石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(8月21日)

2020-08-21 | 今日のニュース
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(コロナウィルス関連ニュース)
・ロシアのワクチン、サウジ、UAEなど世界5カ国で投与テスト

(石油関連ニュース)
・需要回復にリスク。原油価格下がる。Brent $45.09, WTI $42.62
・OPEC+石油大臣会合、TV会議方式で開催。減産達成率97%。 *
・米Chevron、イラクNassiriya油田開発に参入

*OPECプレスリリース参照。
https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/28.htm

(中東関連ニュース)
・UAE外相、イスラエル国交樹立で語る:大使館はテルアビブに、米国ステルス戦闘機購入の可能性
・イラク首相訪米、トランプ大統領と石油・米軍兵力等について協議

・サウジ国王、オマーン国王と電話会談
・クウェイト:次世代ファンドに歳入の10%を自動的に繰り入れ。 **
・Fitch Rating、オマーンの格付けをBBからBB-に格下げ。 ***
・エジプト初の原発、来年下期に建設開始
・UAE原発、外部送電網に接続開始

**「世界の政府系ファンド(SWF)」参照。
***参考「S&Pソブリン格付け(2020年7月現在)
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BPエネルギー統計2020年版解説シリーズ天然ガス篇 (17)

2020-08-21 | BP統計
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0511BpGas2020.pdf


BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2020」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、
消費量、貿易量及び価格のデータを抜粋して解説したものである。
 *BPホームページ:
http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html

(4) パイプラインによる輸出入(2019年)
2019年のパイプラインによる天然ガスの国別輸出入量は概略以下のとおりである。なおパイプライン貿易では米国とカナダのように相互に輸出入を行っている国がある。例えば2019年に米国はカナダから733億㎥の天然ガスを輸入する一方、カナダとメキシコへ合わせて754億㎥を輸出している。国境をまたぐ多数の天然ガスパイプラインがあるためである。またオランダのようにかつてヨーロッパ一円に天然ガスを輸出していたが、現在ではむしろパイプライン網の中継点としてロシアから輸入した天然ガスを周辺国に再輸出しているケースもある。

(世界のパイプライン貿易の3割近くを握るロシア!)
(4-1)国別輸出量
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G05.pdf 参照)
 パイプラインによる天然ガス輸出が最も多い国はロシアでありその輸出量は2,172億㎥、世界の総輸出量の27%を占めている。ロシアの輸出先はほとんどがヨーロッパ向けである。第2位のノルウェーの輸出量は1,091億㎥(シェア14%)であり、年間輸出量が1千億㎥を超えているのはこの2カ国だけである。両国に次いで輸出量が多いのは3位米国(754億㎥)、4位カナダ(732億㎥)、5位オランダ(382億㎥)、6位トルクメニスタン(316億㎥)、7位カザフスタン(275億㎥)であり、冒頭に述べたように米国とカナダは相互に輸出入を行っている。これら上位7カ国による輸出量は全世界の7割を超えている。

世界第8位、第9位のパイプラインによる輸出国はアルジェリア(267億㎥)及びカタール(215億㎥)であるが、アルジェリアは地中海の海底パイプラインにより西ヨーロッパ諸国に輸出している。カタールはLNGの輸出で世界1位であるが(前項参照)、ドルフィン・パイプラインと呼ばれるパイプラインにより、天然ガス資源の乏しいUAEに発電及び海水淡水化用の燃料として輸出している。

(パイプラインによる天然ガス輸入量トップはドイツ!)
(4-2)国別輸入量
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G06.pdf 参照)
 2019年にパイプラインによる天然ガスの輸入量が最も多かったのはドイツで1,096億㎥であった。これに次ぐのが米国(733億㎥)、イタリア(541億㎥)、メキシコ(508億㎥)、中国(477億㎥)、オランダ(400億㎥)である。ドイツの主たる輸入先はロシア及びノルウェーであり、イタリアはロシア、アルジェリア等から輸入している。英国はかつて天然ガスの輸出国であったが最近では純輸入国に転落しており、パイプラインのほかカタールからのLNG輸入にも踏み切っている。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
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