室蘭駅から測量山に向かって延々と続く2キロ余りの上り道には閉口した。しかし、室蘭の海岸美を眺めながらのウォークは辛くとも楽しい3時間だった。(約12kmのコース)それにしてもかつての “鉄都” の衰退ぶりが痛々しい室蘭の街だった。
※ 私たちが巡ったのは室蘭の半島部、室蘭の街自体はマップの東側(左側)
に広がっています。
JRヘルシーウォーキングの第5弾(JRの担当者が滞在するイベントウォークとしては第4弾)は室蘭市を舞台にして実施された。
室蘭というとJRの「一日散歩きっぷ」を利用して、当地でウォーキングを楽しみ帰ってくるには最遠地ではないかと思われる。(「一日散歩きっぷ」自体はもう少し遠方まで利用できることにはなっているが)料金的には札幌→室蘭間の普通切符は片道2,860円だから、「一日散歩きっぷ」(2,540円)だと半額以下で利用できることになり、料金的には大変お得である。しかし、時間的にはかなりの我慢を覚悟しなければならない。
この日、私は朝6時21分札幌駅発の普通列車に乗車し、室蘭駅に着いたのは9時15分だった。行きはそれでも割合スムーズだった。帰りはウォーキングが12時20分前後に終了したのだが、適当な列車がなく室蘭駅発14時16分まで待たされ、さらに東室蘭駅で1時間弱の列車待ちを強いられ、結局札幌駅に着いたのは17時57分だった。このあたりのことについては今後ヘルシーウォークに参加する際にどうすることがより効率的なのか考えていきたいと思っている。
※ 室蘭駅のモダンな駅舎です。地球儀のモニュメントは地球岬をイメージしたものでしょうか?
※ 駅舎の壁には海抜3mと掲示されています。私たちは駅から近い標高160m
の女測量山のふもとまで上りました。いったいどれくらい上らされたのでしょうか?
さて、肝心のウォーキングの方だが、列車から札幌、苫小牧方面からの参加者が一挙に降りてきたこともあり、大混乱の中受付を済ませてスタートした。天候は曇りで、気温はそれほど高くはなくウォーキングのコンデションとしては上々だった。
しかし、コースの方はスタートからいきなり上りが続いた。駅から見える測量山に向かってだらだらとした上り道が続いた。測量山に登頂したわけではないが、おそらく2キロくらい連続した上りが続いたのではないだろうか。測量山の横に「女測量山」という測量山より少し低い山の裾野を通過すると、このコースの名勝ピリカノカに出た。
※ このようなダラダラ坂が延々と続きました。
※ 舗装道路が終わって山道になっても上りが続きました。
※ 「女測量山」などという名称は昔にネーミングされたものなのでしようね。
今どきこうした名称は付けないでしょう。
コースのところどころに展望台などがあったが、そこからの眺望は、断崖絶壁からの眺めが素晴らしいところが多かった。「ピリカノカ」とは、アイヌ語で「美しい・形」を意味するということだが、国指定の名勝として保護されているようだ。
「マスイチ展望台」、「ローソク岩」、「銀屏風」、「絵柄岬展望台」とつぎつぎと展望の良いところが現れ、疲れを忘れさせてくれた。
※ 以下3枚の写真は「スマイチ展望台」からの眺めです。
※ 海中に飛び出した「ローソク岩」です。
※ 鋭く切り立った「銀屏風」の景色です。
※ 絵柄展望台から大黒島を挟んだ室蘭港の防波堤を望みました。
途中から雨がポツポツと身体に当たるようになった。しかし、気にするほどのものではなく、そのままウォークを続けたが、小雨とは言え降り止まなかったこともあり、持参の傘を広げてウォークを続けた。
※ ピリカノカの森の中を往くヘルシーウォークの参加者たちです。
「ピリカノカ」を抜け、遠くに「白鳥大橋」が望める室蘭港が近づいてきた。白鳥大橋の袂には「道の駅 みたら室蘭」があり、マップにはそこで販売されているうずらの卵を使った「うずらんソフト」が美味しいと掲載されていたので、一時休憩を兼ねてソフトクリームを賞味した。なるほど滑らかな舌触りが絶品だった。
※ 「あと5km」の表示を見るのが疲れた体には励みになります。
※ 窓外にうっすらと白鳥大橋を望みながら美味しい「うずらんソフト」を頬張りました。
※ 美しいシルエットを描く「白鳥大橋」です。
道の駅を過ぎてから室蘭港沿いにゴールの室蘭駅までの約4kmは退屈なコースだった。いわゆる特に特徴のない市街地の道路が淡々と続いていた。道路沿いには造船所や鉄鋼、漁業関係の会社などが並んでいたが、いま一つ活気のようなものが感じられない道路が続いていた。活気といえば、室蘭駅をスタートした直後に商店街のようなところも通過したのだが、そこもまた閑散とした感じが否めなかった。今回設定されたコースは、外海となる噴火湾と室蘭港に挟まれた半島のような部分である。あるいは室蘭の中心街は他のところになるのかもしれないが、少なくとも私が歩いたところは残念ながら少し寂しい感じがした。“鉄都” として隆盛を誇っていた室蘭市を知る人たちにとっては寂しい限りだろうと思われる。
※ 室蘭港には比較的大きな客船が係留していました。
東室蘭駅で小一時間の列車待ち時間を利用して東室蘭の街も巡ってみたが、印象は変わらなかった。街としてはいろいろと再建策を模索しているものと思われるが、ぜひとも往時の賑わいを取り戻してほしいものである。
※ 東室蘭駅の駅舎です。赤色の枠の構図が大胆ですね。
※ 名門「室蘭栄高校」です。学校名を金文字で表現しているところに誇らしさが出ているようです。