ついにサラダにツナが入った。
ツナは母が嫌いだったので、あまり食べたことがなかったが、食べてもさほど大好きとまではいかなかった。
油っぽくてべたべたしている印象。
それが、油分なし、塩分なしの缶詰が生協からでていたので、買ってみた。
ボケ防止にいいということなので。
食べてみると、そんなに魚臭いものでもなく、軽くて、レタスによく合う。
これなら続けて食べられそうだ。
あとは、ヒヨコ豆と生わかめ、トッピングにコーンを飾れば最強のサラダになる。
独り暮らしになってから、果物をあまり食べなくなった。
母が果物が好きだったので、いつも夕食後には何かしらあった。
生協の食材のカタログを見ても、なんだか面倒で今まで頼んだのは、みかんと八朔だけ。
ふと目についたイチゴを試しに頼んでみた。
形が不ぞろいで、大きいのや小さいのが混ざっているけれど、春の甘い香り。
前は、この季節には毎日食べていたのだ。懐かしい。
ジャムも作っていたので、大量のイチゴを求めて、スーパーを捜し歩いたりもした。
イチゴを食べると母のことを思い出す。
イチゴにウィスキーと砂糖をかけていた父の事も思い出す。
一家中でイチゴが好きだったのだ。
だから今まで買わなかったのかもしれない。
今さら父母の事を思い出すのも嫌だったから。
イチゴをたべて、久しぶりに涙がでてきた。