詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
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見えるもの 2

2014-11-22 | interest 2
重たくなった雲から、ポツリとしたたり落ちる雨粒が、
僕たちの首筋をひんやりさせる。
僕は歩く。

どしゃ降りになるだろうこんな日は、
捨てネコが、旧い家の軒下に隠れている。

美しい目をしたネコ、
小さな声をあげるネコ、
近づけば行ってしまう傷ついた子ネコ、
僕は、心底この子をなぐさめて
あげたいと思うのだけれど
できないかもしれなくて、
だから、じっと見つめる。
ネコも、僕をじっと見て。

ああ、宇宙ってこんな感じ。
ここは銀河の果てかも知れないけれど、
僕たちは、宇宙のまん中にいる。

りょうちゃんがいて、
ネコがいて、僕がいて、
お母さんがいて、友達がいて。

僕と同じものが見える人、
僕と同じものが見えない人。
宇宙は、そんな僕たちをいつも見ていて。

宇宙の中で、手をさしだしてみる。
誰かと、何かが同じだと感じてみたくて。

僕たちは、歩きだす。



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