まいぱん日記

身近なあれこれ、植物のことなど

エアコンのない北杜市の家に行ってきました ③ヤナギランの花

2024年08月10日 | ダーチャ
朝 庭に出て、ヤナギランの花が咲いているのを見つけました。
   

ヤナギランは北半球の温帯地域や寒地に広く分布します。ロシアでは七月から夏の終わりまで森の草地、伐採地、森辺、道端、土手などで咲きつづけます。作家のミハイル・プリーシヴィンはヤナギランを「われらが森の美女」と呼びました。ロシア語でヤナギランは男性名詞なので美男というべきですが、赤紫色の花を穂状に咲かせる姿はやはり美女と呼ぶのにふさわしい。この美女はきれいなばかりでなく、たくましい開拓者でもあります。山火事の焼け跡に真っ先にやってきて灰や燃えかすをかき分け、地上に顔を出し、七月がくると一メートルを超える茎に穂状につけた花序は上へと次々に花を咲かせてゆき、下のほうの咲き終えた花は細長いさやをつけてゆきます。さやがはじけると白い綿毛があらわれ、その根元には一ミリほどの種がついています。ひとつの花序が風にのせてまき散らす種の数は数万個にものぼります。しかもヤナギランは種だけではなく根茎でもふえるので、山火事のあった森の焼け跡はたちまちヤナギランの群生地となってゆきます。
ヤナギランの大群落のピークは約五年間。その後だんだんと数を減らし、次世代の植物たちに場所をゆずり渡すことになります。

私はヤナギランが好きなので、庭をはじめてすぐに数株植えました。数年で庭の一画でヤナギランは小群落をつくりました。そばでみていると花だけでなく細いさやから現れる綿毛も大きな魅力でした。本にロシアでは(昔)枕にしたと書いてあったので、集めて人形の家の座布団につめました。でも綿毛は弾力がないので、できた座布団はぺちゃんこでした。
やがて小群落はだんだんに消えてゆき、それでも20年ちかくたった今でもこうして生えてきて花を咲かせています。ヤナギランが逞しい植物であることのあかしですね。

ヤナギランは火事の焼け跡のようになにもない場所がすきなのですが、庭では木々が木陰をつくっています。
私の部屋の上で大きく枝を広げるナナカマド。ナナカマドの下にいると少しだけ涼しい気がします。
   
   


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