ヒトリシズカのつぶやき特論

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ベンチャー企業グラモの代表取締役社長の後藤功さんから話を伺いました

2014年01月08日 | 汗をかく実務者
 IT(情報技術)系ベンチャー企業のグラモ(東京都豊島区)の代表取締役社長を務める後藤功さんのお話を伺いました。

 グラモは2011年2月に創業されたばかりの若いIT系ベンチャー企業です。後藤さんも日本ではかなり若い社長です。



 グラモは、米国アップル社のスマートフォン「iPhone」などを入力機器に用いて、外出先から自宅の家電製品などのスイッチをオン・オフできる機器「iRemocon」(アイリモコン)を実用化して注目を集めています。



 この「iRemocon」を利用すると、外出先から自宅のお風呂のお湯を入れるスイッチや、床暖房やエア・コンディショナーのスイッチなどをオンにできます。逆に、外出先から、スイッチを切り忘れたエア・コンディショナーなどの電源を切ることができます。

 「iRemocon」は、テレビなどをオン・オフする赤外線利用のリモコンの仕組みを学習させると、その学習した制御機能をスマートフォン「iPhone」やアンドロイド系スマートフォンなどで操作できるようになるものです。

 後藤さんは、2001年に東京都内にあるITサービス事業を展開する、新進気鋭のベンチャー企業に転職しました。いずれ、自分のベンチャー企業を創業するために、ITサービス事業の仕組みなどを学びたいと考えて転職したそうです。

 そのベンチャー企業に勤務している最中に、米アップル社が2007年1月にスマートフォンiPhoneを発売しました。後藤さんはiPhoneの液晶ディスプレーに映し出される操作画面がとても気に入ったそうです。

 その後もアップル社は次々と発売したiPhoneなどの最新版を見た後藤さんは、その画面の美しさ、使い勝手の良さに魅入られると同時に、「アップル社がiPhoneアプリケーションを求めるオープンな姿勢を表明したことがとても気に入った」そうです。

 後藤さんはITベンチャー企業に勤務しながら、将来の起業に向けてさまざまなアイデアを練っていました。その中の一つが、スマートフォンのiPhoneを情報操作の端末として利用するものでした。これが家電製品などをネットワークを利用して外出先から操作するiRemoconを誕生させるきっかけになったそうです。

 このiPhoneを情報操作端末として使うというアイデアは、後藤さんが自宅ににある、さまざまな家電製品をそれぞれのリモコン端末によって別々に操作することの煩わしさを解消したいとの考えから浮かんだものでした。

 グラモは、2011年7月にネットワーク型リモコン端末iRemoconを発売します。iRemoconに、まず各家電製品の赤外線通信によるリモコン通信の仕方を覚え込ませます。次に、iRemoconを自宅の無線LANルーターと接続するという家庭側での準備を済ませます。この準備を済ませた後に、グラモのWebサイト内にある「iRemoconサイト」から「UIデザイナー」というアプリケーションを、自分のiPhoneやiPadにダウンロードすると、そのiPhoneなどがiRemoconを通じて自宅の家電製品を操作できるようになるという仕組みです。

 グラモは2011年2月に創業されたばかりの若いIT系ベンチャー企業ですが、その事業価値は既に高く評価され、2013年9月25日に、音声認識事業などを展開するアドバンスド・メディア(東京都豊島区)がM&A(合併・買収)によって、子会社化しましたた。子会社化したグラモの社長を続ける後藤さんは「これによって、これからの事業資金が確保できた」といいます。

 グラモが今後、どんな製品を実用化するのか期待が高まっています。