中学生の合唱を聴くなどということはいつ以来のことだろうか?札幌市内の中学校合唱部が一堂に会してのコーラスに耳を傾けた。若々しい歌声が耳に心地良く、楽しいひと時だった。
5月4日(木・祝)午後、札幌コンサートホールKitaraにおいて「スプリング・コーラス・セレクション! ~中学生スペシャル~」が開催され参加した。
この催しは詳しくは承知しないのだが、今月の3・4・5日の3日間を「Kitara あ・ら・かると」と称してKitaraが主催する様々な催しの一環として開催されたようだ。
出演したのは札幌市内17中学校の合唱部の人たち総勢224名の生徒たちだった。総勢を見るとかなりの人数であるが、一つ一つの学校の部員数を見ると中には6~8名と合唱をするには少なすぎる学校も数校含まれていた。このような学校の合唱部の生徒たちに多人数の合唱の楽しさを体験させたいというねらいがこの催しにはあるのかな?と思われたのだが…。
プログラムの方である。最初は「女声合唱」と称して男性部員がいない8中学校の合唱部を集めてのステージだった。披露した曲は、◆竹内まりや作詞/村松崇継作曲「いのちのうた」◆野上彰作詞/小林秀雄作曲「落葉松」◆アンジェラ・アキ作詞・作曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」 の3曲だった。
続いては「混声合唱」で男女の部員がいる6中学校がステージに登場した。披露した曲は、◆谷川俊太郎作詞/松下耕作曲「信じる」◆森山直太朗。御徒町凧 作詞作曲「虹」◆鶴見正夫作詞/荻久保和明作曲「混声合唱組曲『IN TERRA PAX – 地に平和を』から『In Terra Pax』 の3曲が披露された。
間にオルガン奏者の吉村怜子さんによるオルガン演奏が2曲挟まれた。
続いて「合同合唱」と称して全17校224名の皆さん全員が登場しての合唱となった。 披露された曲は◆小林真由美作詞/横山未央子作曲「札幌の風、四季の道」◆大木惇夫作詞/佐藤眞作曲「カンタータ『土の歌』から『大地讃頌』◆高野辰之作詞/岡野貞一作曲「ふるさと」の3曲だった。
私としては2008年度にNHK全国音楽コンクールの中学校の課題曲となった「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」がとても懐かしく、披露された合唱も曲想を上手に表現されていたと感じた一曲だった。また、中学校の合唱コンクールなどでよく取り上げられた「大地讃頌」も男声合唱も加わった迫力ある歌声が印象的だった。
今回、ステージに上がった生徒たちを見ていて、やはり中学校では男子部員が少なくなる傾向なのだろうかぁ、と思えた。女声合唱も良いが、やはり男声も加わった合唱の方が音に厚みが感じられ、より良い合唱として完成するのではと思えた。
関係者の皆さんには、合唱の魅力を広範に伝える努力をされ、より多くの男子中学生を合唱部に勧誘するよう努めていただきたいと思ったのだが…。