詩の現場

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無言のうちに 女は

2015-04-23 | フリー Poem
無言のうちに
女は
いつしか母のような強さを
縫い込まれていく

女の子のへその緒には
過去から
未来へ滑り込んでいく糸が
丸く丸く用意されていて

誰に教わらなくとも
その糸を
伸ばし始める
誰にも言わない
と決めた覚悟は
きっと
天井界の方との約束なのだ
花を見に来たかったから、
女は
きっとそれだけの理由で
ここに来たのかもしれない
私たち女の論理
に咲く花
咲く光

女はでもその女の論理さえも
覆せる いつだって

誰にも言わないと決めた覚悟は
女だけが知っている宇宙
どこから来て
どこに行くのか
未来永劫
過去から未来の科学者たちが
血眼で謎解きをしているが
女たちは言う
どこから来て
どこへいくのかって?
決まっているじゃない
私たちの女のお腹から来て
次のお腹に帰るのよ、と

女は海に生きている
口を閉じると
隣に座る女たちの
誰にも言わない
声が
貝殻のひびきのように
ひかりだして


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