マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

「直感」についての印象的な話、「これだ!」とたどり着く瞬間

2016年03月16日 | 直観力

子育てでの「直感」について、印象的な実話。

(「The Self Motivated Kidsby Shimi Kang)より。


精神科医Kang氏の娘さんが生後4週間の頃、

近所の友人がフルーツサラダを持って訪ねてきたそう。

Kang氏の生まれたての赤ちゃんを抱き、あやしながら、

自身の16歳の娘Sちゃんについての悩みを打ち明ける友人。

 

成績優秀、スポーツもトップレベルチームで頑張っていたSちゃん、

それでも最近、モーティベーションを失い、

ハッピーな様子ではなく、親にもくってかかったりする。

そして自然キャンプの集まりで知り合ったこれまでとは違ったお友達

tree hugging guy:リベラル、環境保護者、ヒッピー)と

より一緒に過ごすようになったと。

 

このままアカデミックから遠ざかるなら、

トップの大学に行くために注いできたこれまでの努力が、

全て無駄になってしまう。

医者に腱炎のためインテンシブな体操競技を止めるよう何度も言われながらも、

大学審査で不利になるため続けまでしてきたのに。

 

Kang氏に、あなたの「直感」は何を教えてくれる?と聞かれ、

「家に閉じ込めるか、しばらく祖父母にあずけて環境を変えるかとも思う」と友人。

 

それは、

「直感」ではなく「不安」に基づいた「反応」

と思いつつも、

黙って友人に耳を傾けるKang氏。

 

すると、「でも、それは間違ってるわよね・・・」と友人。

 

最近しっかり寝たり食べたりもしていないという友人に、

深呼吸させ、水を飲ませ、フルーツとナッツを食べるようにいい。

 

ソファにゆったり腰掛け、

再び話し始め。

 

「トップの大学に入るためにSは身体を壊し、

それでも入学できるという保証があるわけでもない。

今の入学審査は『くじ』のようなもの・・・。

それで本当はね、分かってるのよ、馬鹿げて聞こえるかもしれないけれど、

本当は、どの大学に入ろうと、問題じゃないのよ。

いい大学なんてたくさんある。

そして私は、あの子がどこへいこうと、素晴らしく生きていけることを知っているの」

そう言いながら、泣く友人。


あの子がどこへいこうと、素晴らしく生きていけることを知ってる

と自分の口から出てきたのが信じられないと。

そして、これまで一言もSちゃんに向け、そんな言葉をかけたことがない、

どれほど、Sちゃんがきつい思いをしてきたかと。

 

 


赤ちゃんを抱き、揺れ、赤ちゃんの表情や動きに、

ほほずりしたり、ささやいたりと、自然に動く身体。

友人のその「直感に基づいた自然な動き」と、

友人の話す「一連の内容」が、

とても対照的だったとKang氏。

 

そう指摘するKang氏に、

「赤ちゃんには働く私の直感、それなのに、

ティーンの娘に対しては、

どうしてこうなってしまったんでしょう?」と友人。

 

 

 

「直感ではなく不安に基づいた反応」

という言葉をかみ締めつつ。

そう、「直感」を邪魔するのは「不安や恐れ」からくる、

fight or flightといった「反射的な反応」が大きいんですよね。

「本能(instinct)は時に間違うけれど、直感(intuition)はいつも正しい」

というKang氏の言葉、思い出していきたいです。


周りの情報に揺れながらも、

「これだ!」とたどり着く瞬間。

私自身、子供達に日々囲まれつつ、

大切にしていきたいなと思います。


子育てで最も大切な「直観力」を回復するということ

2016年03月14日 | 直観力

子育ての根幹は、「さじ加減」。

押して引いてのバランス。

「利き手で抱え、もう片方の手で押す」と一見矛盾する動きを同時にしていくこと。

 

褒めれば伸びるのも本当だけれど、褒め方によっては萎えるし、

ガミガミ叱る必要もないけれど、ここぞという時にはたしなめる必要もある。

また叱り飛ばしたとしても、その後の対応次第で、絆がぐっと深まったり、

その子自身がぐっと成長したりもする。

 

育児書、雑誌、ネット、先生、ママ友、

時に正反対にも聞こえる子育て情報の溢れる中で、

その時のその子に合ったバランスを見出していくこと。

そのバランスを見出すのを可能にするのが、

「直観」なのだと思う。

 

溢れる情報の中で、今何を取り入れ、何が必要ないのか、

その子に向き合い、自らの「直観」によることで、

その時点でのジャストフィットな答えが見えてくる。

 

「直観」を通さず、情報を鵜呑みにしてただ当てはめるなら、

目の前のその子からは、ズレていく。

 

それは、その子の寸法を測ったりとその子に向き合うことなく、

ただお店で見て気に入ったからと、

洋服を手に入れ着せてやるようなもの。

それだと、何だかちんちくりんだったり、ぶかぶかだったり、

おかしなことになってしまう。

 

親、そして子供に関わる人々に必要なのは、

知識の収集と共に、

「直観」を磨いていくこと。

 

 

「直観」とは、

〝「集中と離別」といった左脳的な働きが、「共感や一体感」といった右脳的働きと結びついたもの。

脳の下位部(扁桃体)と高位部(前頭野)の統合。

そして脳だけでなく、心や五臓六腑など身体全体を統合した感覚。”

(ベストセラー本「The Self-Motivated Kids by 精神科医Shimi Kangより)

 

Kang氏は、「直観」とは、人に自然に備わる力とし、

「寝る、遊ぶ、他と繋がる」といった「ヒトが必要とする基本」を満たし、

自らバランスを取り戻すことで、

回復していけるものだとしている。

 

「人が必要とする基本」が追いやられ、

バランスを失いがちな現代の生活では、

まさしく「直観」とは、

「回復」すべきものなのかもしれない。

 

学校に行く機会もなく読み書きもできなかったKang氏の母親が、

いかにこの「直観力」に優れ、

常に「子供の健やかな成長」にとって適切な道を選ぶことができていたか、

ハーバード大学でトレーニングを受け、

精神科医として活躍するKang氏自身が、

いかに「直観」というものを忘れてしまっていたか。

 

自ら、そして精神科医として接する子供や大人を通し、

子育てにおける、

知識やマニュアルに依らない「賢さ・知性」、

「直観力」の大切さを訴えるKang氏。

 

 


まさしく!とうなずきつつ、

生徒たち、子供達を前に、

日々思い出していきたいなと思う。

そして、子育てにおける直観力の大切さについて、

探求を続けたい。


「直観力が主人で理性が信頼できるサーバント」、主人とサーバーントが力を合わせ創り出す世界

2016年03月02日 | 直観力

 "The intuitive mind is a sacred gift and the rational mind is a faithful servant."

(直観的なマインドは神聖なギフトであり、

理性的なマインドは、信頼できるサーバントである)

by アルベルト・アインシュタイン。

 

「イルカ親」を提唱したシミ・カング氏が著書に引用されている言葉なのですが、

氏は、過コントロール、過プッシュされ続けた子供は、

こうした「直観的マインド」を育むことが難しいとしています。

 

そして、

「私たちは、サーバント(理性的マインド)を最も尊び、

ギフト(直観的マインド)を忘れてしまった社会を、

創り出してしまったのではないでしょうか?」

と問いかけます。

 

直観力と理性を絡み合わせ、問題を解決していける力。

氏は、それこそが、21世紀に必要とされる力としています。

 

まさしく!と納得するわけですが、

では実際子供達に向き合い、それらの力をどう育んでいけるのか、

探求を続けたいと思っています。