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マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

形にしていきたいこと3つ、「次世代を育てる」具体的なシステムを築く

2017年02月22日 | 子育て全般

「形にしていきたい」と時々言っているんですが、

では、何を形にしようとするのか? 

 

日々、力を注ぐことの「大枠」を、ここに記しておきます。

リサーチ&書くこと、そして少しずつ始める活動も、これらを形にしていくため。

以前あげた「ライフワーク」を文字以外で体現した形なのだと思っています。

文字面では、こうした活動の過程で、より具体的になるだろうと思っています。

 


1. 子供の活動場

「拡充学習」、「21世紀型能力」育成、遊び、実験、モノづくり、異文化体験

 

 

2. 親の勉強会

「拡充学習」、「21世紀型能力の育成」、思慮あるしつけ、考える力(クリティカルシンキング)、創造性、グリット(やり抜く力)、成長型マインドセット、自然の影響、身体を動かすことの大切さ、異なる性質の理解、文化人類学視点、直観、セフルケア、

 


3. 子育て体験者が働く場(培った知恵の還元)

1と2を担当

受け継いだ「習慣」をそのまま伝授するのではなく、気づき、探求し続ける

フィードバック&研修の継続

 

 

 

1の「カリキュラム」と、2と3の「勉強&研修内容」をひとまずまとめつつ、

引き続きの探求を目指します。

 

 

 

 

これら3つを形にすることについて、

「ユダヤのシステム」に大いに学べるとも思っています。

これまでユダヤの方々、そして思想に触れる中で、

「次世代を育てる」ことにかけての意欲に圧倒されてきました。

 

子育て支援に多大な力が注がれ、

「自分の子」を含み、「ユダヤという全体で子どもを育てるというバリュー」が

コミュニティーに行き渡っています。

 

もちろん、ユダヤコミュニティーでの「1.子どもの活動 2.親の勉強 3.教育者の研修」の内容は、

もっぱら「ユダヤの聖典」に基づき、上にあげたものとは異なるわけですが、

システムとして、1.2.3が、確立しているんです。

 

「子どもを育てるというバリュー」に重きを置かれなくなった社会は衰退します。

 

 

皆、親としての性質や生い立ちも、おかれた家庭の状況も様々です。

外で働くママ、専業主婦(夫)、フルタイム、パート、

その人なりの営みを尊重し合い、それぞれの立場で、

「コミュニティー全体で次世代を育てる」ことにフォーカスしていけたらいいですよね。

 

 

身近な周りからできることをしていきたいですね!

それではみなさん、今日も良い日を!


「共通の土台」に同意し21世紀に必要とされる「ギフテッドネス」を育む集まり、夢をみることから始まる

2017年02月22日 | 子育て全般

昨日今日と、友人の娘ちゃん息子君を丸ごと2日間続けて預かってました。

 

子供たちにとってよかれと思う環境を整えつつ、

ああ、何家族か集まって、こうした環境を共に作っていけたら、

子供にとっても親にとっても、

そして未来の社会にとっても最高だよなあという思いは果てしなく広がり。

 

例えば具体的には以下のようなことをしていたのですが、

こうしたことも含めた活動を、

より「拡げて充実させ」取り組めるような集まり。

 

 

前回の記事

日常生活は「拡げ充実する」機会に溢れてますね、昨日1日での試み例

であげたポイントを心がけつつ

 

 ・自然探索&実験

オールアバウトに「自然体験が子供に与える影響&自然を楽しむ工夫10」をまとめました

山登り                      頂上!

  

魚とり

ダムづくり

ダッキーを救え!ミッション。プカプカとあちらこちら浮かばせたダッキーをリモートコントロールボートで集める。

    

おしゃべり

 


・アート&クラフト

小川からの帰り道、「石に色塗る?」と一言かけたところ、9歳、12歳、13歳の女の子たち、石集めに夢中になります。

「この木片はどうかな?」「このドングリもいい感じ」と目を輝かせ。

トレールで集めたあれこれが、

 

変身。

 

壁飾り                     日本をイメージしたそう。

  

紙飛行機

折り紙

 

 

・身体を動かす

身体を動かすことの大切さについて書いてきた記事)

サッカー

森で鬼ごっこ&かくれんぼ

各種ボール遊び

 


・ボードゲーム

 


・図書館で1時間ほど。本&漫画に夢中。

 


・料理

ブラウニー

クッキー

朝:パンケーキとヨーグルトとフルーツ野菜スムージー

昼:ミートソースパスタとスープと野菜スティック

夜:餃子とスープと野菜炒めと米

 

 

 

 

 

 

共通の土台として、

・「拡充学習」に興味がある

・「21世紀型能力」を育てることに関心がある

・子供を「成長の過程」ととらえ「多様なものさし」で見つめる

・熟練の指導者や体験を積んだ講師に学びつつも自らの直感も大切にする

といった内容に同意することを「参加条件」とする。

 

 (参考:

消費するだけでなく創造できる「ギフテッドネス」をどう開発する?教育学者レンズーリ氏の研究紹介

 ・世界中で提案される「21世紀型能力」とは? 次世代に求められる資質や能力って具体的に何なんでしょう?

直観力について書いてきた記事



親同士の勉強会も定期的にする。

フィードバックや研修を通して子供への「働きかけ方」を磨き続けられるようにする。

 

 

また、子育てのために、キャリアを上る道からは距離を置く選択をしたり、

社会的な活動のペースを落とした親って私の周りにもたくさんいるのですが、

そうした人々が子育て一段落したら、「運営側」にまわり、

子育てを通して培った知恵や体験を生かせる場にもする。

 

日本と、アラスカや米国東海岸にも支部を設け、

子供たちが海を行き来しての海外異文化を体験できるようにする。

そうして支部は、世界各地へと繋がっていく。

異文化について書いてきた記事

 

今の学校システムでは埋もれてしまうこともある、

21世紀に必要とされる子供たちの「ギフテッドネス」を育むために。

 

 

子供たちともみくちゃになりながら、そんな夢想をしていました。

夢をみることから始まりますね。

 

目の前の子供たちとの生活とともに、

長い目で見て少しでも夢に近づけるよう一歩一歩、歩いていきます!

みなさん、今日も良い日を!


日常生活は「拡げ充実する」機会に溢れてますね、昨日1日での試み例

2017年02月20日 | 子育て全般

おはようございます! 週明けといえども、今日明日と連休。

今日は午前中えっほえっほと山登りの予定です。

 

 

Tamakiさんのブログ『Follow your bliss』に書かれている、

日常に「拡充学習」を生かしていく試み、

なるほどなあと読ませていただいてます。

 

日常の何気ない会話や子どもの着眼点や興味から、

プロジェクトや創造へと「拡げ充実して」いく機会って、

実はたくさんあるなあと気づかされます。

 

「拡充」というと組織や体制を拡げるという意味のようですが、

私自身は勝手に、それまでの「枠組み」を拡げるという意味でもいいじゃないか、と思っています。

 

 

Tamakiさんが「拡充学習の流れ」をこちらにまとめてくださってます:

 家庭でする拡充学習の流れ フローチャートの試作

 

興味関心(個性の芽) → 探索 → 形にするための知識や技術を学ぶ → 披露 

これらを通して「創造的な生産者」育んでいく。

 

「興味関心 → 探索 → 形にするための知識や技術を学ぶ」というのは、日常生活で、何度も行ったりきたりできますね。

 

例えば以下は、昨日1日の何気ない「子どもとの会話」や「遊び」から、

こんなこともできるかもと思ったことを書きとめてみました。



1. 発明もビジネスも日常生活の「うまくいかないこと」から

ここ数日暖かくて、昨日なんて日中20度以上まで気温があがり、すっかり春気分。

 

サッカーの練習の帰り、助手席に次女。

左横から、びゅん!とバイクが飛び出してきて、目の前に入り込み、

また左の斜線の車を追い越し、その車の前に入り込み、

再び右斜線の車を追い越し、その車の前に入り込み。

ものすごいスピードでジグザグに先へ先へと走っていきます。

 

私:一気に暖かくなったから、ああやって飛ばしたくなるのも分からなくないけど、それにしても、あぶないよねえ~~。

 

次女:ヘルメットかぶってるけどね。

 

私:頭だけ覆ったって、みてよ、周りの車との違い。柔らかい身体がむきだし。つるっと転んだら、もう、あっという間だよね。

 

次女:・・・。あのさ、身体中覆えるヘルメットみたいなものがあるといいよね。

 

私:1人乗りの車みたいな感じ? 大きなトラックとぶつかったらすぐにぺしゃんこになりそうだけど。

 

次女:ほら、象が踏みつけても何トンのトラックが乗ってもつぶれない物質みたいなものってあるじゃない。ああいうもので身体中覆うの。

 

私:ああ、服ぐらい薄くして覆えるといいかもね。

 

次女:そうそう、「象でも潰せない物質でライダースーツ」みたいなもの作るの。

 

私:それが可能な技術をもっと発達させて、一般にも手が届くぐらい安価になるといいよね。

 

 

そこで、しみじみとつぶやく私:

そうなんだよね、発明やビジネスって、

「これはうまくないぞ。こういうものがあったらいいなあ」っていう気持ちから始まるんだよね。

「これはうまくないぞ」っていうものって、周りにたくさんあるじゃない?

 

(運転しながら、道脇のアライグマの死体を通り過ぎます)

 

私:鹿や動物がああやって轢かれてるの、毎日のように見るよねえ。

 

次女:見えないフェンス、電気フェンスみたいなものを道との境にはって、道路にはいりこめないようにするのってどうだろう?

 

私:道をそれた車も電気ショックをくらう。(笑)

 

次女:(笑)。 車以外の「何か」が道路に入り込んだら交通停止になる機械を一定間隔で道路に取り付ける。

 

私:交通渋滞起こしそうだから、道路に入る前に防いだほうがいいかもね。

 

次女:う~ん(考え続けます)。

 

(しばらく車で走り続け)

 私:あの道脇のごみの数々も、うまくないよねえ。何とかきれいにならないものかねえ。

 

 

次女:うんうん。あ、あのさ、私、洗濯機から乾燥機に移すのってもっと便利な方法があればいいよなあっていつも思うんだよね。

例えばさ、上に洗濯機があって、パカンと底が開いてそのまま乾燥機に落ちる、みたいなさ。

 

私:いいねえ。○○(次女)、いつも洗濯機に落ちそうになって濡れた洋服取り出してるものね。(我が家の洗濯機と乾燥機は横並び)。

そうやってさ、日常の「これあったらいいなあ」を見つけて、形にしていけるといいよね。

 

 

帰宅後、「象でも踏み潰せない物質」についてネットで調べる次女。

こうして、思いつくままの会話を通しても、

「形にするための知識や技術を学ぶ」と拡げてもいけますよね。

 

身近な周りの「これはうまくないぞ」

→「こういうものがあったらいいよなあ」

→どうしたらできるだろう?

 

この思考の流れを、日常生活で身につけていくのって、

将来も大きな力になると思います。

 

 


2. 夢中になっていることを拡げる

裏の森の小川で、リモートコントロールのボートを操るのに夢中の次男と三女。

 

小川をあちらこちら移動し、走らせることのできる「距離や面積」を変化させてみます。

ボートに石を乗せても進むかな? どれくらい重いと沈んじゃうか?

スピードが速くなるほど表面の小枝を蹴散らして進んでいける

遅いと小枝に行く先を阻まれちゃう、水しぶきの立ち方も違うね。

浅いところと深いところではどうだろう?

 

そんなことを、三女と一緒にあれこれ試してみます。

(私は傍で夫とこれからについてなど話し合いで、ほとんど見てるだけ。時々、これはどうかな?と提案してみます)

 

『虹色教室通信』の記事

頭と目の前の現実、どちらにも接続可能の知恵を蓄える1(レンズーリの拡充学習について16)

を思い出してました。

 

以下引用です:

教室では、工作でも実験でも遊びでも、ちょっと試してみたら面白そうという場面にぶつかったら、

長さを変えたり、傾きを変えたり、重さを変えたり、速度を変えたり、

面積を変えたり、数を変えたり、強度を変えたり、

水に沈める深さを変えたりして、どうなるのか試しています。

創作する上でそうする必要があるから変えるのではなくて、

「変化に伴って、どうなるか見届けたい」という好奇心を満たすためにしています。」

引用終わり。

 

夢中になって、自分たちからどんどんあれもこれもと試してみる時こそ、たくさんのことを吸収しますよね。

 

 

 

 

3. うまくいかないときこそ工夫し試しと「拡がる」機会

翌日お友達がお泊りに来るので、「何をしようか?」と子ども達と話したところ、

三女と次女がネットの「アートやサイエンスのプロジェクト」を検索。

 

それで、コーヒー・フィルターにペンで印をつけ水にじませるアートをしてみようとのこと。

こんなしるしをつけ、

水の中へ。

それが、なかなか見本のようにはいかないんですよね。

 

そこで、水の量を変えてみたり、ペンの種類を変えてみたり。

油性は水に溶け込まないからだめ、

ホワイトボード用のペンもうまくいかない、

他の水性のペンも、全部水に流れ出して紙に色がつかなかったりする。

見本では黒いペンからいろんな色が滲み出してるけど、実際は全然うまくいかない。

家のこのこーフィーフィルターが大きすぎるのかなあ。みて、見本のはもっと小さいじゃない。

などなど、工夫は続きます。

 

にじみ紙の

蝶。

 

 

他にもこんな実験をしていました。

鉛筆の太さや、袋の質を変えてみたり。

 

 

 

「拡げて充実させていく機会」って、 日常のそこら中に散らばっていますね。

「拡充」と少し意識することで、

今まで見慣れたことのなかにもたくさんの発見があって、

日常生活がより新鮮で、楽しいものに思えてきます。

 

『虹色教室通信』の奈緒美さん、そして『Follow your bliss』のTamakiさんの活動にチアーズ!

 

 

さて、今日は山登りの後、午後からアクティビティーに走り回り、

夜はお友達がお泊りに来て、我が家は「合宿場」と化します。

「給食当番」になりつつ、子ども達の繰り広げる世界を楽しみます!

みなさん、今日もよい日を!


理解することで確かに子どもの言動に少し余裕を持って向き合えるようになる!「子どもの脳の3つの特徴」

2017年02月16日 | 子育て全般

この記事では、

「思慮あるしつけ」についてまとめていくなかで参考にしている

精神科医ダニエル・J・シーゲル 氏と心理学者 ティナ・ペイン・ブライソン 氏の

『No Drama Discipline: the whole-brain way to calm the chaos and nurture your child's developing mind』

に紹介されている「子どもの脳の3つの特徴」を紹介します!

 

著書の、シーゲル氏&ブライソン氏曰く、

「基本的なレベルの神経科学のコンセプトを理解することで、

子どもへの理解や、子どもへの関わり方が、完全に変わってしまうものです。

子どもと交わることがより喜びに溢れ、

しつけもより効果的に、よりドラマチックにならずにすみますよ」

とのこと。

 

確かに、と実感しています。

 

振り返っても、「脳や身体の仕組み」を少し理解することで、

それまで全く「?」だったり、イライラしたり、キーとなることのあった子どもの言動に対し、

以前より余裕を持って接することができるようになったなあと。

 

 

ではその「基本レベル」である、

「子どもの脳の3つの特徴」とは?

  1. 脳は成長中
  2. 脳は変化可能
  3. 脳の仕組みは複雑

(まとめて「Brain C's」: Changing, Changeable, Complex)」

 とのこと。

 

 

1. 脳は成長中

感情の制御、健やかな意思決心、共感、倫理道徳など、

前頭野を含むより洗練された思考を司る「大脳皮質」部分というのは、

25歳ぐらいまでに完成するといいます。

 

つまり子どもは、

論理的に考え、計画を立て、周りの状況をみて自らの言動を調節するには、

あまりにも、まだまだ「未発達な脳」を持っているということ。

 

ですから、大人からみての、

「こんなこともできないの」「なんて幼稚な考え方」と呆れるようなことも、

「脳、頑張って成長中だものね。だんだんできるようになるのよね」と長い目で見て、

子どもに期待することを調節していきたいですね。

 

同時に、

つい先日できなかったこともいつの間にかできるようになっていくということもたくさんありますから、

いつまでも「まだまだできないね」と小さな子扱いするのでもなく、

頻繁にその子に向き合う姿勢をアップデートしてやりたいです。

 

 

 

より原始的な反射や強烈な感情や不安や恐れを司る「大脳縁辺系」と、

また前頭前野を含むより洗練された機能を司る「大脳皮質」部分の関係というのは、

「ティーンの脳」を理解するのにも鍵です。

 

以前こちらにまとめたのですが、

ティーンの脳って何がどう特殊なの?新しい関係を築くために

10歳頃から爆発的に発達する「大脳縁辺系」に対し、

「大脳皮質」部分の発達はゆっくり。

 

それで、ティーンの脳というのは、

情動面や衝動性などが激しく働くにもかかわらず、

全体的な視野を持って論理的に計画したり思考したりという機能が、

よいしょよいしょとゆるやかーな曲線を描いて少しずつ発達している状態。

 

この仕組みを理解することで、

私自身、ティーンの子達の言動が、随分と理解できるようになりましたよ。

 

 

 

 2. 脳は変化可能

子どもに限らず、今では大人の脳も変化することが分かっているといいます。

 

そしてそうした「脳の変化」を促すのが、

昨日の記事

脳神経科学の研究「体験が脳を変化させる」&「大人の思う枠の外に個性や才能の芽があるかも」ということ

にも書いたように、「体験」といいます。

 

体験こそが、

脳のニューロンとニューロンを繋げ、

回路を築いていくというんですね。

 

そして特定の体験を繰り返すことで、

その特定の回路が強まり、深まっていくとのこと。

 

 

 

こんな姿勢や習慣を身につけてくれたらいいなということでも、

体験を繰り返すイメージでサポートしていくのも手ですよね。

シナプスを繋げ回路を築くイメージ。

 

例えば、ライフスキルとしても、

またレンズーリ氏の唱える「ギフテッドネスの開発」にとっても大切な、

「グリット(やりぬく力)」や「レジリエンス」なども、

失敗を避けるより、

失敗から立ち上がり進み続ける体験を積み重ねられるようサポートしてやりたいです。

 

 

 

 

 

3. 脳の仕組みは複雑

この自分の両コブシを合わせた大きさほどの脳には、

身体や精神や情動を司る複雑な機能が入り組んでいるといいます。

 

そこで、少しでも、そうした入り組んだ機能について知っていると、

子どもへも対応しやすいですよとのこと。

 

例えば、以前こちらに、

脳全体に働きかけるイメージで子育て!脳の仕組みを分かるなら対応もより分かる

脳の部分をざっくりと

「コブシ」に見立てたコンセプトを紹介しました。

 

 

思考・想像・統制を司る脳の(大脳皮質)部分が、

指部分の「階上(upstairs)」。

情動・衝動・反射を司る脳の(大脳辺縁系)部分が、

手の平部分の「階下(downstairs)」。

シーゲル氏とブライソン氏によると、

この「階上」「階下」をつなげるような働きかけをしていくことが、

脳全体を健やかに発達させるといいます。

 

例えば、

ウギャーと子供の感情が爆発している時は、

まずは「コネクト」して感情を落ち着け←階下(downstairs)への働きかけ

次に質問をしたりと考えさせていく←階上(upstairs) への働きかけ

 

そうして脳全体を繋げるイメージで働きかけるということですね。

 

 

 

 

 

脳については分かってないことがまだまだたくさんあるといいます。

今後研究が進み、新しい発見に触れられる日が楽しみです。

多様な脳の特性に、より適した対応の仕方なども、より明らかになっていくといいですよね。

 

次回は、「コネクトして感情を落ち着ける」ことについて、

もう少しまとめてみます!

 

 

 

余談:


少し自分をプッシュして、書く量の実験をしてみてます。

昨日は1万字程度。

とはいえ、仕事原稿という形では2千3百字ほど、

ブログ記事で5千字ほど。

誰にも見せられないだろうなあという形で3千字ほど。

この「誰にも見せられないな」というものなら、いくらだって書き続けられるんですよね。

自分が後で見ても、意味が分からなかったりするんですが。(笑)

でも、「伝える言葉」になる前の、リズムのようなものをつむいでくれているようにも思います。

調整しつつ、全体的な力を高めていきたいなと思ってます。

 

読んでくださって、感謝です。

それではみなさん、今日もよい日を!


脳神経科学の研究「体験が脳を変化させる」&「大人の思う枠の外に個性や才能の芽があるかも」ということ

2017年02月15日 | 子育て全般

あれもこれも書きたいなと思いつつ、

「体験と脳の変化」について、つれづれと綴ります。

のちほど、「思慮あるしつけ」に関わる「脳の仕組み」についてまとめますね。

 

 

「体験が脳の回路を築く」という研究報告を子育てでも覚えておきたいです

(「最新の脳神経科学を紹介します!)と記され、米国でベストセラーとなった

精神科医ダニエル・J・シーゲル 氏と心理学者 ティナ・ペイン・ブライソン 氏の著書

『No Drama Discipline: the whole-brain way to calm the chaos and nurture your child's developing mind』を参考に)

 

比較的最近の脳科学分野で分かっているのは、

「体験が脳を物理的に変える」ということ。

 

脳のニューロンとニューロンが繋がる部分を「シナプス」といい、

このシナプスにより脳に回路が作られるわけですが、

このニューロンの接合&シナプスの形成を可能にするのが、

「体験」というんですね。

 

そうして特定の体験を繰り返すことで、

特定の回路が強められより深く刻まれるといいます。

 

こうして、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を通して体験することは全て、

脳に影響を与えている、

つまり、その子がどのように世界をとらえ向き合うかを形作っているとのこと。

 

 

この「体験が脳を変化させる」ということ、

子どもに関わる大人にとって大きなヒントになりますよね。

 

何かを身につけて欲しいなら、

五感を通した体験を繰り返すことで、

脳の回路を深めていくとイメージしてみます。

 

言葉で「こうしなさい」と言い放つよりも、

実際に行為を繰り返すよう助けていきます。

 

机上の学びのみより、

五感を通した体験こそが、

脳をよりパワフルに変化させると思い出してみます。

 

 

 

 

バーチャルリアリティーの技術を用いてセラピーも可能になる?

 今夜はこうした「体験が脳を変化させる」といったことを子ども達と話していて、

 

「じゃあ、バーチャルリアリティーの技術を用いて、

五感を通した『体験』をしているんだよと『脳をだます』ことで、

脳に変化は起こるのかな。

 

そうしたら、トラウマの克服とか、

中毒症状の上に新しい習慣を築くためなんかに、

用いていくこともできるよね」

 

などなどの話に。

← 長男曰く、実際にもう始まってるよとのことですが。

 

バーチャルリアリティーの技術がより精巧になり、

実際の体験と違わなくなるにつれ、

こうしたこともより可能になるのかもしれませんね。

 

 

 

ひきこもりがちな「敏感な子」を体験へと導く「したい!好き!」

 

長男と次女が、

「したい!ほしい!」と自ら突き進んでいくのに比べ、

間にはさまれ、ちょっとゆっくりおっとりな長女。

自分でHSPのテストをした際も、23問中ほとんど当てはまると答えてました。

ハイリーセンシティブパーソンの自己診断リストを試した長女14歳、その子が羽ばたいていくサポートを

 

「どうしたい?」と聞くなら、

長男と次女が「あれもこれもしたい!」と答えるところ、

「よく分かんないんだよね・・・」と困ったように答えることもしばしばです。

 

何日間でも、家の中でただのんびりと過ごしていられる様子。

返ってあれもこれもと予定が入ると、目が回ってしまうようです。

 

 

そんな長女が、「したい!」と目を輝かせて取り組むチアリーディング。

最近、「とんぼ返りから逆とんぼ返り(roundoff & backhandspring)」

ができるようになったと嬉しそうです。

(長女ではないですがこういうものですhttps://www.youtube.com/watch?v=RFqrjGm1Lqg

 

上の話し合いの後、長女、下の子たちに向けてこんな話をしていました。

 

恐い恐いと思ってできないことってあるでしょ。

でもね、とにかく思い切ってしてみるのよ。

そしたら、「あれ、何でこれまでしなかったんだろ」なんて思うものよ。

そうして繰り返しているうちに、全然平気になっていくから。

これも、脳の仕組みでいうなら、脳の回路がより深く刻まれたってことね。

 

 

こちらにも以前書いたんですが、

自称HSPの長女の成長、「これをしたい!」という意欲が壁を突き抜けさせる

長女のチアリーディング、恐れや不安感を導く「頭と心の筋トレ」

「したい!好き!」なことが、

その子の枠組みを広げる突破口になる、

そうしみじみ感じています。

 

「好き」だからこそ、

一歩先の体験へと、踏み出していきます。

結果、新しい体験を重ねることにもなり、

その姿勢が、他のことにも影響を与えていくんです。

 

まさしく、

「好きなこと」が他を引き上げてくれる状態。

 

 

そして時に、こうしたその子の「好き」とは、

親の期待するものとは違ったりするんですよね。

 

『虹色教室通信』の奈緒美さんが書かれていて、

Tamaki さんのブログでワーキングママさんも言及されていたように、

 「親や大人が思う枠からずれたり、はずれたところに、

その子の個性や才能の芽があったりする」

んですね。

 

 

「チアリーディング」というオプションも、

私と夫の考えの範疇には全くありませんでしたから、

初めは「は?」と思ったんです。

 

それでも、自分自身の「好き」や「したい!」こそが、

その子が前へ進む力をもたらす、

そう実感しています。

 

 

 

「恐い恐いと思っても、とにかくやってみる

繰り返すうちに平気になっていく」

 

様々な面でも、この体験が生きてくる、本人もそう感じているようです。

 

 

 

色んな子がいます。

この子はこれ! と分かりやすい子もいれば、分かりにくい子もいます。

長い目でみて、見守っていきたいですね。

 

みなさん、今日もよい日を!


昨日今日とバレンタインパーティー、子どもの脳は発達途上と思い出す&身体感覚の発達

2017年02月15日 | 子育て全般

周り皆、昨日今日とバレンタインに盛り上がってました。

 

こちらでは、女性が男性にプレゼントという慣習はなくて、

家族・親戚・友人間で性別に関係なくプレゼントを交換し合います。

 

ついつい忙しいしそれどころじゃない、とも思うのですが、

日常に、こうした「行事(非日常)」をはさむことで、活気が生まれますね。

子どもって、ホンと行事大好きですし。

 

 

 

昨日の小学校でのバレンタインパーティー。

「拇印でハート」のしおりを作りました。

 

気づいたのは、2年生クラスでは、

この「拇印でハート」が難しい子が結構いるということ。

 

「見本」とにらめっこしても、

親指をどう用いたら「ハート」型になるのかピンとこないのです。

 

両指を同じ方に向けてしまったり、八の字にしたり。

結局、片手ずつ親指を押し付ける必要があるわけですが、

まあ確かに、私自身も初め一瞬とまどいましたから、

確かに2年生にはまだ難しい子もいるでしょうね。

 

 

子どもって、大人目線では驚くようなことができなかったりします。

後ほどの記事でもう少し詳しく書きますが、

子どもは、脳の仕組みからみても「発達途上」であるということ、思い出していきたいです。

 

 

 

もうひとつ、

我が家の子育て、そしてこれまで出会ってきた子ども達を思い出しつつ、

身体を使った体験に乏しいと(我が家も机上の学びに大きく傾いていた時期がありましたから)、

こうした感覚が育ちにくいということもあるのかもしれませんね。

 

とってもうろ覚えの情報なんですが、

 

昔、どこかの記事で、確か養老孟司氏が書いたことだったと思うのですが、

東大の医学部の学生に、「箱と何か」をみせ、

この箱はこの「何か」を入れるのに十分な大きさかどうかと聞いたところ、

正解できなかった学生が何人かいたとのこと。

とても基本的な小中学生でも分かる子には分かるような問いなのだけれど、

国の最高峰の学生の中に、これほどまでに「現実的な感覚」がつかめてない人々がいるのかと、

そしてこういう学生が人間の身体に向き合っていくのかと愕然とした。

 

というような話(「箱と何か」が違うものだったかもしれません)。

 

数字で「箱と何か」の大きさが出されていたら分かったのでしょうね。

 

 

 

クラスメートからのプレゼントを持ち帰った子ども達。

 夜は、下4人でチョコレートイチゴ作り。

 

 

ハッピー・バレンタインズデイ!

 


「通過儀礼と子育て」についてが頭をかけめぐっています、子育てでも「秩序の外」をどう生かすかですね

2017年02月13日 | 子育て全般

よーし、今週も言葉にするぞー、と週明けです!

 

『虹色教室』の奈緒美さんの言葉に感化され、

『虹色教室通信』奈緒美さんのコメント「敏感さを持つ子の癇癪」について。私:「通過儀礼」みたいですね

「通過儀礼と子育てについて」が頭をかけめぐってます。

 

 

結局、目の前の「秩序」の「外」をどう生かしていくか、

それが、子育ての場でも大切なんですよね。

 

 

目の前の「秩序」の「外」を生かすとは、

「癇癪」にどう向き合うかであり、

「遊び」であり「アート」であり「ユーモア」でもあり。

 

 

「外」を排除し、

動きを失った「秩序」は脆弱で生命力を失っていきます。

 

 

先生や親などの大人は、

「秩序」を守り伝える側でもあるため、

どうしても「外」を避けたくなります。

 

それでも、

「外」は確かに危険でもあるけれど、

実は、「秩序」を活性化させる力を持つと少しでも実感できたら違ってきますよね。

 

 

 

「外」を頑なに排除しっぱなしでもなく、

かといって「外」に呑み込まれてしまうのでもなく

「外」とどう向き合っていくのか。

 

また書いていきたいなと思います。

 

 

 

ひとまず今日は、「競技会」について前の記事にまとめました。

「競技会」を生かすポイント5つ、家庭での「拡充学習」でも用いていくといいですよね

 

ここでは、

特に「負けた状態」というのが、「外」がなだれこむ機会ともいえるかもしれませんね。

つまり、一回り大きくなる「統合」への絶好のチャンスです。

 

 

みなさん、今日もよい日を!

 

 

 

 


「競技会」を生かすポイント5つ、家庭での「拡充学習」でも用いていくといいですよね

2017年02月13日 | 子育て全般

週末は早朝から周辺の40校近くが集まり

「サイエンス競技会(サイエンスオリンピアッド)」の地区大会がありました。

 

33年間続く米国の小中高生を対象とした競技会。

分野も様々です。詳しくはこちら

 

 

それぞれの分野でテストスコアを競ったり

(会場ではどんな資料に目を通してもいいとされていますが、膨大な質問量に限られた時間、

やはり日頃から興味を持って親しんでいる子が勝ち抜いていきます)、

サイエンスの知識を用いたアイデアや模型などが審査されます。

 

学校ごとにチームが組まれ、

「クラブ」などの形で放課後に定期的に集まり、

それぞれの分野について探究してきた成果を披露する場です。

 

 

 

それで思うんですが、Tamakiさんのブログ『Follow your bliss』でも以前言及されてましたが、

家庭での「拡充学習」でも、

こうした「競技会」を利用するのもひとつの手ですね。

 

以下、私自身実感してきた「競技会を生かすポイント4つ」です。

 




競技会を生かすポイント1:

スケジュールに組み入れ、ひとまず形にする励みにする

 

現実的な話、我が家の場合も日々するべきことに溢れてますから、

「○日に○○分野で競技会に参加」とスケジュールに記しておくと、

押し寄せる予定をひとまずせき止め、

「取り組むスペース」を確保しやすいんです。

 

そして「○日までに形にするぞ!」と、

「完璧ではなくてもとにかくその時点で形にすること」を助けてくれます。

とにかく「ひとまずの形」にしておけば、何が足りなくて何が必要でと、

その上に築いていく土台になります。

 

 

 

競技会を生かすポイント2:

入賞を目指すのみより「それまでの取り組みを披露する場」ととらえる

 

子どもによっては「入賞」を目指すことも励みになるかもしれませんが、

基本的に、

「これまでしたことを思いっきり披露しにいこうね」という姿勢の方が、

取り組みに没頭しやすいです。

 

 



競技会を生かすポイント3:

競技会場で大いに刺激をうける


競技会場は、

「他の子が探究してきたもの」に溢れています。

 

他の子の発表を見て周り、

会場にいる子ども達と交流したりと刺激を存分に受けます。

 

それまで子ども自身が時間と力を注いで取り組んできた分、

「他の子たちの探究」から受ける感動も大きいです。

 

 

 



競技会を生かすポイント4

社会を生き生きと駆け抜ける姿勢を身につける

 

先週末今週末と競技会に参加した長男の例です:

 

先週末は「ロボティックス競技会地区大会」に参加したんですが、

ここ数ヶ月間かなりの時間と労力を注いできたロボットが、

期待していたようには動いてくれず、納得できない結果となりました。

 

地区大会前には、キャプテンとして

「州大会に進めない方が驚く」と言うほど自信がありましたから、

それはそれはショックだったようです。

 

寝不足が続いてましたから、

その夜はとにかく会場からの車の中でも自宅についてからも眠り。

 

翌朝、「うおーーーー」と吼えて起床。

 

その後も多忙スケジュールに走り続けながらも、

表情や言葉の端々に、「悔しさ」「怒り」「痛み」がにじみ出ていました。

 

それでも、

感情が徐々に緩やかになっていくにつれ、

反省点や改善点なども、

少しずつ整理できるようになっていきます。

 

今では、

ロボットが安定して結果をだすためにはどこをどうしたらいいのか?何が足りないのか?

集団で取り組むということの利点不利点とは?

チームであるということを最大限生かすには?などなど、

「今度はこうしたらいいのかな」というアイデアに溢れているようです。

 

 

失敗やうまくいかない時ほど、

一回り大きくなる機会ってないです。

それは17年間子ども達に接する中で、腹の底まで実感していること。

 

 

 

社会に出れば、「競走」に溢れ「結果」を求められます。

その中を生き生きと駆け抜けるのに大切なこととは、

勝っても負けても糧にする姿勢を身につけること、

たとえ今回は「結果」がでずとも、

「これも次の結果につながるはず」と立ち上がり進み続ける姿勢ではないでしょうか。 

うまくいかないときとは、

こうした「レジリエンス」や「楽観性」を培う絶好の機会です。

 

そしてそう繰り返すうちに、

結局「結果」とは、「おまけ」のようなものなのかもしれない、

勝っても負けても、自分なりの最善を尽くして向かい続けるのみなんだな、

そう感じられるようにもなるかもしれません。

 

 

 

ここ数日、「サイエンス競技会」で担当した

「水分地質学」「解剖生理学」「天文学」「風力」分野に取り組んでいた長男。

今週末には、「天文学」(ペア)と「風力」(個人)部門で5位入賞できたようです。

州大会へすすめることになり、

その時点での自分なりの最善を尽くそうと取り組む日々は、続きます。

 

 

 

 

競技会を生かすポイント5:

親の「無条件の愛情」を発揮する

 

期待していた結果を出せず、悔しがり、打ちひしがれ、怒り。

子どもと一緒になって、喜び、悲しみ。

 

それでも、どんな結果であろうと、

「愛しているよ」と伝えていく。

「あなたって素晴らしいよ」と伝えていく。

 

とはいえ、タイミングによっては、

「こんな時に気休めいわないでよ!」ともなりますから、

寝る前とか、その子の様子をみながらですね。

 

さりげなく「美味しいもの」を差し入れるのもいいです。

我が家では、皆くいしんぼうなのか、

如実に気持ちが伝わりますよ。(笑)

 

子どもが失敗したりうまくいかないときこそ、

親として「変わらぬ愛情」を示すチャンスです。

 

そして、それは、親自身を一回り大きくする機会でもあるんですよね。

親自身の「自分の至らなさを許せない気持ち」と向き合い、

「統合」していく機会です。

 
 
 
 
 
 
 
 
今春から来年度に向けて我が家が参加予定の競技会にはこんなようなものがあります:
 
長男:サイエンスボール(別のサイエンス競技会)、ディベート競技会、将来のビジネスリーダー競技会、引き続きサイエンスオリンピアッド、サイエンティストエッセイコンテスト、サイエンスフェア
 
長女:環境サイエンス競技会、将来のビジネスリーダー競技会
 
次女:サイエンスオリンピアッド
 
三女と次男:レゴリーグ、サイエンスオリンピアッド
 
 
これらプラス、スポーツでは、陸上、サッカー、チアリーディングの試合や競技会が毎週のように入りますが、
スポーツの競技会も、上にあげた「ポイント」は同じですよね。
 
高校生にもなると、親のできるサポートは、
運転、必要なものの購入、チームの子への給食のおばちゃん等です。
 
 
 
 
家庭で探究を楽しむ試みに、
「競技会」を生かすのもひとつの手。
それぞれの家庭の試みにエールを送りつつ。
 
 
さてこれから、小学校でのバレンタインの催し物を手伝ってきます!
みなさん、今日もよい日を!

「抱いてきたもの」が生む繋がりに感謝、子育ての現場に生かしたい「想像力を得るための文化人類学的視点」

2017年02月06日 | 子育て全般

ワーキングマザーさんとTomoeさんとTamakiさんのコメントに、朝から勇気づけられました。

 

みなさんが抱いてきたもの、私自身が抱いてきたもの、

それらが触れあい、繋がりがうまれ。

 

この「抱いてきたもの」に恥じないよう生きていきたいな、

コメントを読ませていただきながら、そう感じ入っていました。

「~に恥じない」と自らを「引き上げる」存在があるのって、

本当に幸せなことだと思います。

真っ暗闇をさまようことがあろうとも、灯台に照らされるようなものです。

 

みなさんの試みに感化されながら、

この「抱いてきたもの」を、少しずつ、形にしていきますね。

 

その歩みの中でも、思い出していきたいと思う、

コメント欄でTomoeさんが示してくださった

「想像力を得るための人類学の6つの方法論」を、

もう一度ここに紹介させてください。

 

文化人類学を学んだジャーナリスト、ジリアン・テット氏による、

高度に専門化し横の繋がりを欠いた「縦割り(サイロ)システム」の弊害が指摘された

著書『サイロエフェクト』にまとめられていたそうです。

 

確かに、Tomoeさんがおっしゃるように 

子育て面でも、とても役に立つ方法です!

子どもに接する際も、そして子どもを取り巻く環境をみていく時にも。

 

1、人類学者は人々の生活をボトムアップの視点で見ようとする

←中心より、周縁を見ていくんです。

2、人類学者はオープンマインドで物事を見聞きし、社会集団やシステムの様々な構成要素がどのように相互に結びついているか見ようとする

←その子にもその子を取り巻く状況にも、オープンマインドで向き合っていく。その子がその子であるゆえんを、周りの様々な要素から見出していく。


3、社会的沈黙に関心をもつ 研究対象の全体を見ようとし、社会でタブーとされている部分に光を当てる
←大多数が目を向けないこと、なかったことにしようとするものに注意を払う。


4、人々が自らの生活について語る事項に熱心に耳を傾け、それと現実との行動を比較する
← 子ども、子どもを取り巻く人々が話す言葉と、実際に取る行動を合わせてみていく。


5、異なる社会、文化、システムを比較することが多い 「他者」を学ぶことで自らの生き方を新たな目で見直すことができる。インサイダーであり、アウトサイダーである。
← この目の前のシステムが「絶対」ではないと思っている。自ら境界を行き来きし、「外」からの視点を生かそうとする。


6、人類学は人間の正しい生き方は一つではないという立場をとる。我々が世界や頭の中で整理する為に使っているシステムは必然的なものではないことをよくわかっている

 ← どの子にもどの家庭にもどの状況にも当てはまる唯一絶対の生き方・育て方などありやしないと思っている。人生に対しても、様々な考え方や捉え方があるという前提に立っている。

 

まさしく、こうした「人類学的な方法」とは、

意識的にも無意識的にも

私自身の中心的な指針となっています。

 

 

 

 

 

親や先生というのは、子どもを「導く」という役割を担っています。

それは、文化人類学的には、

子どもへ「文化を刷り込む」ことでもあります。

 

ヒトが集団で生きる生物である以上、

この「文化的な刷り込み」は子どもにとって生存のために必要不可欠なこと。

 

ですから大切なのは、

大人自身がそうした立場を自覚しつつ、

「刷り込まないようにすること」ではなく、

「何を、どの程度、どのように刷り込むのかを選択すること」だと私は思っています。

 

どういった文化を伝えたいのか

その子が将来羽ばたいていくために本当に必要であり、

本当は邪魔になるものとはなにか。

 

そう考えていく際も、

「オープンマインドで物事を見聞きし」

「異なる社会、文化、システムを比較」し、「インサイダーであり、アウトサイダーである」、

「人間の正しい生き方は一つではない」

「我々が世界や頭の中で整理する為に使っているシステムは必然的なものではない」

という姿勢は、大切になってきますね。

 

 

文化は、常に再生産&創生されています。

 

今、目の前の子どもと接するこの瞬間も、

新たな文化が創られるチャンス、

そう思うとき、子どもに関わる立場にあるということの貴さをかみ締めます。

 

 

何だか大きなことのようですが、

目の前の日常生活で、

オートパイロットな「反応」から、より意図的な「対応」を心がけていくこと、

もできることのひとつではないでしょうか。

 

それは、

代々背負い込んで盲目的に引き渡す「文化」から、

ひとりひとりの意志で「文化」を選択するということでもあるんですよね。

変化の芽は、今この瞬間に生まれ続けています。

それらの芽が重なり、流れができていく。

 

日々の生活で思い出していきたいです!

 

 

 

私自身、文化人類学を学ぼうと思ったのは、

16歳の時、海外(インド)を初めて訪ねたときのことでした。

旅の後、カルチャーショックでしばらく話すこともままならなくなり。

 

それは、

それまで私自身が「絶対」と信じていた枠組の「外」を、

強烈に体験した衝撃だったといえるかもしれません。

 

それ以来、文化人類学というのは、

私自身のアイデンティティーの一部となり、

アカデミックを離れた今も、子育ての現場に根づいています。

 

紹介していただいたジリアン テット氏の言葉に触れ、

原点に立ち返り、力をもらいました。感謝を込めて。

 

みなさん、今日もよい日をお送りください!


対照的なフィジカルセラピーを訪ね、子どもに接する中で改めて大切に思う3つのこと

2017年02月03日 | 子育て全般

私の「首」、長男の「肩」と、

それぞれ医師から「フィジカルセラピー」をススメられ、

昨日は、2件続けて回ってきました。

 


1件目のフィジカルセラピー:

新しく清潔なオフィス。

待合室から、ガラスドア越しに、

ピカピカと輝く運動器具の並ぶ大部屋が見えます。

 

20代だろう女性のセラピスト。

これまでの経過を伝え、横になります。

 

首周りを触り、マッサージ。

 

と、手を動しながら、

大部屋の少し離れたところで、

同じようにクライエントさんに向き合う女性のセラピストと話に花が咲きます。

 

同僚へ「タコスのディップの○○味が美味しいのよね」  

私へ「ここがちょっとかたいわね」

同僚へ「(共通の知人らしい)男の子に電話したらこんなことを言っていたのよ」

私へ「このあたり、ちょっと張ってる」

同僚へ「そうそう、あそこに新しい洋服店ができたって」

私へ「ここちょっと他と違う感じする?」

私「うーん、そんなこともないかなあ」

私へ「そう?」

同僚へ「そういえば、最近○○味のドーナッツ食べてないわ」

 

その後、

「じゃあ、3つエキソサイズをしてみましょう」ということで、

「首をこうやって肩に近づけて」と示してくれます。

真似する私。

「そうそう、そんな感じで、片方20回ずつ3度繰り返して」

 

エキソサイズをする私を見ながら頷くと、同僚と話しに向かうセラピストさん。

「片方20回3度」を終えると、戻って来て、次のエキソサイズを教えてくれ、また同僚のところへ。

 

最後のエキソサイズが終わると、

「この3つのエキソサイズを毎日繰り返してくださいね。

次のセッションでは新しいエキソサイズをお伝えします。

週に2回来て下さい。空きはすぐにうまってしまいますから、

帰りに受け付けですぐに予約してくださいね」とのこと。

 

駐車場の車の中で、

「あれ、フィジカルセラピーってこういうものだっけ?」と、

全国に店を構えるというフランチャイズの看板を見上げ。

 

 

 

その1時間後には、長男と別のフィジカルセラピーへ。

 

2件目のフィジカルセラピー:

待合室も、待合室から見える大部屋も、

何年もの間、何人もの人々が使ってきたんだろうなあ、

と感じさせる家具や器具が並んでいます。

 

30代だろう男性のセラピスト。

 

経過を説明する長男の話をメモし、

診察台に横たわらせ、肩、首、背中を触っていきます。

 

1箇所1箇所長男に質問し、感触を確かめ、

様々な方向へ腕を曲げさせ、どう動くとどこが痛み、

どれくらいの角度でどこがどれぐらい痛むかなど、

細かくチェック。

 

その後、肩間接の模型を持ってきて、

どこがどう問題なのかを説明してくれます。

その上、『アイパッド』のアプリで、

肩関節、首、肋骨を様々な角度から眺め説明。

 

「少し肩を動かすだけでもこれほど痛むのに、

レスリングはしばらく休むべきだよ。

負傷した初期の段階でしっかり治しておかないと、

完治するのに何倍もの時間がかかるよ」

と諭すセラピストさん。

(傍でほっとする私)

 

その後、肩関節だけでなく、

「身体に無理のない姿勢」について教えてくれ、何度か練習。

普段の生活でも30分ごとぐらいに「気づく」ように心がけてとのこと。

 

そして、肩関節回復のためのエキソサイズを教えくれます。

セラピストさんの真似をしているようでも、

どの身体の箇所にフォーカスするのか、

「肩甲骨の両下部分を合わせるような気持ちで」、

など何に気をつけたらいいのかのポイントを知ることで、

随分と違ってくると納得。

 

しかも、家でも復習できるようにと、

アシスタントさんの構えるカメラの前で、

ひとつひとつのエキソサイズの「正しい仕方」を撮り

ユーチューブに載せリンクを送ってくれました!

(長男と私の目の前で展開される解説:https://www.youtube.com/watch?v=WT_xkCWpBm0

最初に最も身体に負担のない姿勢が示されてます。これに少し首をあげた姿勢が私の首にもいいんですよね)

 

普段の生活で「身体に意識を向ける」大切さや方法を具体的に学び、

長男にとっても私にとっても、とても有意義な時でした。

 

 

 

 


対照的なフィジカルセラピーを訪ね、子どもに接する中で改めて大切に思うこと


1.「マルチタスク」と「モノタスク」を使い分けていきたいですね

1件目のフィジカルセラピーのベッドに横たわり、

まさしく私も、普段こんな感じのことって多いよなあ、

そうしみじみ思ってました。

何もかも「片手間状態」というか。

 

忙しい毎日。

普段の生活でも、全てのタスクをこなすには、

「マルチタスク」が必要になってきます。

 

それでも、

「マルチタスク」と「今は目の前の物事にじっくりと取り組むモノタスク」とを、

区分けしていけるといいですよね。

 

「するべきことリスト」をちょっと横に置き、

目の前の子どもに、「モノタスク」で向き合う時。

1日10分でも、随分と違ってくると感じています。

(以前綴った記事:マルチタスクとホールハーティッド

 

 


2・「モンキーマインド」を落ち着ける「マインドフルな時」を

「マルチタスク」で物事をこなす多忙生活、プラス、ネット時代。

 

常に新しい情報が流れこんできます。

あ、テキストが届いた、あ、友達が新しい写真をアップしてる。


「マインドはあちらこちらへと飛び、

忙しく動き回りっぱなし(モンキーマインド)」。

 

1日10分でも、「落ち着く筋肉」を使っていきたいです。

 

「マインドフルであること」の大切さが言われるのも、

こうした時代の流れを背景にしてるんですよね。

 

「マインドフルである」とは、

「錨(いかり)をおろしつつ=最も大切なことに気づきつつ」、

自分自身、そして周りの状態状況にも敏感に気づいている状態。


「モンキーマインド」は、

感情おもむくまましっちゃかめっちゃかに、

「うきゃー」と飛び回っている状態。← 私自身も普段かなりのモンキー度です。

 

一昔前は、

「マインドフルであることが大切」なんて言葉必要なかったでしょうし、

わざわざ「マインドフル・トレーニング」する必要なんてなかったわけです。

一日中畑仕事に従事とか、メディアはテレビやラジオぐらいで、

生活もよりシンプルでしたから。

 

 

「マインドフル筋力」を使っていきたいです。

1日数分でも違ってきます。

そして接する大人が少しでもマインドフルであることで、

子どもも違ってくると感じています。

 

スマートフォンを持ち歩く上の子ども達とも、

この日の体験を基に、昨夜はそんな話をしていました。

 

 


3. さらーとマニュアルをさらったように接するより、

個々の状態により添った向き合い方を

 

個々の身体の状態に踏み込むこともそれほどせず、

「この箇所の問題にはこれ」というマニュアルをさらりと当てはめる。

 

一方、個々の身体を好奇心をもって観察し、

個々に合った対応を、個々に馴染むような形で模索する。

 

子どもに接する際も、

できるだけ「後者」のような対応を、

目指していきたいですね。

 

問題解決への効果も、断然違ってきます。

 

昨日はクライエントの立場になりながら、

しみじみと実感していました。

 

 

フィードバック&メンターシステムがもっと充実するといいですよね。

これからどんどん成長するだろう若いセラピストさんたち、

頑張ってほしいです。

 

 

様々思わされたフィジカルセラピー体験でした。

さて、怒涛の週末が始まります!

みなさん、楽しい週末を!