天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

鳥海美朗著『鶴子と雪洲』長男雪夫「戦争が悪いので日本だけが悪いのではない」で『戦場にかける橋』を製作

2014-07-16 21:47:36 | 日記
今日の日記は、今読んでいる鳥海美朗著『鶴子と雪洲 ハリウッドに生きた日本人』(2013年11月・海竜社刊)で語った映画『戦場にかける橋』での早川雪洲・青木鶴子夫妻の長男・雪夫氏の言葉です。添付した写真は、その著書の表紙です。
私は、この著書のテーマ夫妻の夫である俳優の早川雪洲は、年少の頃(小学高学年)から、米英合作映画の名作『戦場にかける橋』(デビッド・リーン監督 アレック・ギネス ウィリアム・ホールデン主演 1957年製作:注・リバイバル上映した際、横浜にあった3本立て映画館「ライオン座」で劇場鑑賞し、放映されたテレビでも幾度も鑑賞)での、日本軍捕虜収容所長役を好演していた彼を良く知っていました。しかし、その妻になったハリウッド映画女優・青木鶴子の存在は全く知りませんでした。だから、今回知った雪洲の良き伴侶青木鶴子に、とても興味を持ち、某書店でこの著書を購入して、今自宅で読んでいます。
そして、この夫妻の長男・雪夫(1929年生~2001年没:母親は鶴子でなくアメリカ女優で、自分と血の繋がらない非嫡子を鶴子が引き取る)氏が、この名作映画に関して語ったエピソードに私は強く共感しました。以下に、この著書から、一部を抜粋・引用します。
『雪夫は、「日本の敗戦後、戦前・戦中の日本は間違っていた、日本の軍部は悪だと決めつけられ、日本的精神がすべて否定されたような時代があった。雪洲はその屈辱を晴らす映画を求めていたのではないか。”戦場にかける橋”は、戦争が悪いのであって日本だけが悪いのではないという立場でつくられた映画ですね。本人としては、やりたい役だったと思う。」と語った。・・第30回米アカデミー賞受賞式で、”戦場にかける橋”は作品賞、監督賞など7部門を獲得し、アレック・ギネスは主演男優賞に輝いた。雪洲も演技が高い評価を受け、助演男優賞にノミネートされたが、惜しくも受賞を逃した。・・公開から40年後の1997年、米国立フィルム登録簿に加えられ、米国会図書館に永久保存されたことからも、この映画は、映画史上に残る作品といえよう。』
私は、この雪夫の語った言葉『戦争が悪いのであって日本だけが悪いのではない』が示す戦争歴史観に、大いに同感です。戦後に、一部左翼思想歴史家の語った日本の戦前・戦中の自虐歴史観には、私はいつも腹が立っていました。この映画を初めて鑑賞した年少時、私は、日本陸軍は外国をただ占領搾取するだけでなく、現地に鉄道を敷設(泰緬鉄道:タイとビルマの国境付近のクワイ河に鉄道橋構築)する工事まで行っていたことに、驚きとても感心しました。また、東南アジア奥地までその版図を広げた日本陸軍は、とても無謀な作戦だったと、逆に、残念な気持ちになったものです。
この映画を製作したデビッド・リーン監督らも、この雪夫氏が語った第二次世界戦争での戦争歴史観『戦争が悪いのであって日本だけが悪いのではない』を同じように保持していたから、捕虜収容所長を好演した早川雪洲の演技を、さらにより良く引き出したのです。
しかし、多くの欧米人は第二次世界戦争での日本の立場をこのように良く理解しているのに、中国の習近平国家主席(注:1953年6月1日生まれで私とはの半月しか違わず全くの同世代)や朴韓国大統領(1952年2月2日生まれで私より約1歳3か月年長だが殆ど同世代)は、”日本だけが悪く、過去の自ら犯した侵略の歴史を全く反省していない”の立場を、全世界に鮮明に打ち出しています。
だから、私は、この全く理解していない両国の国家指導者に、この名作映画『戦場にかける橋』を是非鑑賞して欲しいです。でも、心を開いて真摯な思いで物事を見ない両人には、”馬の耳に念仏”になるかもしれませんが?
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