西区オーケストラを聴くのは何度目だろうか?いつ聴いてもアマチュアレベルとしては素晴らしい音を紡ぎ出してくれる。4月30日(日)の定期演奏会でもその力を十分に発揮したステージだった。
少しレポが遅くなってしまったが、4月30日(日)午後、札幌コンサートホールKitaraにおいて札幌西区オーケストラの第35回定期演奏会が開催されたので聴く機会を得た。
西区オーケストラの演奏はこれまで何度が聴く機会があったが、多くの楽団員を擁した分厚い音は、確かな技量に裏打ちされていていつも感動を戴いていたが今回もその印象は変わらなかった。今回演奏された曲目は、
◆エルガー/行進曲「威風堂々」第4番
◆ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 イ短調 作品43 ピアノ 三上 絵里香
◆ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 作品98 第1楽章 ~ 第4楽章
以上3曲だったが、今回の特徴の一つは2曲目のラフマニノフの曲がピアノの三上絵里香さんとの共演だったことだ。三上さんはまだまだ若手といった印象だったが、その技量は相当なものと思えた。演奏後の鳴り止まぬ拍手に応え、アンコール曲として演奏したプロコィエフの「トッカータ Op.11」の超絶技巧には驚かされた。
もちろん西区オーケストラの方々の演奏も素晴らしいものだった。彼らの技量を高め、維持しているのは、指揮者の鎌倉亮太氏の指導力によるところも大きいのではと思われる。鎌倉氏はいまや札幌のクラシック音楽界においてさまざまな場面で活躍されている方であるから、西区オーケストラの指導にも力量を発揮されているに違いない。
今回の演奏会はプログラムによるとステージに登壇した楽団員は総勢80人あまりと理想的(?)な団員を擁していた。西区オーケストラは風の便りに聞くところ、札幌西高校のオーケストラ部出身の方々が多くを占めていると聞いた。北海道の高校でオーケストラ部を擁している高校は珍しい。高校で育てられた方々はきっとその後大学でも、卒業後も管弦楽を一生の友として励んでおられる違いない。なるほど昨年末に西区オーケストラの「ファミリーコンサート」を聴いた際に間近に楽団員を見ることができたが、若い人たちばかりでなく主婦のような方々も目立ったのはそうしたところに楽団の特徴の一つがあるのかもしれない。
演奏の中で気になる部分もあったが、素人がそのことに言及するのは野暮というものだ。
ともかく、今回も十分に楽しむことができた演奏会だった。