詩の現場

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なんだか、熱を帯びている

2016-08-28 | フリー Poem
いつかの帰り道
通りを吹き抜けていく炎天の風に
火傷しかけたことも
あったけれど

熱くて
ちょっと重たくて
アンニュイな息遣いの聞こえる絵から
吹いてくる風が
今もずっと続いていて
だから、そう
なんだか、熱を帯びている

知っている?
湿り気のある風は
砂漠では神様がもたらす風と
言われている

ここは、砂漠ではないけれど
あまりにも悲しいことがありすぎて
植物のように
体に溜めて光っていた雫は
小さくなって
もうじき消え入りそうになっていて

かつて大地に流れたたくさんの涙は
そろそろと集まってきて
空に合図するのだろう
今にも雨を連れ立つような風を
重たい熱を帯びた風を運んできてと

人間と植物の違いは
何だろう
きっとね、心に貯めた思いを
言葉で話し出すかどうかの違い
だから、

植物のように
体に溜め込む ひと滴(しずく)に
いつも恋い焦がれているけれど
そこには光る言葉が眠っていて

人間が人間の心を取り戻すために
熱くて
ちょっと重たくて
アンニュイな息遣いの聞こえる絵から
湿り気を帯びた風が吹いてきて
人間の言葉をつないでいく



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