ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

先週開催された最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2013」に行った話です

2013年10月07日 | イノベーション
 2013年10月1日から5日までの5日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された、最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2013」を拝見しました。

 エレクトロニクス技術の総合展示会でありながら、トヨタ自動車と日産自動車の出展に加えて、今年から本田技研工業(ホンダ)とマツダの自動車メーカーの2社も加わって、合計4社出展したことが話題になりました。

 今回の自動車メーカーの出展は、自動車メーカーが実用化を目指している自動運転自動車の研究開発が話題になるなど、最近の自動車は電子制御による運転支援や安全技術の搭載が増え、エレクトロニクス技術による支援・制御が不可欠な存在になっていることを反映した動きと考えられています。

 トヨタ自動車の出展ブースでは、2人乗りの3輪電気自動車のコンセプトカー「i-ROAD」が国内で初披露され、注目を集めました。





 車両をわざと斜めに展示し、コーナリング中を示しています。

 コンセプトカー「i-ROAD」は、2013年2013年3月5日から17日まで、スイスのジュネーブ市で開催された「ジュネーブモーターショー」で初公開されています。

 「i-ROAD」は、前に2輪、後ろは1輪の電気自動車です。前後に一人づつ、合計2人が座るそうです。駐車しやすさを考慮して大型バイクと同等の全幅が850ミリメートルと小さく、全長2350ミリメートルとコンパクトです。前側の両輪には、それぞれ出力2キロワットのインホイール・モーターを内蔵しており、曲がるなどの操舵は後輪が担います。電池はリチウムイオン2次電池を搭載しています。

 旋回時の安定性を高めるために、操舵角や速度に応じて前輪をリンク機構で傾ける機構を採用しています。2輪車(オートバイ)の場合、旋回時には乗員が体重移動によって車体を内側に傾けることで、遠心力がかかっても車両が外側に倒れないように操作していますが、「i-ROAD」ではステアリングを切る操作をすると、モーターによって自動的に傾ける機構が働きます。

 トヨタ自動車は隣接する「走行デモ&試乗エリア」ゾーンで、立ち乗り型の移動支援ロボット「Winglet」(ウィングレット)最新モデルの公開試乗会も開催していました。



 「走行デモ&試乗エリア」ゾーンでは、ホンダも電動一輪車「U3-X」の最新モデルの走行性能を公開していました。2足歩行ロボット「ASIMO」の制御技術を応用し、360度全方位に移動できることをみせていました。



 「走行デモ&試乗エリア」ゾーンでは、日産自動車が開発中の自動運転車を走らせるデモンストレーションを国内で初めて披露しました(初公開は米国カリフォルニア州で開いた「日産360」と呼ぶイベントでした)。



 会場内に車線や標識を設置してコースを作り、その中を自動運転車と人が運転する車両の2台を同時に走らせていました。



 電気自動車「リーフ」を改造した自動運転車は、単眼カメラのうちの4個は、車両上方から俯瞰(ふかん)した映像を見せる「アラウンドビューモニター」に使い、もう1個をフロントミラーの前に配置しているそうです。レーザーレーダーは車両の前方に2個、後ろに1個、左右のリアフェンダー付近に1個ずつの合計5個配置しているそうです。自動運転車は単眼カメラ5個、レーザーレーダー5個からの画像や相対距離情報を解析しながら、走行範囲内の地図データを利用して、現在位置を正確に推定しながら走行するそうです。

 日本の自動車メーカーは、近未来に都市部の中心部での移動手段となる小型の電気自動車や、オフィスなどの施設内で個人が移動する一人乗り移動車などの製品化を精力的に進めています。