詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
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深夜になると…

2017-11-05 | フリー Poem
深夜になると、精霊の森の扉がひらく
入ってもいいよという代わりに
目の前に、鍵のかかっていない
扉が現れる

扉の入口に頭を出したキノコに
暗号を複数回、言わなければならない
昼間のうちに集めた花束と
緑や黄色の両手いっぱいの葉、
詩の言葉
涙を貯めたガラス玉

キノコは自分好みのお土産に
満足すると
傘をひらきあっという間に
土に溶けていく

精霊の森の扉は、開きかける
午前零時
ここからは一本道がつづく
自分の道に立って進んでいく
にわかに道を誘導する鳥の羽の影が
見える
私は詩の言葉を呟けという道を進む



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