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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「さっぽろの古を訪ねて Ⅲ」篠路屯田兵村を訪ねる

2024-06-26 19:02:06 | 「めだかの学校」関連
 琴似屯田兵村に遅れること14年。札幌近郊の屯田兵村の入職としては最も遅い1889(明治22)年、西日本を中心に7県から220戸、1,056人が入植したという篠路屯田兵村は辛苦の末に札幌一の美田を完成させたという。しかし、そも水田も今は跡形もなく、完全な住宅街に変貌していた。

 昨日(6月25日)午後、「めだかの学校」野外講座「北の守りと開拓を担った屯田兵の史跡を訪ねる」の現地見学の第2弾、「篠路屯田兵村の史跡を訪ねる」を実施した。
 見学先は、◇屯田郷土資料館◇屯田開拓顕彰広場◇江南神社境内の3ヵ所だった。

    
     ※ 最初に訪れた「屯田郷土資料館」です。

 最初に訪れた「屯田郷土資料館」では、資料館の説明員である小澤隆様から説明を伺った。小澤様ご自身は屯田兵の子孫とは明言されなかったが、屯田兵について深く研鑽されているようで大変詳しく説明いただいた。

    
    ※ 説明員の小澤隆様(奥の人)の説明を聴く「めだかの学校」の会員たちです。

 それによると、篠路屯田兵村に入植したのは熊本、山口、和歌山、石川、徳島、福井、福岡の各県の氏族220戸ということだった。いずれもが温かい地方出身のため北海道の寒さには非常に苦労したらしいということだった。そのために開拓を諦めて土地を離れた屯田兵も少なくなかったということだった。
 当初は与えられた土地で畑作主体の農業だったが農家経済が成り立たず、入植後23年目に土功組合を結成して、水田主体の農業に切り替えたことが功を奏し、やがては札幌一の水田単作地域となったそうだ。

    
    ※ 資料館内を巡りながら小澤様の説明をお聞きしました。

 見学させていただいた「屯田郷土資料館」は、1998(昭和63)年の開基100周年の記念事業として建設費を地域住民が拠出するなかで建設されたものだという。内部には当時の農機具やさまざまな関連資料が展示されていたが、大きな目玉は当時まだ「篠路屯田兵屋」が保存されていたものを解体・修復して資料館内に完全復元して展示されていることだ。賛否両論があるかもしれないが、私はこのようにした方が老朽化を防ぎ長く保存できる方法ではないかと思うのだが…。

    
 ※ 郷土資料館内に復元された屯田兵屋の内庭には当時の生活用具が展示されていました。

 「屯田郷土資料館」の見学を終えた後は、残る「屯田開拓顕彰広場」と「江南神社境内」を巡ることだった。ところが、こちらの方は特に説明していただく方を見つけることができなかった。止むを得ず私が書籍やイーターネットなどを頼りに資料を作成して説明役を務めることになった。

    
    ※ 第一大隊第四中隊本部跡の碑を前に説明をする私です。

 「屯田開拓顕彰広場」というのは、当時の篠路屯田兵を指揮・訓練をする第一大隊第四中隊の本部跡に屯田兵に関する史跡を一堂に集めた広場である。(正確には本部は広場からやや東側に寄ったところにあり、広場は練兵場跡だという記録が鋸っているようだ)この広場には「屯田兵第一大隊第四中隊本部跡」、「屯田兵顕彰之像」、「馬魂の像」、「水田開拓記念碑」、「開拓碑」、「戦没者顕彰碑」が集中して建立されていた。
    
    ※ 顕彰広場の中で最も大きな碑が「屯田兵顕彰之像」でした。

 5月に事前視察で訪れた時には広場は雑草が繁っていたので心配していたが、今回訪れた時にはしっかりと除草されていた。
 続いて、道路一本隔てた東隣にある「江南神社」の境内を訪れた。神社の境内には、「望郷のアカマツ」、「開基九十周年記念顕彰碑」、「篠路兵村移住記念碑」があった。  

    
    ※ 「望郷のアカマツ」を前にする会員の方々です。

 「望郷のアカマツ」は、当時の屯田兵本部が兵員とその家族の心を慰めるために故郷を偲ぶアカマツと水松(オンコ)の苗木を各戸に無償で配布したのだそうだが、その中の一本が現在も境内に残っているということである。
 「屯田開拓顕彰広場」の史跡も含めて、簡単ではあったが私の方からそれぞれ説明させていただいた。当事者でもなければ、専門家でもない私の説明では不十分だったかもしれないが、それなりに務めを果たせてホッとしている。

    
 ※ 「開基九十周年記念顕彰碑」(左)、「篠路兵村移住記念碑」(右)の説明を聞く会員の方々です。

 この後、私たちの屯田兵村巡りは「新琴似屯田兵村」、「野幌屯田兵村」、「山鼻屯田兵村」と9月まで巡り歩くことにしている。巡り終えた時、会員の方々はどんな感想を持ってくれるだろうか?それを伺うことも楽しみにしている。
 


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