◆◆今週のことば
仕事そのものがよくて、世の中のためになるという場合には、お金は自然とついてくるものです。
たとえば、歌手を考えてみても、あの人の歌は大変うまい、 と思うからこそ、お金を払って聞きにいくのですね。
あるいは、うどん屋さんでも、あそこはおいしい、と思うからこそ、食べにいくんです。
なんぼ金もうけしようと思っても、それに値するものがなければお金はついてきませんわ。
その人の仕事に社会的な価値があれば、それにふさわしいお金がついてくる。
それは、“おまえ、もっとしっかりやれよ”、という世間の声とも解釈できますね。
松下電器産業株式会社 創業者 松下幸之助
★関連記事は、月刊「理念と経営」6月号に記載されています。
(5ページ 「道~おカネとは何か」)
企業事例研究
今週は高知県にある『ネッツトヨタ南国株式会社』をご紹介します。
トヨタ系ディーラー約300社の顧客満足調査で1999年以来ずっと第1位を獲得。
『顧客満足経営』と『従業員満足経営』を実現している背景には、人間性尊重の理念と人材戦略があります。
その理念、経営哲学とはどういうものなのでしょうか?
代表取締役社長の横田英毅氏にお話を伺いました。
☆『顧客満足調査』で第1位を続ける秘密高知市の郊外にあるネッツトヨタ南国株式会社。
素晴らしい顧客満足経営と従業員満足経営を実現しています。
全国のトヨタ系ディーラー顧客満足調査で、1999年以来、ずっと第1位を獲得されています。
その要因は3つあると、横田氏は語られます。
1.CS(顧客満足)が大事という認識が早くから強かったこと
2.業績を上げたいがためのCSではなく、ES(従業員満足)を上げるためのCSであったこと
3.自分たちの喜びのためにCSをやっているから下心がないこと
☆人間性尊重の理念
日本人の本来の職業観は、職場、仕事を通じて自己を磨いていくことでした。
その『仕事の満足』がいつの間にか賃金を上げ、休みを増やすことにすっかりかわってしまったと、横田氏は話します。
「賃金は労働への『代償』となってしまっています。
辛くて嫌な仕事をしたことの見返りとしての賃金で満足しようとする。
本来は仕事そのものにやりがいを見出し満足するものです。」
☆人材戦略
横田氏には確かな人材戦略がありました。
それは社員に理念をもたせ、完成度を高め、組織に浸透させていくことです。
そのためには根本の真因を発見し、安易な問題対処ではなく、本質的な問題解決が求められ、徹底して考えるプロセスが重要視されるのだそうです。
横田社長は、社員成長の4原則として、
1.「考える」
2.「発言する」
3.「行動する」
4.「反省する」
を挙げています。
そして、4番目の反省する社員を増やすポイントも非常に感銘を深めました。
実際に、横田氏は27年間、社員をどなったことがありません。
いつもニコニコしておられるそうです。
叱らないと増長しないか、という疑問にも明快に答えています。
「答えは簡単、そういう人を採用してはダメです。」(横田氏)
重要なことは、教えないで考えさせること。自分で考え、発言する中での『気づき』を重視しているのだそうです。
☆組織づくりは風土と文化づくり
理念の実践について、横田氏は下記のように語ります。
「組織づくりは風土と文化づくり。
仕組みは現場の対話から自然と生まれてきます。多くの企業は仕組み、ノウハウから考えようとする、これでは人材は育ちにくいと思います。
独自の風土と文化ができてくれば、自ずと共鳴する人が入ってきます。
自動車営業職などは学生から敬遠されやすい職種ですが、不人気ゆえに、採用は成功します。
はっきりした理念とここで働きたいと思わせる風土と文化を創っていけば、良い人が迷わず入ってきます。」
まず、しっかりとした風土、土台を会社内につくり、その中で自由に仕事をさせる。若いときから、『考える習慣』をつけさせる。企業文化を根付かせる。
そのような『人間性が尊重される風土』にしていかなければならないと語られます。
「農業と同じですね。土を耕して種をまき、水をやる。
人間は『革新』するものではありません。
しっかりと時間と手間をかけて進化、成長を促していくという考えが最も重要なことです。」(横田氏)
★関連記事は、月刊「理念と経営」6月号に掲載されています。
(14~23ページ「企業事例研究1」)
仕事そのものがよくて、世の中のためになるという場合には、お金は自然とついてくるものです。
たとえば、歌手を考えてみても、あの人の歌は大変うまい、 と思うからこそ、お金を払って聞きにいくのですね。
あるいは、うどん屋さんでも、あそこはおいしい、と思うからこそ、食べにいくんです。
なんぼ金もうけしようと思っても、それに値するものがなければお金はついてきませんわ。
その人の仕事に社会的な価値があれば、それにふさわしいお金がついてくる。
それは、“おまえ、もっとしっかりやれよ”、という世間の声とも解釈できますね。
松下電器産業株式会社 創業者 松下幸之助
★関連記事は、月刊「理念と経営」6月号に記載されています。
(5ページ 「道~おカネとは何か」)
企業事例研究
今週は高知県にある『ネッツトヨタ南国株式会社』をご紹介します。
トヨタ系ディーラー約300社の顧客満足調査で1999年以来ずっと第1位を獲得。
『顧客満足経営』と『従業員満足経営』を実現している背景には、人間性尊重の理念と人材戦略があります。
その理念、経営哲学とはどういうものなのでしょうか?
代表取締役社長の横田英毅氏にお話を伺いました。
☆『顧客満足調査』で第1位を続ける秘密高知市の郊外にあるネッツトヨタ南国株式会社。
素晴らしい顧客満足経営と従業員満足経営を実現しています。
全国のトヨタ系ディーラー顧客満足調査で、1999年以来、ずっと第1位を獲得されています。
その要因は3つあると、横田氏は語られます。
1.CS(顧客満足)が大事という認識が早くから強かったこと
2.業績を上げたいがためのCSではなく、ES(従業員満足)を上げるためのCSであったこと
3.自分たちの喜びのためにCSをやっているから下心がないこと
☆人間性尊重の理念
日本人の本来の職業観は、職場、仕事を通じて自己を磨いていくことでした。
その『仕事の満足』がいつの間にか賃金を上げ、休みを増やすことにすっかりかわってしまったと、横田氏は話します。
「賃金は労働への『代償』となってしまっています。
辛くて嫌な仕事をしたことの見返りとしての賃金で満足しようとする。
本来は仕事そのものにやりがいを見出し満足するものです。」
☆人材戦略
横田氏には確かな人材戦略がありました。
それは社員に理念をもたせ、完成度を高め、組織に浸透させていくことです。
そのためには根本の真因を発見し、安易な問題対処ではなく、本質的な問題解決が求められ、徹底して考えるプロセスが重要視されるのだそうです。
横田社長は、社員成長の4原則として、
1.「考える」
2.「発言する」
3.「行動する」
4.「反省する」
を挙げています。
そして、4番目の反省する社員を増やすポイントも非常に感銘を深めました。
実際に、横田氏は27年間、社員をどなったことがありません。
いつもニコニコしておられるそうです。
叱らないと増長しないか、という疑問にも明快に答えています。
「答えは簡単、そういう人を採用してはダメです。」(横田氏)
重要なことは、教えないで考えさせること。自分で考え、発言する中での『気づき』を重視しているのだそうです。
☆組織づくりは風土と文化づくり
理念の実践について、横田氏は下記のように語ります。
「組織づくりは風土と文化づくり。
仕組みは現場の対話から自然と生まれてきます。多くの企業は仕組み、ノウハウから考えようとする、これでは人材は育ちにくいと思います。
独自の風土と文化ができてくれば、自ずと共鳴する人が入ってきます。
自動車営業職などは学生から敬遠されやすい職種ですが、不人気ゆえに、採用は成功します。
はっきりした理念とここで働きたいと思わせる風土と文化を創っていけば、良い人が迷わず入ってきます。」
まず、しっかりとした風土、土台を会社内につくり、その中で自由に仕事をさせる。若いときから、『考える習慣』をつけさせる。企業文化を根付かせる。
そのような『人間性が尊重される風土』にしていかなければならないと語られます。
「農業と同じですね。土を耕して種をまき、水をやる。
人間は『革新』するものではありません。
しっかりと時間と手間をかけて進化、成長を促していくという考えが最も重要なことです。」(横田氏)
★関連記事は、月刊「理念と経営」6月号に掲載されています。
(14~23ページ「企業事例研究1」)