子育てでの「直感」について、印象的な実話。
(「The Self Motivated Kids」by Shimi Kang)より。
精神科医Kang氏の娘さんが生後4週間の頃、
近所の友人がフルーツサラダを持って訪ねてきたそう。
Kang氏の生まれたての赤ちゃんを抱き、あやしながら、
自身の16歳の娘Sちゃんについての悩みを打ち明ける友人。
成績優秀、スポーツもトップレベルチームで頑張っていたSちゃん、
それでも最近、モーティベーションを失い、
ハッピーな様子ではなく、親にもくってかかったりする。
そして自然キャンプの集まりで知り合ったこれまでとは違ったお友達
(tree hugging guy:リベラル、環境保護者、ヒッピー)と
より一緒に過ごすようになったと。
このままアカデミックから遠ざかるなら、
トップの大学に行くために注いできたこれまでの努力が、
全て無駄になってしまう。
医者に腱炎のためインテンシブな体操競技を止めるよう何度も言われながらも、
大学審査で不利になるため続けまでしてきたのに。
Kang氏に、あなたの「直感」は何を教えてくれる?と聞かれ、
「家に閉じ込めるか、しばらく祖父母にあずけて環境を変えるかとも思う」と友人。
それは、
「直感」ではなく「不安」に基づいた「反応」
と思いつつも、
黙って友人に耳を傾けるKang氏。
すると、「でも、それは間違ってるわよね・・・」と友人。
最近しっかり寝たり食べたりもしていないという友人に、
深呼吸させ、水を飲ませ、フルーツとナッツを食べるようにいい。
ソファにゆったり腰掛け、
再び話し始め。
「トップの大学に入るためにSは身体を壊し、
それでも入学できるという保証があるわけでもない。
今の入学審査は『くじ』のようなもの・・・。
それで本当はね、分かってるのよ、馬鹿げて聞こえるかもしれないけれど、
本当は、どの大学に入ろうと、問題じゃないのよ。
いい大学なんてたくさんある。
そして私は、あの子がどこへいこうと、素晴らしく生きていけることを知っているの」
そう言いながら、泣く友人。
「あの子がどこへいこうと、素晴らしく生きていけることを知ってる」
と自分の口から出てきたのが信じられないと。
そして、これまで一言もSちゃんに向け、そんな言葉をかけたことがない、
どれほど、Sちゃんがきつい思いをしてきたかと。
赤ちゃんを抱き、揺れ、赤ちゃんの表情や動きに、
ほほずりしたり、ささやいたりと、自然に動く身体。
友人のその「直感に基づいた自然な動き」と、
友人の話す「一連の内容」が、
とても対照的だったとKang氏。
そう指摘するKang氏に、
「赤ちゃんには働く私の直感、それなのに、
ティーンの娘に対しては、
どうしてこうなってしまったんでしょう?」と友人。
「直感ではなく不安に基づいた反応」
という言葉をかみ締めつつ。
そう、「直感」を邪魔するのは「不安や恐れ」からくる、
fight or flightといった「反射的な反応」が大きいんですよね。
「本能(instinct)は時に間違うけれど、直感(intuition)はいつも正しい」
というKang氏の言葉、思い出していきたいです。
周りの情報に揺れながらも、
「これだ!」とたどり着く瞬間。
私自身、子供達に日々囲まれつつ、
大切にしていきたいなと思います。