pure breath★マリーの映画館

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『クラウド アトラス』

2013-03-21 22:50:15 | 映画(か行)
               いま、<人生の謎>が解けようとしている。



『クラウド アトラス』
監督・・・ラナ・ウォシャウスキー/ トム・ティクヴァ/ アンディ・ウォシャウスキー
原作・・・デイヴィッド・ミッチェル
出演・・・トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、ベン・ウィショー、ジェームズ・ダーシー、ジョウ・シュン、キース・デヴィッド、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント 他

               【解説】
19世紀から24世紀へと世紀を超えて、六つの時代と場所を舞台に人間の神秘を描く壮大なスペクタクル・ドラマ。兄が性転換を経て姉弟となったラリー改めラナ、アンディ・ウォシャウスキー監督と、『パフューム ある人殺しの物語』のトム・ティクヴァが共同でメガホンを取る。時代をまたいで存在する同じ魂を持つ複数の人物という難役に挑むのは、名優トム・ハンクスをはじめ、ハル・ベリーやスーザン・サランドンといった豪華キャストたち。過去や未来を映す迫力ある映像や、深いストーリーなど、ロマンあふれる世界観に圧倒される。
              【STORY】
1849年、太平洋諸島。若き弁護士に治療を施すドクター・ヘンリー・グース(トム・ハンクス)だったが、その目は邪悪な光をたたえていた。1973年のサンフランシスコ。原子力発電所の従業員アイザック・スミス(トム・ハンクス)は、取材に来た記者のルイサ(ハル・ベリー)と恋に落ちる。そして、地球崩壊後106度目の冬。ザックリー(トム・ハンクス)の村に進化した人間コミュニティーのメロニム(ハル・ベリー)がやって来て……。



少しネタバレしています~~~



もっと難解かと思ったら、キーワードは“輪廻転生”意外とシンプルで、分かりやすかった。3時間の長尺だけど、短編をたくさん観ているようで、長さは感じなかった。わりとアッという間・・・
ただ、アメリカでコケたのは分かるなぁ。“輪廻転生”何度も生まれ変わって魂が浄化されてゆく(されない人もいるけど)・・・という考え方は、一度の復活キリスト的な考え方の国では受け入れられにくいと思う。
だから仏教が多い日本では普通に受け入れ、楽しめたという人が多いのでは?

前世は誰か(何か)とかよく考えたりするけど、答えは出ない。
けど、デジャヴというか、既視感は科学的にもなかなか説明はつかない・・・やはり前世の記憶なのでは?と考えるのはおかしいかな・・・


年代別の内容と役者さんについて・・・

◆1849年数奇な航海物語パート、ここでのジム・スタージェスはいつものフェイス。妻のティルダをぺ・ドゥナが・・・彼女ちゃんとアメリカ人っぽく見える~。トム・ハンクスが悪い医者だけど、一応分かる。ジムとぺ・ドゥナの愛は姿を変えて2144へと・・・

◆1936年幻の名曲誕生秘話パート、ベン・ウィショーが素敵♪彼の恋人(男)との愛が切ない~ハル・ベリー演じるのはユダヤ人女性。彼女だって全然分からない!ここで「クラウドアトラス六重奏」が生まれた。トム・ハンクスはちょい役(すぐ分かる)

◆1973年原子力発電所の恐るべき陰謀パート、ハル・ベリーがいつもの姿。トム・ハンクス金髪違和感あるもすぐ分かる。ヒューゴ・ウィービングがスミスのごとく追いかける(笑)レコード店員がベン・ウィショーなのね。ここで出る少年がこの時の事件を小説に。

◆2012年平凡な編集者の類稀な冒険パート、ちょっとお笑い入るけど老人問題も扱ってて、まさに現代。野蛮なこのトム・ハンクス、一番好きかも~。ヒューゴが女看護師これが凄い!ベン・ウィショーもヒュー・グラントの妻!!このパート、イマイチだったかな?

◆2144年クローン少女の革命パート、ここ一番好きだった!切なく哀しかったけど。クローン人間のぺ・ドゥナがとっても良かった。ジムはここで東洋人。1849年と同じ愛の力が・・・ハル・ベリーが禿げた闇医者!
全く分からず!ジョウ・シュンも可愛かった♪

◆2321年崩壊後の地球の行方パート、将来の地球の姿のようで哀しかった。村の民トムと進化したコミニュテーからの使者ハル・ベリー。転生を繰り返した2人がここで深く愛し合う。ヒューは人喰いコナ族の長(全然分からず)ヒューゴも悪の化身で登場・・・

一人の役者さんが、5~6人を演じる。しかも性別も年齢も超えて・・・こんな試みは今までなかったし、その点ではとっても新しい。
けれど、そこに力が入りすぎて内容は浅めかも・・・
3時間といってもひとつのパートに対してはそんなに長い時間ではないから、もっと観たかった!と思う1936年名曲誕生秘話や2144年の未来革命パート。この辺は背景や登場人物について、もっともっと掘り下げたら面白かったなとか思う。

トム・ハンクスは多くの役を演じても、基本そんなに変わらない~(笑)
でも、他の役者さんは白人から東洋人、黒人から白人・・・人種を超えての変身ぶりは見てて楽しい~♪
ぺ・ドゥナは重要な役だった!ハリウッドデビューだと思うけど~堂々としてて(『空気人形』に続きヌードも!)
これからじゃんじゃん使われそうな勢いを感じた。(凛子ちゃんに代わって?)


生まれ変わる度に、善と悪を行ったり来たりしながらも少しづつ魂が美しくなってゆく人。
何度生まれ変わっても、絶対善にはならないむしろ悪くなってゆく人。
人間の業というものを感じる。
こういう映画で哲学的なことを言っても始まらないから簡単に、、、どうせこの世に生を受けているのなら“善人”になりたい・・と心から願う。
善人になりたい・・で思いだす『インファナル・アフェア』で、アンディ演じるラウが“善人になりたい・・・”とずっと思い続けていたように。



マリー的お気に入り度・・・★8個ぐらい(パンフの表紙に何故ジム・スタージェスがいないのだろう・・・?)