詩の現場

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"サクマのドロップス"のこと

2015-12-05 | トークタイム
"サクマのドロップス"をご存じだろうか。
今風ののど飴とは、少しニュアンスが違うように感じるが、この飴は、昔のまま、缶に入って売っている。

見た目もさることながら、込み上げてくる懐かしさは、
パインとかハッカとかイチゴとかの味にあるのだろうか。
昔で言えばハイカラな味。昨今の人気飴競争の雰囲気とは
少し違っているかもしれない。
だから、どこかいつまでもキラキラしていて、美しい飴
なのだと思う。

ドロップス、という名前も好きである。
作家野坂昭如さん原作のあまりにも有名な「火垂るの墓」
の中で、このドロップスが出てくるが。
空っぽになった缶を逆さまにして、何回も何回も振って…
綺麗でとても切ない場面は、ずっと記憶に残っている。
サクマのドロップスって、人のドラマを作るものでも
あるなと思う。凄いなと思う。

ところで、1つ取り出して口に入れるとしたら、
何味を選びたくなるだろうか。
メロンやスモモもあった…。他にも、まだある。…

そして…雨の味、雪の味、虹の味、海の味、風の味、
月の味、星の味、こういう味もあったらいいが、
そんな時、味ってどうやって決めていくのだろうと思う。
…お日様の味、白い雲、青い空とか。

ドロップスって、夢がたくさん詰まっているのだなと
感じる。イチゴ味を選んだら、口に入れるまでドキドキ
するもの、…どんな味だろう、って。

特にこのドキドキ感というものが、サクマのドロップス
にはあるように思う。作り手、開発者の味への夢や
想像力が語りかけてくるような…。
今は工場生産でロマンは少ないかもしれないけれど、
でも、まだ何となくこのドロップスには
夢をもらえるかな、と思っている。

さあ、何味を選ぶ?
ワイン味とか、音符の味とか、考えたりしたくなる…。
とりとめのないドロップスの、楽しい話。


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