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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

テレビのドキュメンタリー制作者が語る

2024-05-27 19:55:17 | 講演・講義・フォーラム等
 とても興味深いトークイベントだった。昨年から今年にかけて道内民放のドキュメンタリー映画が相次いで公開され、好評を博しているという。その制作者たちがドキュメンタリーについて縦横に語った。

    

 昨夜(5月26日)、たでる2・7においてJCJ北海道支部が主催するトークイベント「ドキュメンタリーが面白い!」~テレビ局はなぜ映画を作るのか、道内民放3局の制作者が語る~というイベントがあり参加した。
 まず、その3局が制作・映画化した3局の作品と制作者とは…、( )内は現職
 ◇HBC「ヤジと民主主義 劇場拡大版」  監督 山崎裕侍さん(報道部デスク)
 ◇UHB「新根室プロレス物」 プロデューサー 吉岡史幸さん(取締役)
 ◇ HTB「奇跡の子 夢野に舞う」      監督 沼田博光さん(報道部デスク)

    

 私は基本的にドキュメンタリーが大好きなので、このうち「新根室プロレス物語」は 映画版で、「ヤジと民主主義」はテレビ版で観ていた。
 話は2時間30分近くに及んだために多岐にわたったので、ここでのレポは私が特に印象に残った点を中心にレポすることにしたい。
 まず「なぜ、ドキュメンタリーを制作するのか」という問いに対して、3人は異口同音に「真実を伝えたい」という思いを抱いていると云う。3人はいずれも報道畑を歩いてきた方々で、日常の報道では伝えきれないことを「深堀りすることにドキュメンタリーの意義がある」と話す。
 しかし、民放においてドキュメンタリー分野の活躍の場はけっして恵まれていない。各局の放送時間帯を見るといずれもが深夜帯に放送されていることが多い。
 そうした現状の中で制作した作品が「映画化されることは自ら制作したものがより多くの人たちに伝える大切な機会」であるという。とはいっても、映画化を実現するためにはいくつもの大きな壁があるという。特に問題になるのは製作費の問題だという。制作者でありながら、プロデューサー役でもある3氏はこれらの問題解決にも奮闘して映画化を実現したという。
 とはいっても製作費が回収できることは稀であるという。例え評判を呼んだとしても公開先がミニシアターなどの小さな会場のために多数を動員することが困難なためだという。
 しかし、HBCの山崎さんは「例え製作費が回収できなくとも、良質のドキュメンタリーを世に出すことによって会社(H BC)のブランド力を高めたことで評価される」という。
 3氏は “視聴率” が番組制作の内容を左右する民放において、報道というある意味特別なポジションに籍を置く方々である。そのことに対する思いも吐露されたが、そのことについては本稿では公開はしない。また、現代のテレビ制作現場がネットマスコミなどとの競争に晒され、苦境に立たされている実状についても吐露された。
 しかし、最後に3氏は「そうした現状にあっても、これからも見えていないもの(知られていないこと)を可視化していきたいし、自分たちに続く報道マンを育てていきたい」と力強く語ってくれた。
 ドキュメンタリー好きの私としては民放におけるドキュメンタリーの灯が輝き続けることを期待したい。
 なお、主催のJCJとは「日本ジャーナリスト会議」の略だそうだ。
 


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