田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌市民吹奏楽祭リポート №3 

2024-01-23 13:11:46 | ステージ & エンターテイメント
 今回の市民吹奏楽祭に参加した吹奏楽団体で圧倒的に多かったのが中学校の吹奏楽部である。全出演団体数85団体のうち半数以上の45団体を数えた。しかし今、その中学校の吹奏楽部に異変が起っているように思えたのだが…。
    
出演団体を構成別に見てみると…
 市民吹奏楽祭に出演した出演団体を構成別に見てみると、次のように分かれた。
 ◇小学校単独出演    3団体
 ◇小中合同出演     3団体
 ◇中学校単独出演   45団体
 ◇中高合同出演     4団体
 ◇高校単独出演    15団体
 ◇社会人出演     14団体
 ◇小・社会人合同出演  1団体
 こう見てくると、中学校の部活動として出演している学校が半数を占めている。ということは、子どもたちが楽器に触れたり、吹奏楽に親しんだりする最初の年代が中学校からというのが見て取れる。なお、この45団体のうち、2団体が千歳市と恵庭市からの参加だった。
意外に少ないと思えたのが高校の出演数である。札幌市内には私立を含めて計55校の高校があるようだが、吹奏楽部が活動している高校は意外に少ないようだ。
 「えっ?」と思ったのが、小中合同で出演した「Satsunae Festival Band」である。なんと90名の団員が大挙しての出演だった。小中それぞれ単独で出演しても十分だと思えるのだが、何らかの理由があるに違いない。札幌市の札苗地区の小中学生が合同したということのようだ。
   
  ※ 出演団体の中でも出色の出来栄えと私が感じた東海大学札幌高校の吹奏楽部です。

構成人員数について
 吹奏楽の場合、よく大編成、小編成などという言葉が使われるが、明確な規定はないようである。全日本吹奏楽コンクールなどは編成数の上限はあるようだが、下限につては明記していない。
ただ、他のコンクールなどでは35名を下回るとB編成部門に振り分けられているようなので、35名以上を一応大編成と考えると、今回の吹奏楽祭で大編成といわれる35名を超えた団体は、中学校5団体、高校7団体、社会人7団体、小中合同2団体、中高合同3団体の24団体だった。
演奏を聴いていて、少人数の団体でも素晴らしい音を出しているところもあったが、やはり大編成の団体の音はボリューム感もあり、聴き応えのある演奏が多かったように感じた。

  
※ 私が社会人の団体で唯一「A」を付けさせていただいた札幌ハーツウインドオーケストラの皆さんが演奏を終えた後に撮った記念写真のようです。(彼らのHPから)

衰退する中学校の吹奏楽部?
 今回の吹奏楽祭に出演した全85団体の半数近くの45団体を占めた中学校の吹奏楽部ではあるが、その内実を見ると少し寂しい思いを抱いたのは私だけだろうか?45団体(校)のうち大編成といわれる35名を超える団員を維持していたのはわずか5団体である。さらに詳細を見てみるとその中の17団体は20名以下の少人数で登場していた。
 これは一概に少子化だからと片付けられないだろう。地方の中学校ならいざ知らず、札幌市内の中学校はどの学校も一定数の人数を保っているはずである。それよりは今どきの中学生の関心が多方面に向いていることとか、受験を控えて塾通いが増えている現状などといったことがあるのだろうか?寂しいかぎりである。
 それと気になったのは、中学校の指導者に若い方が目立ったことだ。以前なら中年の教師が吹奏楽部の指導に情熱の全てをかけているような姿を目にしたものである。そうした方々が指導の第一線から離れてしまったことも原因の一つと考えられなくもない。いずれにしても、多くの子たちが楽器を手にする最初の段階である中学校の吹奏楽部がやせ衰える兆候を見せているとしたら、吹奏楽の前途も明るくはないと言えなくもない。関係者の努力でそうした風潮を吹き飛ばしてもらいたいものである。

  
※ 公立高校勢で健闘した札幌白石高校吹奏楽部です。当日は写真と同じユニフォームで登場しました。

私立高校旋風?
 今回の「札幌市民吹奏楽祭」を二日間にわたって聴かせていただき、特に私立高校吹奏楽部の充実ぶりが際立っていたように思えた。
 私は素人なりに出演団体の演奏を5段階評価しながら聴いてみた。その結果、私の独断と偏見ではあるが、最高のA段階の評価を付けさせてもらったのは、私立高校吹奏楽部が5団体、道立高校吹奏楽部が2団体となった。(あくまで素人である私の評価です)
その中でも出色の出来だったのが東海大学附属札幌高等学校の52名の部員によるP.スパーク作曲の「ドラゴンの年」だった。私は唯一「特A」を付けさせてもらった。他の私立高校の吹奏楽部の演奏も見事であり、学校として力を入れて指導されていることを窺い知れた。そうした中、道立高校の札幌新川高校、札幌白石高校も遜色のない演奏をし、健闘されている姿を見ることができた。
 その他に私が社会人の団体に唯一「A」を付けさせてもらったのが「札幌ハーツウインドオーケストラ」だ。若い集団だったが迫力を感じさせてくれた演奏だった。

 札幌コンサートホールKitaraに入り浸り、二日間も音の洪水を浴び続けたことは、これまで体験したことがなく、難行苦行ではあったが貴重な体験をすることができ、いろいろ思いを巡らすことのできた貴重な二日間だった。



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