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田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

アイヌ民族の碑が訴えていること

2013-05-29 22:07:46 | 大学公開講座
皆さまにお伺いします。タイトルのような講座があった場合、どのような内容の講座をイメージするだろうか? 私は自ら描いたイメージとの違いに少々ガッカリしてしまったのだが…。 

 5月10日、17日、24日と3回にわたって札幌学院大学社会連携センター(中央区大通西6丁目)で開催された「札幌学院大学コミュニティカレッジ」で「アイヌ民族の碑が訴えていること」という講座を受講した。

 受講の動機は講座名にあった。
 講座名を見て、私は次のようにイメージした。
 「北海道の先住民族であったアイヌ民族は、その後進出してきた和人によって次々と土地を奪われ、虐げられてきた存在として私は認識している。そうしたアイヌ民族が自ら建てた碑の中にどのような文字を刻んでいるのだろうか? その文字から彼らの無念を少しでも理解できるかもしれない」…そう思い私は受講を申し込んだ。
 事実、募集要項には次のように書かれていた。
 「北海道がアイヌモシ(蝦夷地)と呼ばれていた時代から、アイヌ民族は各地で生活していました。それを今、各地に存在する碑で知ることができます。アイヌ民族が建てた碑・アイヌ民族のために建てた碑など、多数あります。碑に刻まれている文字を読むことで、何を訴えているかを知ろうと思います」と…。

           
           ※ 講師の杉山教授です。暗くてよく表情が分からない写真になってしまいました。

 ところが…。講師の札幌学院大学の杉山四郎教授はアイヌの専門家だった。氏の自己紹介によるとアイヌ語を学ぶことでアイヌへの興味が広がり、アイヌ文化にも研究対象を広げたという方のようだった。
 したがって氏の講座は、アイヌ語が意味することを解釈することを通してアイヌ文化について触れるという形に終始したような講座となった。
 講座の中で碑そのものについて触れたのは2回目の講座の後半部分のみであった。

 私が期待した講座の内容とは違ったが、受講したことが無益だったということではない。
 特に3回目の講座では空知地方のアイヌ民族の変遷を知ることで、和人が自分たちの都合でアイヌ民族を騙し、土地を奪ってきたことを知ることができた。また、そのアイヌ民族の歴史を後世に伝えようと努めた和人の存在を知ることもできた。

 それにしても、である。
 少額とはいえ受講料を徴収しての講座である。受講する側は、その講座名と講座内容を説明する文章から受講するか否かを決める。
 できるだけ実態に近い講座名を付けて募集してほしいものである。