石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(6/23-6/29)

2024-06-29 | 今週のエネルギー関連新聞発表

6/24 INPEX

子会社との会社分割(簡易吸収分割)及び組織改編に関するお知らせ

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20240624.pdf

 

6/24 ExxonMobil

ExxonMobil adds Air Liquide to world’s largest low-carbon hydrogen project

https://corporate.exxonmobil.com/news/news-releases/2024/0624_exxonmobil-adds-air-liquide-to-worlds-largest-low-carbon-hydrogen-project

 

6/25 ExxonMobil

ExxonMobil and EV battery maker SK On sign MOU regarding U.S. produced Mobil™ Lithium

https://corporate.exxonmobil.com/news/news-releases/2024/0625_exxonmobil-sk-lithium-supply-agreement

 

6/26 ENEOSホールディングス

第14回定時株主総会について

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240626_01_01_1040009.pdf

 

6/26 Saudi Aramco

Aramco and Sempra announce Heads of Agreement for equity and offtake from Port Arthur LNG Phase 2

https://www.aramco.com/en/news-media/news/2024/aramco-and-sempra-announce-heads-of-agreement-for-equity-and-offtake-from-port-arthur-lng-phase-2

 

6/28 JOGMEC

CCS事業化に向けた先進的取り組み~2030年度までのCO2貯留開始に向け、設計作業等について9案件を候補として選定~

https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00191.html

 

6/28 INPEX

ノルウェー王国 PL636鉱区における油ガス層の発見について

https://www.inpex.co.jp/news/2024/20240628.html

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(174)

2024-06-29 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(7

 

174 「アラブの春」の訪れ(3/4)

そのような庶民の絶望感がチュニジアで2010年12月、ある事件を引き起こした。生活のため已む無く路上で野菜を売っていた失業中の一人の青年に対して警察官が当局の許可がないことを理由に商品を没収した。当時のチュニジアの失業率は14%と公表されていたが、実際にはもっと高く、特に青年層では25~30%と言われるひどい状態であった。生活の糧を奪われた青年は市役所前の広場で抗議の焼身自殺を図った。焼身自殺そのものはイスラーム世界でもさほど珍しいことではなく、そのままであれば地元の新聞に小さく扱われただけだったと思われる。

 

しかし偶々通り合わせた市民が一部始終を動画に収めてYouTubeに投稿したため騒ぎが一挙に拡大した。SNSは一端ネット上に掲載されると際限もなく拡がる。事件の一部始終をネットで見た若者たちは直ちに抗議活動に立ち上がり、デモを呼びかけた。デモはたちまち首都チュニスから全国に広がった。デモ隊は23年間にわたるベン・アリ大統領の退陣を求めた。デモ参加者の殆どは生まれた時からずっと同じ大統領である。彼らは「もう沢山だ(ファキーア)!」と叫んだのである。燃え盛る反政府デモに押され、ベン・アリ大統領はわずか1か月後政権を放り出してサウジアラビアに亡命したのであった。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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中東と石油のニュース(6月28日)

2024-06-28 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

 

(中東関連ニュース)

・イラン大統領選、今日投票。2名離脱候補者4名、得票数次第で決選投票も

・アサドシリア大統領、トルコとの関係改善に意欲

・国連、ゴラン高原停戦監視団の業務を延長

・ガザ地区の子供たち餓死の恐れ

・原料ガス不足で操業停止に追い込まれたエジプト化学肥料メーカー

・自動車産業の未来に向けて専門性高める日サ自動車研修所(SJAHI)

・みずほFG、サウジリヤドに中東地域本部設立

・イラン経由のロシア-インド通商回廊で石炭運搬。西欧の経済制裁を回避

 

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政治と経済で決まる世界の男女格差-「男女格差指数」(5完)

2024-06-28 | 世界ランクシリーズ

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0605WrldRank5.pdf

 

(世界ランクシリーズ その5 2024年版)

 

(突如急上昇したUAE、120位前後を上下する日本!)

5.2018~2023年の総合ランクの推移

(図http://rank.maeda1.jp/5-G01.pdf 参照)

 ここでは中東4カ国(UAE、エジプト、サウジアラビア及びイラン)に日本、中国を加えた6カ国の過去5回の世界ランクの推移を検証する。

 

 日本は2022年の116位をピークにして120位前後を上下しており今回は118位であった。また中国の過去5回の順位の推移は、106位(‘20年)→107位(‘21年)→102位(‘22年)→107位(‘23年)→106位と横ばい状態である。

 

 これに対してUAE及びサウジアラビアは世界順位が大幅に改善されている。特にUAEは2020年の120位から‘21年には72位と順位を大きく上げており、その後も70位前後にとどまっている。サウジアラビアも2022年に前年の147位から127位へ20ランクアップしその後も改善の兆しが見られる。エジプトは2021年、2022年は129位までアップしたが、その前後は130位台半ばに終始している。一方、イランは2021年の150位を底に現在は140位台前半にランクされている。

 

追記:各分野のスコアとその配分に若干の問題?

 WEFの男女格差指数では日本のランクが極めて低く、特に先進国の中で最低のランクとスコアであり、しかも明らかな改善の兆しが見えないことはかなりショッキングな内容と言えよう。日本の場合、諸外国に比べて政治分野の男女格差が際立って大きく、また経済分野でも格差の是正が遅れていることはWEFが指摘するまでもなく明らかであり、その点ではWEFの評価に異論を唱えるつもりはない。しかしながら4分野のスコア配分あるいは各分野において一部開発途上の国々がかなり高いスコアを出していることには若干問題があるように見受けられる。

 

 まず各分野のスコアの偏差値がかなり片寄っていることが指摘できる。例えば政治分野は0.972(アイスランド)が最も高く、0.006(バヌアツ)が最も低い。その格差は0.966である。経済分野も政治分野同様スコアの格差が大きい。これに対して健康分野では最高スコア0.980(ブラジル他26カ国)に対し最低スコアは0.938(アゼルバイジャン)であり、格差は0.042に過ぎず、教育分野では格差指数最大の1.000が33カ国にのぼっている。総合順位は各項目を加重平均したものであるため偏差値の大きい政治及び経済分野が全体のスコアと順位に影響を及ぼしているのである。

 

 各分野の国別スコアも問題含みと言えそうである。例えば健康分野の最高スコア0.980を与えられた26カ国の中にはナミビア(因みに同国は総合世界8位)、ボツアナなどアフリカ大陸の国々、あるいはブラジル、ドミニカ、エルサルバドルなどの中南米諸国が入っている。また経済分野では北欧諸国に並んでアフリカのリベリア、ボツアナ、エスワティニなど多くの開発途上国がトップグループに入っており、これらの国の中には独裁政権も混じっている。

 

 スコア算定のデータは国際機関が発表したものも少なくないが、原始データはいずれも各国政府が提供したものである。各国政府が意図的に脚色したデータを提出してもそれを検証することは困難であり、意図的な改ざんは独裁政権では極めてありがちである点を指摘しておきたい。(以上はあくまでも筆者個人の私見であることをお断りしておく。)

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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政治と経済で決まる世界の男女格差-「男女格差指数」(4)

2024-06-27 | 世界ランクシリーズ

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0605WrldRank5.pdf

 

(世界ランクシリーズ その5 2024年版)

 

4.要素別比較(レーダーチャート)

 ここでは8カ国及び世界平均を取り上げ、これらを3グループにわけてそれぞれの総合スコア、経済、教育、健康及び政治の4分野別スコアをレーダーチャートで表してみる。レーダーチャートは最も外側がスコア1.000(つまり男女格差が無い若しくは女性が男性を上回る)を示し最も内側はスコア0.000(即ち男女格差が無限大)である。グラフの実線が外側に広がるほど男女格差が少ないことを示し、また真円に近いほど4分野の男女格差が平均化していることを示している。

 

(際立って高いアイスランドの政治分野のスコア!)

(1)チャート1(アイスランド、米国、世界平均)

(図http://rank.maeda1.jp/5-G02.pdf 参照)

 総合スコアではアイスランドは0.935であり、米国は0.747、世界平均は0.685である。分野別に見ると政治分野はアイスランド0.972、米国0.225、世界平均0.251であり、アイスランドのスコアが際立って高い。経済分野はアイスランド(0.815)と米国(0.765)の格差は小さく、世界平均のスコアは0.605にとどまっている。教育及び健康分野は3者ともスコアが高く有意な差は見られない。

 

(政治分野は印中日、経済分野は中日印の序列!)

(2)チャート2(日本、中国、インド)

(図http://rank.maeda1.jp/5-G03.pdf 参照)

 総合スコアは中国(0.684)、日本(0.663)、インド(0.641)であり、3カ国に大きな差異はない。分野別に見ると政治分野ではインドが0.251と最も高く、次いで中国(0.123)、日本は0.118でありインドとの格差は大きい。経済分野の格差は中国(0.737)、日本(0.568)、インド(0.398)で政治分野以上に格差が大きく、しかも3カ国の中で政治分野トップのインドが経済分野では3カ国中最も低いことが特徴である。教育分野、健康分野はいずれも日本が最も高いが、3カ国のスコアに大きな差は見られない。

 

(教育分野以外でトルコ、エジプトに劣るイラン!)

(3)チャート3(トルコ、エジプト、イラン)

(図http://rank.maeda1.jp/5-G04.pdf 参照)

 中東の三大国トルコ、エジプト及びイランはイスラーム国家と言う共通点を持つが、人種的にはトルコ人、アラブ人、ペルシャ人の違いがあり、また政治・経済体制も異なる。しかし男女格差で見るといずれも世界ランクはトルコ127位、エジプト135位、イラン143位と世界の最低レベルにとどまっている。

 

3カ国を分野別に比較すると、経済分野の男女格差スコアはトルコ(0.507)、エジプト(0.406)、イラン(0.343)でイランのスコアがトルコ及びエジプトを下回っている。政治分野についても同様の傾向が見られ、エジプト(0.176)、トルコ(0.118)に対してイランは(0.031)であり、イランの男女格差が非常に大きい。教育及び健康分野のスコアはいずれも0.96から0.98の範囲である。ただし上記に述べた通りこの2分野は世界平均が0.949及び0.960であるため、3カ国の世界順位は100位前後にとどまっている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(173)

2024-06-27 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(6

 

173 「アラブの春」の訪れ(2/4)

勿論そこには独裁者による巧妙な世論操作もあるが、大統領の多選を禁じた憲法は圧倒的多数で改正され彼は終身大統領となる。こうなれば国家は独裁者の思うままである。彼の権力基盤は盤石となり長期政権が延々と続く。さらに権力の世襲化も起こる。2000年に父親のハフィーズから息子のバシャールに大統領を引き継いだシリアのアサド政権に続き、リビアのカダフィ、そしてエジプトのムバラクも息子に権力を譲ろうと画策した。

 

しかし権力は必ず腐敗するものである。政治社会組織にはほころびが目立ち始め経済は長期低落の罠に落ち込む。人気取り政策でパンやガソリン代、水道電気代は安く抑え込まれるため庶民の日常生活は一見支障のないように見えるが、街には失業者があふれ、庶民は明日の見えない閉塞感に襲われる。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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中東と石油のニュース(6月26日)

2024-06-26 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・石油価格上げ止まる。Brent $85.96, WTI $81.60

(中東関連ニュース)

・イスラエル最高裁、超正統派ユダヤ教徒男子に徴兵義務の判決。内閣崩壊問題に

・6月北京で予定のパレスチナファタハとハマスの和解協議、無期限延期に

・世銀、エジプトに7億ドル借款供与。3年間60億ドルの第一弾

 

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政治と経済で決まる世界の男女格差-「男女格差指数」(3)

2024-06-26 | 世界ランクシリーズ

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0605WrldRank5.pdf

 

(世界ランクシリーズ その5 2024年版)

 

(格差が大きい政治分野、小さい教育分野!)

3.分野別のランクとスコア

(表http://rank.maeda1.jp/5-T02.pdf 参照)

 男女格差指数は(1)経済参画分野、(2)教育分野、(3)健康・寿命分野及び(4)政治参画分野の4つの分野について公表されたデータに基づいて詳細な比較検討が行われている(本稿第1章参照)。本章では第2章で取り上げた国々、すなわち世界の上位5か国及び日本を含む主要各国並びに中東主要国について4分野のスコアと世界ランクを概観する。

 

(1)経済参画分野の男女格差

 総合世界1位のアイスランドはこの分野では世界7位(スコア0.815)である。因みにこの分野のトップはリベリア(同0.874)であり、その他上位陣にはボツワナ、バルバドス、エスワティニなどアフリカやカリブ海の小国が入っている。米国は22位(同0.765)、英国は58位であるが、日中韓印のアジア4か国は、中国の39位(同0.737)が最も高く、韓国112位、日本120位、インド142位である。

 

(2)教育分野の男女格差

 WEFが各国の統計値をもとに判断した教育分野の男女格差は世界的に極めて小さい。即ち米国、英国、イスラエルのスコアは1.000であり男女格差が無い。格差指数は1.000が上限であり、国によっては1を超える(即ち女性と男性の逆格差)ケースもあり、教育格差指数1.000は146か国中28か国に達する。また146カ国中の半数を超える88カ国の格差指数が0.990以上である。

 

 日本のスコアは0.993でありトップ(1.000)との格差は0.007にすぎないが、世界ランクは68位である。中国はスコア0.934で世界127位である。中東諸国ではイスラエルがスコア1.000で世界1位グループに入っている。その他UAEは世界52位(スコア0.996)、サウジアラビア62位(同0.994)であり、エジプト、イランは世界100位以下である。但し世界110位のエジプトのスコアは0.966でUAEと比べスコアの格差はさほど大きくない。

 

(3)健康・寿命分野の男女格差

 世界1位のスコアは0.980で、ブラジル、ハンガリー、スリランカなど26カ国が並んでいる。スコアがわずか0.007しか違わない日本(スコア0.973)は世界順位が56位とされている。中国(スコア0.940)はこの分野最下位のアゼルバイジャン(同0.938)に次ぐ低いランクにとどまっている。トップと世界最下位のスコアの差は0.046で、この格差の中に146か国がひしめいており、わずかなスコアの差がランク上の大きな差となって表れている。

 

 留意すべきは健康・寿命格差は各国の医療福祉水準の良し悪しを比較したものではなく、あくまでも当該国において医療福祉にアクセスする場合の男女の格差を示したものである。先進国、発展途上国を問わず一般に女性の平均寿命が男性よりも長いことは事実であり、指数化して比較すると一見男女格差が無いように見える点に注意すべきであろう。

 

(4)政治参画分野の男女格差

 この分野の世界1位はアイスランドで同国のスコアは0.972である。これに続く世界2位はノルウェーであるが、同国のスコアは0.746でありアイスランドと大きな開きがある。3位、4位はそれぞれフィンランド、ニュージーランドであり総合順位とほぼ同じである。

 

日本はスコア0.118、世界順位113位であり、スコア0.251の米国、インド (共に世界63位)にはるかに及ばず、韓国(72位)、中国(111位)とも大きな差がある。中東諸国と比べても日本はUAE(39位)、エジプト(89位)と大きな差があり、トルコと同じ順位である。

 

政治の男女格差は女性国会議員数、閣僚数、或いは過去50年間の女性元首(首相等)の在任期間でランク付けされているため全体的に各国ともスコアが低く、また同じ先進国でもヨーロッパに比べ日米のランクが低い結果となっている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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政治と経済で決まる世界の男女格差-「男女格差指数」(2)

2024-06-25 | 世界ランクシリーズ

(世界ランクシリーズ その5 2024年版)

 

(北欧諸国がトップ独占、前年より少しアップした日本!)

2.2024年の男女格差指数世界ランク

(表http://rank.maeda1.jp/5-T01.pdf 参照)

 2024年の世界男女格差ランクのトップ(即ち男女の格差が最も少ない国)は昨年に引き続きアイスランドである。同国の格差指数は0.935で昨年の0.912より向上している。これに続く2、3位はフィンランドとノルウェーが同スコア0.875で並んでいる。ニュージーランドが4位(同0.835)、5位はスウェーデン(同0.816)がランクされている。上位5か国の顔触れは変わらず、うち4カ国は北欧諸国である。

 

 日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、英国は14位(スコア0.789)、米国は43位(同0.747)である。一方アジアの主要な国のランクは韓国の94位(同0.696)をはじめ中国106位(同0.684)、日本118位(同0.663)である。日中韓3か国はいずれも去年より順位を上げているが、中でも韓国は昨年の105位から94位と大幅にアップし唯一100位以内に入っている。インドは129位(同0.641)であり、日本は中国とインドの中間に位置している。

 

 中東の主要国では、UAEの世界74位(スコア0.713)がトップであり、イスラエルが91位(同0.699)でこれに続いている。両国はいずれも前年より順位、スコア共に悪化している。特にイスラエルは順位を83位から91位に下げている。その他の中東諸国はいずれも世界ランク100位以下であり、サウジアラビア126位、トルコ127位、エジプト135位が130位前後で並んでいる。イランは146か国中のほぼ最低ランクの143位(スコア0.576)にとどまっている。世界最下位の146位はスーダン(スコア0.568)であり中東北アフリカ諸国は男女格差が極めて大きい。

 

(続く)

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(172)

2024-06-25 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(5

 

172 「アラブの春」の訪れ(1/4)

イラクのフセイン政権崩壊後もアラブ諸国の多くは強権的な独裁国家或いは世襲の君主制国家のままであり、西欧型の民主主義国家と言えば北アフリカのアルジェリア、中東のレバノン及び米国によってフセイン政権が叩きのめされ民主化にもがいていたイラクだけと言っても過言ではなかった。リビアのカダフィ政権、シリアのアサド政権、イエメンのサーレハ政権、エジプトのムバラク政権、チュニジアのベン・アリ政権はそれぞれ30年前後もの間独裁政権を続けていた。

 

独裁者は大衆の心をつかむのがうまい。多くの場合独裁者は国家が乱れ国民が社会的経済的な混乱に右往左往している時に颯爽と登場する。混乱に倦み疲れた国民は彼が独裁者であると薄々わかっていながらも、社会に安定をもたらしてくれることを期待する。独裁者は強権的な手法で社会に秩序を打ち立て、さらに人気取りのポピュリズム政策で大衆の心をしっかりとつかむ。国民は熱狂して彼を支持し指導者として終生とどまることを求める。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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