fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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明け六ツ

2012年11月22日 | 日記

 歴史物語を読んでいると、(たいして読んでいるわけではありませんが)「明け六ツ」という時刻がよく出てきます。今のように正確な時計があったわけではないけど、時間という概念はありました。

 明け六つ、暮れ六ツ、というのがその基本。明け六ツというのは、夜明け前、空が少し白々としてきて、明けの明星がまだ見える頃。江戸の人たちの暮らしが始まる時間です。それから日が沈む暮れ六ツの間を等分して、七ツ時、八ツ時などと、数えます。お寺の鐘がそれを知らせてくれていたのですが、私たちが今時計を頼ってすごしているのとは、随分違うことだろうと思います。一時(一時)は、今の一時間ほど、といっても日の出日の入りの時刻が違うわけなので、一時の時間も今の時間に直してみると、ずいぶんとズレがあるはずです。当然ながら、季節によって一刻の間隔がちがってきます。夏は長く、冬は短い。

 明け六ツの時刻も、夏だったら、今の五時前、冬だと、六時すぎくらいでしょうか。(おおざっぱな感覚で言っています。間違えてる部分もあるかもです)

 歴史ものを書くというのは、そういう感覚までとぎすませないといけないのだろうなと、思ったりしている今日この頃です。牛の刻、午の刻、というのは、でもまた違うわけですしね。別の見方をすれば、日が昇ると起きて、沈んだら寝ると、いたってシンプルでもあったともいえます。

 東京の家から明け六ツすぎの空

 東側の道路向こうに、これから新しく家が建ちます。できたときに、大好きなこの明け方の景色が変わってしまうのではと、心配しています。

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  岩手の明け六ツすぎ。タマネギ畑

 降ってきましたよ!

 建物は2つとも作業小屋です。片方は、東京の家より大きいです。