ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

2013年10月14日発行の日経ビジネス誌の特集「世界のトップ大学」を拝読しました

2013年10月23日 | 日記
 2013年10月22日に、大学入試改革を検討している安倍晋三内閣の政府が設けた教育再生実行会議(座長は早稲田大総長の鎌田薫さん)は、現行の大学入試センター試験を廃止し、新たに「達成度テスト(仮称)」の創設を提言する方針を固めたというニュースが新聞紙やテレビなどで報道されました。

 最近多い、日本の大学改革の報道の一つです。その背景には、日本の電機メーカーなどがここ10年間の間に、国際市場で凋落し、事業再編に伴うリストラを続けていることがあるように感じます。1980年代は、電子立国日本と豪語し、Japan as No1(ジャパン・アズ・ナンバーワン)を自他ともに自負していましたが、ここ数年前から、その自信を急速に失っています。

 その自信を喪失した背景の一つとして、日本の大学・大学院での人材育成という教育面に注目が集まっています。第2次大戦後の日本の大学・大学院は、周囲と調和して黙々と働く従順な従業員を日本企業に送り出してきましたが、最近のグローバル市場が求める独創的な発想の基に新製品・新サービスをつくり出す人材育成には適していないのではないかと考えられ始めています。

 先週、2013年10月14日発行の日経ビジネス誌は特集「世界のトップ大学 東大は生き残れるか」を掲載しています。



 この特集は、欧米の主要大学を中心に、無料オンライン講座「MOOC(Massive Open Online Courses)」が普及し始め、日欧米・中国・アジアなどの世界中の大学・大学院が、大きな変化に直面していると伝えています。

 米英トップ大学が優秀な学生や教員・研究者を自校に入学・所属させる魅力・強さに磨きをかけています。同様に、アジアの新興大学も猛烈に追い上げています。こうした次世代の人材教育を焦点に、熾烈(しれつ)な大学間競争が始まっています。

 特集タイトルに「東大」は生き残れるか」を入れているために、東京大学総長の濱田純一さんにインタビューし、「総長の危機感 座して死は待たぬ」という記事を載せています。

 米国のハーバード大学の有名教授のマイケル・サンデルさんにもインタビューし、「MOOCは正義だ」という記事を載せています。

 日本の主要大学が始めた教育改革計画を取り上げ、挑戦的なエリートを育成する改革案をいくつか紹介しています。

 日本の大学・大学院で学ぶ学生の平均値を上げる教育を目指すのか、その中の優秀な学生を世界基準のトップ層に育成することを目指すのか、よく議論して決めていただきたいものです。もちろん、ある大学は学生の平均値上昇を目指し、別の大学はエリート教育に徹するという“金太郎飴(あめ)”ではない解が求められると思います。

 ただし、日本の大学・大学院は、学生にとって日本企業などへの就職先を決める経路ではなく、各学生が真面目に勉強し、考える修練の場であることが一番求められることです。