詩の現場

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エミール・メルモスへのオマージュ

2015-12-05 | フリー Poem
可愛い子供にkissをする
可愛い動物にkissをする
可愛い花にkissをする
そして  ひととおり
今日も  Kissの儀式が
終わるが

ふと  暗闇のほうから吹いてくる
風に、
貴方がたの中に隠れている
死という時間にも
そっと
口づけしたい

すると
闇のあちらこちらから
閉ざされていた時間の
口許がひらきかける

過ぎ去っていった時間が
負っている傷は
たまに
誰かがこうして
訪ねてくる晩に
深紅の薔薇を
一輪づつ咲かせるのだという

暗闇の足元に
どこに開きだしたか
わかるほど
薔薇は匂いだし
私達の底知れぬ傷は
花びらで覆われていく

夜の深まり
闇のさらに奥で響く
死と生を繋ぐkiss
花を呼び
傷口が塞がれていく
一つの真実

花を呼ぶ
花を呼ぶkiss


※この詩は、エミール・メルモスの作品からインスピレーションを頂き、生まれました。

…死者にkissというのは、究極のエロティシズムかもしれないけれど、生命というのは生と死が必ず内包しあっていて、
肉体はその境界線であるのだと思うのです。
その境界を破るのがkissだったりするのかなと、そんなイメージで書いてみました。
…深い闇へ、そこは死と繋がり、ここと繋がる。死者の魂が永遠の中では生きていて、手を再びとることもできる…。



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