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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

コミュニティFMで人権教育?

2018-12-11 16:23:25 | 講演・講義・フォーラム等

 コミュニティFM局としてユニークな活動を続ける留萌市の「FMもえる」が10年間にわたって「人権ひろば」という番組を放送し、そのことが法務大臣表彰に繋がったという。関係者からお話をうかがった。

         

 12月7日(金)午後、道民活動センター(通称:かでる2・7)において法務省の委託事業で道教委が主管する「人権教育指導者研修会」という恐ろしくお堅い名称の研修会にお邪魔した。

 参加対象は地域の人権擁護委員さんや行政担当者であるが、私たち一般市民にも参加が許されていたので、どこへでも臆せず顔を出すのが私の流儀であるから参加を決めたのだが、さすがにちょっと引くところがあったのも実感である。 

 研修会はインタビュー・ダイアローグと参加者同士の意見交流の二つからなっていた。

 インタビュー・ダイアローグは、留萌の「FMもえる」の関係者からお話をうかがうコーナーだった。登壇者は、「FMもえる」の局長である米倉礼子氏、番組「人権ひろば」の出演者である留萌人権擁護委員協議会会長の花房毅氏、同副会長の庄司道子氏の3人だった。

              

             ※ 人権イメージキャラクターの人権まもる君と人権あゆみちゃんです。

 「FMもえる」の「人権ひろば」は、毎月第2・第3火曜日の午後2時~3時までの1時間(第3火曜日は前週の再放送だそうだ)、内容はその時々の人権に関する話題を地域の話題と織り交ぜて放送しているようだ。

 米倉局長は「FMもえる」は「まちづくり会社」の一部局として、留萌のまちづくりを担っていると胸を張って話された。「FMもえる」は「住民感性」を育て、「地域言語」の形成に寄与していると語ったのが印象的だった。

 実は私が「FMもえる」についてのお話を聞くのは今回で3回目である。これまでも社長さんのお話、「FMもえる」友の会の会員の方のお話を伺い、「FMもえる」がいかに地域に根付いているかをうかがっていた。ある意味で地域FMの理想形の一つかもしれない。

 続いて、「人権ひろば」に出演されているお二人のお話である。お二人は番組開始以来、10数年番組に関わっているとのことである。だから肩ひじ張ることもなく、地道に番組を続けてきた成果を語った。“人権”などと聞くと、堅く、難しいイメージを与える問題であるが、地道に息長く地域の人々に訴え続けることの大切さを学んだ思いである。 

 意見交流のワークショップで、私は5人のグループに配された。私以外の方は、二人が地域の人権擁護委員の方、一人は地方教育局(地方教育事務所)の指導職の方、一人は市町村の教育委員会の社会教育主事、そして私の5人だった。私以外はいわば人権教育について日頃から関心をもたれている方たちばかりである。いわば私だけが門外漢と言った感じで、かなり緊張しながら意見交流に臨んだ。

          

        ※ 参加者に配布されたノベルティです。マルチクロスとキャラクター付きのボールペンです。

 専門家の皆さんは、社会で次々に生起する“人権”を侵すような事件に対して、「満たされない心が他の人権を侵しがちだ」とか、「多数派になびき、少数派を迫害する」といったような現状分析をされた。ただ、彼ら専門家からこうした現状に対して有効な手立てを打てることができない虚しさのようなものもお話を聞いていて感じられた。

 私は?といえば、彼らのお話を聞くばかりだったが、私が関心を抱いているアイヌ民族の問題について、理解を深めようとしているがその難しさを話させていただいた。また意見交流の最後の方で私が「“人権”という言葉が人々に堅苦しいイメージを抱かせ、遠ざけているところないだろうか?」とつぶやいたところ、意外にも皆さんの共感を得たことに内心驚いた。“人権”に対して真剣に向き合っている専門の方々もそうしたイメージを抱いているとは…。だとしたら、そのことに対して改善策を講ずることも一つの方策ではないのか、とも思ったのだが…。 

 世の中のさまざまな分野で今、人権を犯すような事例を見聞きすることが多くなった。私たちはこの問題について、もっともっと真剣に向き合わなければならないと感じさせられた研修会だった。