2030年の日本の姿のことです。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著書の下巻では、2030年後の世界経済を占う記述があり、日本についても、とても鋭い指摘・予想をしています。以下に、その安倍内閣が掲げる「アベノミクス」のその6年前に予言するような記述を、一部引用掲載します。
『日本はおそらく主要先進国のなかでもっとも文化が均一な社会であろう。文明が高度に発達した社会であり、創造的破壊は控えられる。戦後復興に労働力人口が吸収された為、解雇される従業員はきわめて少なかった。日本は終身雇用を重んじる国として知られるようになった。日本の行動は、他の資本主義国と違うのだと、私は結論づけた。債務不履行に陥った企業や個人を破綻させること、銀行の担保を処分することは、従業員を解雇することと同じように、避けるべきである。日本人が従う文明の慣例では「体面を失う」ような行動は、ほとんど考えられないことだった。・・2030年の日本の人口動態の見通しは、ヨーロッパ以上に暗いといえる。技術はすでに世界最高水準にあるため、生産性が向上する余地は、アメリカと同程度に限られる。世界第二位の経済大国(私注:もう2012年頃には現実化)という地位を失うとの予想は多い。だが、日本人がその結果に満足するとは思えず、対抗策を講じるとみられる。いずれにせよ、日本は豊かで、技術と金融の両面で有力な存在であり続けるだろう。』
このアラン・グリーンスパン元FRB議長(18年以上在職し2006年退任)が2006年頃自著出版の為、語ったとても含蓄ある日本論に、私はとても感銘を受けました。彼は、日本を”文化が均一な社会で、終身雇用を重んじ、体面を尊重する”国家であると見做しているからです。
その指摘に、私も強く賛同します。さらに、経済大国第二位陥落に満足せず、”対抗策”を講じると断言までしています。まるで、2012年自由民主党総裁選に立候補した際に、安倍晋三氏が唱えた経済再生策「アベノミクス」を事前に予言したかのような彼の発言だったからです。
現在世界第2位の経済大国・中国を、2030年までに追い抜くのは至難の業かもしれないですが、中国のカントリーリスクや為替変動を考慮すれば、実現不可能ではないと、私は思っています。まずは、2020年までは、経済再生策「アベノミクス」の確実なる執行を現安倍内閣で行ってもらい、後の10年間は、国内インフラ再開発(リニア鉄道・整備新幹線整備・次世代技術革新等)で後継内閣にさらに頑張って、アラン・グリーンスパン氏の予言を正しく実現して欲しいと、私は今衷心より願っています。
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グリーンスパン元FRB議長『波乱の時代』仕事に胸踊る場所シリコンバレー訪問安倍首相に創造的破壊弊害を

2015-05-03 08:26:38 | 日記
今日の日記は、GW休暇札幌別宅で読んでいるアラン・グリーンスパン著『波乱の時代(上)わが半生とFRB』(日本経済新聞出版社・2007年刊)で書かれた日本とは違うアメリカの経済や労働者たちのことです。添付した写真は、その著書です。以下に、私がとても驚いて強く共感したその元FRBアメリカ連邦準備制度理事会)議長の記述の一部を引用・掲載します。
『現在のアメリカでは、転職が驚くほどの規模になっている。1億5千万人に近い労働人口のうち、1週間に百万人が退職している。うち60万人は自己都合の退職だが、40万人ほどレイオフされており、会社が買収されるか人員削減を実施した結果であることが多い。その一方で、新しい産業が成長し、新たな企業が生まれた結果、1週間に百万人が採用されるか、レイオフ期間が終わって職に復帰している。・・アメリカでは物質的な生活水準は向上を続けている。しかし、豊かさをもたらす経済の躍動によって、毎週、何十万人もの人が意に反して職を失っている。・・創造的破壊の嵐がいつも吹き荒れている状態ほど、ストレスがたまることはない。シリコン・バレーは仕事をするにはたしかに胸踊る場所だろうが、新婚旅行の行き先として魅力があるという人はそういないのではないかと思う。・・イタリアのベネツィアは創造的破壊の反対の極なのだ。ベネツィアに人気があるのは、人間性の矛盾のうち、一方の極を代表するものだからだ。人間は物質的に豊かになりたいと望む一方で、変化とそれに伴うストレスを避けたいと望んでいるのである。』
この著書は、8年前に書かれたアメリカ経済を長く強く牽引指導していたグリーンスパン元FRB議長の自伝的な経済書です。この経済人が語ったアメリカ経済の姿は、39年間同一企業に雇用され今後も3年間勤めるつもりの一般的な日本人サラリーマンの私には、とても驚く現象・現状と見えました。
それは、1週間に百万人が退職しているアメリカ労働者(失業率は日本の2倍以上)に、私はとても理解できなかったからです。数日前、安倍首相が夫人同伴でシリコン・バレーを訪問していますが、当然のことですが、彼は国政を担う仕事の一環で、公式訪問しただけです。
私は、アメリカ経済の活力の一因として、『創造的破壊の嵐がいつも吹き荒れている状態』との著者の含蓄ある指摘に同意しますが、一方で『変化とそれを伴うストレスを避けたい願い』を語る著者に深く共感しています。
私もイタリアの古都・ベネツィアを実際に訪問しているので、その魅力を良く知っているからです。さらに、私自身もその生活で『変化とそれを伴うストレスを避けたい願い』の強く実践しています。今では、情報通信機器である携帯電話は、高齢者のみならず子供も持っている当たり前のツールですが、私は未だにその機器を所有していません。その所有によるストレスを避けたいと思うだけではないですが、私はその必要性を何も感じないからです。
そして、やはり、何も全てがアメリカ経済の礼賛ではなく、日本人には日本人に合ったの経済成長の姿を求めて欲しいと、シリコン・バレーを訪問した安倍首相に私は強く願っています。
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