石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2024年版解説シリーズ(6)天然ガス3

2024-07-18 | EIエネルギー統計

 

II. 天然ガス

1.世界の消費量

(世界の天然ガスの22%を消費する米国!)

(1)2023年の国別消費量  (表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-T01b.pdf参照)

 2023年の世界の天然ガス消費量は4兆102億立法メートル(㎥)であり前年(2022年)比では横ばいである。

 

 天然ガスの最大の消費国は米国であり、消費量は8,865億㎥、世界全体の22%を占める。同国は石油消費量も世界1位でありエネルギー消費大国である。2位はロシアの4,534億㎥、3位は中国の4,048億㎥である。これら3か国の世界シェア合計は44%に達する。4位はイラン、5位はカナダであり、6位サウジアラビア、7位メキシコに続いて8位を日本が占めている。9位、10位はドイツ及びUAEであり、上位10カ国が世界全体の消費量に占める割合は64%に達する。

 

 これら上位10カ国の顔触れを石油の消費国順位と比較すると、米国、ロシア、中国、カナダ、サウジアラビア及び日本の6カ国は両方に顔を出しているが、イラン、カナダ、メキシコ及びドイツは石油消費の上位10傑に入っていない。

 

(1970年以降の半世紀で消費量4倍に急成長!)

(2) 1970~2023年の消費量の推移(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G02b.pdf参照)

 1970年に9,600億㎥であった天然ガスの消費量はその後1992年に2兆㎥、2008年には3兆㎥の大台を超え、2021年に4兆㎥を超え2023年の消費量は4兆102億㎥に達している。1970年から2023年までの間で消費量が前年度を下回ったのは1997年、2009年、2020年及び2022年の4回であり、53年間の増加率は4倍を超えている。

 

石油の場合は第二次オイルショック後の1980年から数年間にわたり急激に消費量が減った例に見られるように、価格が高騰すると需要が減退すると言う市場商品としての現象が見られる。天然ガスの場合は輸送方式がパイプラインであれば生産国と消費国が直結しており、またLNGの場合もこれまでのところ長期契約の直売方式が主流である。そして天然ガスは一旦流通網が整備されると長期かつ安定的に需要が伸びる傾向がある。これに加え最近では地球環境問題の観点からCO2排出量の少ない天然ガスの需要が増加している。この結果天然ガス消費量は石油の2倍のスピードで増加している。

 

(4千億㎥を超えた中国、1千億㎥を割った日本!)

(3) 米国、中国、日本、インド4カ国の過去10年間の消費量推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03b.pdf参照)

米国(2023年の天然ガス消費量世界1位)、中国(同3位)、日本(同8位)及びインド(同12位)の2014年から2023年までの消費量の推移を見ると、2014年は米国が7,223億立方メートル(㎥)、次いで中国が1,884億㎥、日本1,248億㎥、インド485億㎥であり、米国とその他3カ国の格差は4倍以上であった。その後中国の消費量は急ピッチで増加、2016年には2千億㎥、2019年には3千億㎥を突破、2023年の消費量は4,048億㎥を記録し、米国との格差は2倍程度まで縮まっている。

 

 一方、日本の消費量は2014年の1,248億㎥が過去10年間の最高であり、その後は年々減少、2023年には924億㎥と1千億㎥を切り、中国の4分の1以下、米国の10分の1程度に縮小している。インドは2014年の消費量485億㎥に対し2023年は626億㎥であり過去10年間に1.3倍増加している。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2024年版解説シリーズ(5)天然ガス2

2024-07-17 | EIエネルギー統計

II. 天然ガス

1.世界の生産量(続き)

(トップを独走する米国!)

(3)主要国の2014~2023年の生産量推移(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-G03b.pdf参照)

 2014年から2023年までの天然ガス生産量の推移について、ここでは2023年世界1位、2位、3位の米国、ロシア及びイランに加え、同6位カタール、7位オーストラリアの5カ国の動きを見る。

 

 2014年の米国とロシアの天然ガス生産量はそれぞれ7,047億㎥及び5,912億㎥であり米国がロシアを19%上回っていた。米国ではシェールガス開発が軌道に乗り生産量が急増、低迷するロシアをしり目に両国の格差は2017年以降急速に拡大している。2020年の生産量はロシアの6,384億㎥に対し米国は1.5倍近い9,248億㎥であった。更に2022年及び2023年はウクライナ紛争による西欧諸国の輸入制限によりロシアの天然ガス生産量が急減した。2023年の生産量は米国が1兆㎥を超え、一方ロシアは10年前の2014年を下回る5,864億㎥にとどまっている。

 

 カタールとイランの生産量は2015年までほとんど同じであった。LNG輸出中心のカタールは2010年までにLNG年産7,700万トン体制を整え、長期契約により世界のLNG市場をリードしているが、供給過剰を回避するため新規設備投資を凍結する「モラトリアム体制」を取った。このため2010年代を通じて生産量はほとんど増えていない。これに対して1億人近い人口を抱えるイランは国内のエネルギー消費を賄うため天然ガスの生産を高めた。この結果2023年の生産量はイランの2,517億㎥に対しカタールは1,810億㎥にとどまり、2014年に比べるとイランは1.4倍増加したのに対し、カタールは1.1倍の増加にとどまっている[1]

 

 カタールの生産量が停滞している間に意欲的な増産に取り組んだのがオーストラリアである。同国の2014年の生産量は653億㎥でありカタールの4割にとどまっていたが、2023年には1,517億㎥に拡大しカタールに迫っている。

 

(続く)

 

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[1] 現在、カタールは「設備増強モラトリアム宣言」を撤回し、年産1億2千万トンを目指して設備の増強に着手、LNG輸出市場での主導権を回復しようとしている。

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2024年版解説シリーズ(4)天然ガス1

2024-07-15 | EIエネルギー統計

II. 天然ガス

1.世界の生産量

(シェールガス開発で伸びる米国、欧米の経済制裁で激減するロシア!)

(1) 2023年の国別生産量 (表http://bpdatabase.maeda1.jp/2-T01b.pdf参照)

 2023年の世界の天然ガス生産量は年産4兆592億立法メートル(㎥)であり、前年(2022年)を若干上回っている。最大の生産国は米国であり、年産量は1兆353億㎥、世界全体の4分の1を占めている。同国は石油生産量も世界1位であり(I.1.(1)参照)、エネルギー生産大国である。2位はロシアの5,864億㎥で、米露2か国だけで世界シェアは4割に達する。ロシアの生産量は前年を5.2%下回っているが、これはウクライナ戦争をめぐる欧米の経済制裁によりヨーロッパ向けのパイプラインによる輸出がストップしているためである。

 

3位はイラン、4位中国で5位カナダ、6位はLNG輸出大国カタールである。7位から10位までの生産国を列挙すると、オーストラリア、ノルウェー、サウジアラビア及びアルジェリアの各国である。

 

 これら上位10カ国の顔触れを石油と比較すると、米国、ロシア、イラン、中国、カナダ、サウジアラビアの6カ国は両方に顔を出しているが、カタール、オーストラリア、ノルウェー及びアルジェリアの4カ国は石油生産上位10カ国に入っていない(同様に石油生産上位10カ国のうちイラク、UAE、ブラジル及びクウェイトの4カ国は天然ガス生産上位10カ国に入っていない)。これは各国に存在する油田あるいはガス田の地質構造上の違いによるもので、ごく大まかにいえばカタール、オーストラリア、アルジェリアなどはガス単体のいわゆるドライガス田が多く、一方、イラク、UAE、クウェイトなどはガスと原油が一緒に生産されるウェットガス田であり、天然ガスが原油の生産に左右されるためである。

 

(50年間で4倍になった天然ガス生産!)

(2) 1970~2023年の生産量の推移 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-G02b.pdf参照)

 1970年の世界の天然ガス生産量は9,800億㎥であった。その後半世紀の間生産量は毎年大きく増加し、2023年には1970年の4.1倍の4兆600億㎥に達している。この間、前年比でマイナスになったのは1997年、2009年及び2020年の3回だけである。

 

 年間生産量が1兆㎥を超えたのは1971年であるが、その後は5~7%の成長を続け20年後の1992年に2兆㎥に達した。その後、増加のスピードは加速し、年産3兆㎥を達成したのは16年後の2008年であった。そして2021年には4兆㎥を超えている。

 

(続く)

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2024年版解説シリーズ(3)石油3

2024-07-12 | EIエネルギー統計

I.石油(続き)

3.石油精製能力

(拮抗する米国と中国の石油精製能力!)

(1) 2023年の国別石油精製能力 

(表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-T01d.pdf参照)

 2023年の世界の石油精製能力は1億350万B/Dである。国別で精製能力が最も高いのは中国の1,848万B/Dであり、米国は中国よりほんのわずかに少ない1,843万B/Dである。両国はそれぞれ世界全体の精製能力の18%弱を占めている。両国に次いで高い精製能力を保有しているのはロシアである。ロシアは678万B/Dの能力を有しているが米国、中国の3分の1程度にとどまっている。

 

 世界4位はインド(509万B/D)、5位韓国(336万B/D)、6位サウジアラビア(329万B/D)であり、7位に日本(307万B/D)がランクされている。8位、9位及び10位の各国とその精製能力は以下のとおりである。

 

 8位イラン(260万B/D)、9位ブラジル(229万B/D)、10位ドイツ(208万B/D)。

 

(ついにトップに躍り出た中国!)

(3) 米国、中国、日本、韓国、インド5カ国の過去10年間の精製能力推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03d.pdf参照)

 米国とアジア4カ国(日、中、韓、印)の 2014年から2023年まで10年間の石油精製能力の推移を追う。

 

 2014年の米国の精製能力は1,797万B/Dであり、中国1,525万B/D、インド万B/D、日本375万B/D及び韓国372万B/Dであった。米国は2019年に1,897万B/Dのピークに達したが、2021年には精製能力は100万B/D削減され1,794万B/Dとなり、2023年は1,843万B/Dまで回復した。

 

 これに対し中国の精製能力は2016年を底にその後は急激に能力を高め、2019年には1,600万B/D、2022年に1,700万B/D台へと増加のスピードが上がり、米国との格差が縮小した。そして2023年には1,848万B/Dとなりついに米国を上回る精製能力を確保している。

 

 日本と韓国とインドの3か国を比較すると、2014年はインドの精製能力は432万B/Dですでに日本(375万B/D)を上回っており、韓国の精製能力は日本を60万B/D強下回っていた。過去10年間を通して見ると、日本は一貫して減少しており、2023年の精製能力は300万B/Dをわずかに超える307万B/Dにとどまっている。

 

一方、韓国は2019年までは精製能力が拡大し続け日本を追い抜いた。ここ数年は横ばい状態であるが、2023年の精製能力は336万B/Dで、世界第5位に位置付けられている。インドは日本と逆に過去10年間継続して精製能力が増強しており、2023年の同国の能力は509万B/Dに達している。

 

(続く)

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2024年版解説シリーズ(2)石油2

2024-07-11 | EIエネルギー統計

I.石油(続き)

2.世界の消費量

(全世界の石油消費量が初めて1億B/Dを突破!)

(1) 2023年の国別消費量 (表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-T01a.pdf参照)

 2023年の世界の石油消費量は1億22万B/Dであり、史上初めて1億B/Dを突破した。国別で石油消費量が最も多いのは米国の1,898万B/Dであり、世界全体の19%を占めている。これに次ぐのが中国の1,658万B/D、シェア17%である。消費量が1千万B/Dを超えるのはこの2カ国だけであり、3位インド(545万B/D)と比べると米国は3.5倍、中国は3倍の消費量を誇っている。米国と中国は石油の爆食国であると言えよう。

 

 世界4位はサウジアラビア(405万B/D)、5位ロシア(364万B/D)、6位日本(337万B/D)である。7位から10位までの各国の順位と消費量は以下のとおりである。

 

 7位韓国(280万B/D)、8位ブラジル(257万B/D)、9位カナダ(235万B/D)、10位メキシコ(196万B/D)。

 

(1970年の消費量5千万B/D弱が半世紀後の2023年には1億B/D超える!)

(2) 1970~2023年の消費量の推移(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G02a.pdf参照)

1970年の全世界の石油消費量は4,570万B/Dであったが、2年後の1972年に5千万B/D台に、そして1977年には6千万B/D台を超える急増ぶりであった。その後1980年代は横ばい状態であったが、1990年以降再び増加に勢いがつき、1995年に7千万B/D、2004年に8千万B/D、2014年に9千万B/Dを突破、ほぼ10年毎に1千万B/D増加した。2020年はコロナ禍の影響で消費が急減したが、2023年は1億B/Dを突破している。

 

(日本を追い抜き格差広げるインド!)

(3) 米国、中国、日本、インド4カ国の過去10年間の消費量推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03a.pdf参照)

 2023年の石油消費量が世界1位から3位までの米国、中国、インド及び世界6位の日本の4カ国について2014年から2023年まで10年間の石油消費量の推移を追う。

 

 2014年の米国の消費量は1,811万B/Dであり、中国1,102万B/D、日本438万B/D及びインド387万B/Dであった。米国は2019年に1,942万B/Dのピークに達したが、2020年はコロナ禍のため1,718万B/D強に急減した。2023年の消費量は1,898万B/Dであり、ほぼコロナ禍前の水準まで回復している。

 

 これに対し中国の消費量は2014年以降昨年まで一本調子で増加している。即ち、2014年は1,102万B/Dであったが、2017年には1,300万B/Dを突破、さらに2019年には1,432万B/Dとなり、コロナ禍の間も横ばいを維持し、2023年の消費量は過去最大の1,658万B/Dに達した。10年前には米国と中国の消費量の差は700万B/Dであったが、10年後には240万B/Dまで格差が縮小している。

 

 日本の消費量は過去10年間ほぼ一貫して減少しており、2014年には米国、中国に次いで世界3位であったが、2015年にはインドに追い抜かれ世界4位に転落した。その後さらにサウジアラビア及びロシアにも追い抜かれ、昨年の消費量は世界6位の337万B/Dであった。

 

 日本とは逆にインドはコロナ禍の2020年21年を除き消費量は増え続けている。2014年の同国の石油消費量は386万B/Dであったが、2023年には1.4倍の545万B/Dに達している。日本の場合は2023年は2014年の0.8倍であり、10年間で2割減少しており、インドと対照的である。

 

(続く)

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2024年版解説シリーズ(1)石油1

2024-07-10 | EIエネルギー統計

ロンドンに本社を置くEnergy Institute (以下EI)が2024年世界エネルギー統計(Statistical Review of World Energy 2024)を発表した。

*HP:https://www.energyinst.org/statistical-review

 

因みにEIはエネルギー関連分野のエンジニアやその他の専門家のための専門組織であり、2003 年に石油協会とエネルギー協会が合併して設立され、約 20,000 人と 200 社の国際会員がいる(ウィキペディアより)。本統計は2022年まで国際石油企業bp社が発表してきた世界エネルギー統計(bp Statistical Review of World Energy)をそっくり引き継いだものである。

 

以下は同レポートの中から世界のエネルギーの生産量、消費量、貿易量等について石油及び天然ガスを中心として解説したものである。

 

なお2022年以前のbpエネルギー統計については下記をご参照ください。

http://mylibrary.maeda1.jp/BPstatistics.html

 

I.石油

1.世界の生産量

(1千万B/Dを超える米国、サウジアラビア、ロシア!)

(1) 2023年の国別生産量(表http://bpdatabase.maeda1.jp/2-T01a.pdf参照)

 2023年の世界の石油生産量は9,626万B/Dであり、前年の9,441万B/Dを2%上回った。国別では米国が最も多く1,936万B/Dであり、これは全世界の生産量の20%を占め突出している。これに次ぐのがサウジアラビアの1,139万B/D、ロシア1,108万B/Dで共に全世界の12%近くを占めているが米国の半分強にとどまっている。前年と比較すると米国が8.5%増加したのに対して、サウジアラビアとロシアはOPEC+(プラス)の協調減産方針に基づき前年を下回る生産量にとどまっている。生産量が1千万B/Dを超えるのはこの3カ国だけであり、3カ国の世界生産に占める割合は43%に達している。

 

 世界4位のカナダから10位クウェイトまでの各国の順位と生産量は以下のとおりである。

 4位カナダ(565万B/D)、5位イラン(466万B/D)、6位イラク(436万B/D)、7位中国(420万B/D)、8位UAE(392万B/D)、9位ブラジル(350万B/D)、10位クウェイト(291万B/D)。

 

(50年間で2倍に増えた石油生産量!)

(2) 1970~2023年の生産量の推移(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-G02a.pdf参照)

 1970年に4,800万B/Dであった石油の生産量は1980年には6,300万B/Dに増加した。1980年代前半は価格高騰のため需要が減少、生産量も減少を余儀なくされたが、1985年以降再び成長軌道に乗り2004年には8千万B/Dを、また2015年には9千万B/Dを突破し2019年には9,500万B/Dに達した。2020-22年は新型コロナウィルス禍のため経済活動が低迷、石油需要も大幅に減退したため、生産量は9千万B/D前後まで低下した。しかし2023年の生産量は9,626万B/Dと新型コロナ禍以前の水準を超えるまでに回復している。

 

(シェールオイル開発で米国が驚異的な生産増!)

(3)主要国の過去10年間の生産量の推移(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-G03a.pdf参照)

 ここでは石油生産量が世界1~3位の米国、サウジアラビア、ロシアに加え、米国の経済制裁のため石油輸出に苦しむ世界5位のイラン及び世界8、9位のUAE、ブラジルの6カ国について過去10年間の生産量の推移を検証する。

 

 2014年の石油生産量は米国が1,181万B/Dと最も多く、サウジアラビアが僅差の1,152万B/Dで続き、ロシアも1千万B/Dを超える生産量であった。これに対しイランは371万B/D、UAE 359万B/D、ブラジルは234万B/Dであった。

 

 この後シェールオイルの生産を本格化させた米国は2017年以降加速度的に増産し、世界一の石油生産国の座を確固たるものとしている。これに対し石油歳入に頼るサウジアラビアとロシアは石油価格の高値維持を狙い、OPEC+(プラス)として協調減産体制をとった結果、生産量は長期にわたり停滞している。

 

 イランは2015年まで400万B/Dを下回るレベルで推移した。その後2017年には494万B/Dまで回復したが、2020年には大きく減退し(323万B/D)、過去10年間では最も低い生産量となった。これは米国の経済制裁とコロナ禍の影響が重なったためである。コロナ禍が終息した2023年の生産量は466万B/Dまで回復、コロナ禍前の水準に戻った。イランはOPEC+の協調減産の対象外であり、さらに欧米の禁輸制裁措置をかいくぐり、中国、インドなどへの輸出が伸びていることが生産増の要因である。

 

 UAEの2014年の生産量は359万B/Dでイランとほぼ同じである。このような状況は10年間続いており、2016年から2018年まではイランがUAEを上回り、2019年から2022年まではUAEがイランを上回っている。しかし2023年はUAEの生産量392万B/Dに対し、上記の通りイランの生産量は466万B/Dに達し再びイランがUAEを追い越している。

 

 ブラジルは深海油田の開発が軌道に乗り、2014年以降生産量が順調に増加した。即ち2014年に234万B/Dであった同国の石油生産量は、2020年には他の産油国が新型コロナ禍の影響で生産が減少した中で唯一前年を上回り300万B/Dの大台を突破した。そして2023年には過去10年間で最高の350万B/Dにアップ、10年前に比べ120万B/D増加している。

 

(続く)

 

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2023年版解説シリーズ(14)ガス価格 (完)

2023-08-26 | EIエネルギー統計

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0585EiWorldEnergy2023.pdf

 

5.天然ガス価格

(原油価格連動型の日韓価格とスポット調達中心の英独価格の明暗!)

(2)2013年~2022年の天然ガス価格の推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/6-G01b1.pdf 参照)

 天然ガスの取引価格には通常US$ per million BTU(百万BTU当たりのドル価格)と呼ばれる単位が使われている。BTUとはBritish Thermal Unitの略であり、およそ252カロリー、天然ガス25㎥に相当する[1]

 

 市場の自由取引にゆだねられた商品は一般的には価格が一本化されるが(一物一価の法則)、天然ガスについては歴史的経緯により現在大きく分けて三つの価格帯がある。LNGを輸入する日本や韓国では原油価格にスライドして決定されている。巨額の初期投資を必要とするLNG事業では販売者(カタール・オーストラリアなどのガス開発事業者)と購入者(日本の商社、電力・ガス会社などのユーザー)の間で20年以上の長期安定的な契約を締結することが普通である。この場合価格も両者間で決定されるが、その指標として原油価格が使われているのである。

 

 これに対してヨーロッパでは供給者(ロシア、ノルウェー、アルジェリアなど)と消費者(ヨーロッパ各国)がそれぞれ複数あり、パイプライン事業者を介して天然ガスが取引されており、EU独自の価格体系が形成されている。また完全な自由競争である米国では天然ガス価格は独立した多数の供給者と需要家が市場を介して取引をしており需給バランスにより変動する市況価格として形成される。

 

 ここではJapan Korea Marker価格[2](以下日韓価格)、英国Heren NBP index価格(以下英国価格)、ドイツ平均輸入価格(以下ドイツ価格)及び米国Henry Hub価格(以下米国価格)について2013年から2022年までの推移を比較することとする。なお参考までに原油価格(ドル/バレル)も合わせて比較の対象とした。

 

 2013年の日韓価格は16.56ドル、英国価格10.64ドル、ドイツ価格10.73ドル、米国価格3.71ドルであり、当時の原油価格は108.66ドルであった。米国価格が最も低く、英国価格、ドイツ価格が10ドル台後半で、日韓価格が最も高かった。

 

 2014年から2016年にかけては原油価格が暴落したため、2016年のガス価格はいずれも大幅に下落した。中でも日韓価格は大きく下がり、2015年に7.45ドルと前年の2分の1近くになり、ドイツ価格(6.72ドル)あるいは英国価格(6.53ドル)との格差は縮まった。その後2017年、18年と原油価格は連続して上昇、日韓価格とドイツあるいは英国価格との格差は再び広まったが、コロナ禍の影響で2019及び20年に原油価格が下落すると、米国以外の価格も再び急落した。しかし、コロナ禍の終息、環境問題による天然ガスの需要増にウクライナ紛争が加わり、2022年には過去10年では例を見ないほど天然ガス価格が急騰している。

 

 2022年の日韓価格は34ドルに達し2013年の2倍以上に高騰している。またドイツ価格、英国価格も25ドル前後と10年前の2.4倍に達している。日韓価格を1とした場合、ヨーロッパの価格は0.7倍程度である。

 

 米国価格は2021年までは2ドル乃至4ドルの幅で安定していた。しかし2022年は6.45ドルと大幅に上昇、世界的なLNG争奪競争の影響が出ている。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[1] 東京ガスHPhttp://www.tokyo-gas.co.jp/IR/library/pdf/investor/ig1000.pdfより。 

[2] S&P Global社が北東アジア向けスポットLNGカーゴの価格を入着ベースで評価、発表しているLNG価格指標。(日本取引所グループJPXのHPより)

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2023年版解説シリーズ(13)LNG貿易2

2023-08-25 | EIエネルギー統計

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0585EiWorldEnergy2023.pdf

 

(2) LNG貿易(続き)

(輸出トップを競うカタール、豪、米3カ国!)

(5-4) 2013年~2022年の国別輸出量の推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-G02b.pdf参照)

2013年に3,268億㎥であったLNGの輸出量は、2015年までは停滞したが2017年以降増勢に転じ、2018年には4,300億㎥に達し、2021年には5千億㎥を突破、2022年の全世界の輸出量は5,424億㎥、2013年の1.7倍を記録している。

 

国別で見ると2013年当時はカタールの輸出量が1,058億㎥で、世界で唯一1千億㎥を超え、全世界の3分の1を占めていた。カタールに次ぐのがマレーシア(336億㎥)であり、第3位はオーストラリア(305億㎥)であった。ちなみにこの年の米国のLNG輸出量は2億㎥に過ぎなかった。

 

カタールは過去10年以上にわたり設備増強を凍結(モラトリアム)したため輸出量はほとんど増加していない。これに対してオーストラリアと米国は輸出が急増した。オーストラリアは2019年に1千億㎥の輸出体制を整え、2022年の輸出量は1,123億㎥に達し首位のカタールを急追している。オーストラリアをしのぐ勢いでLNG輸出大国の仲間入りをしたのが米国である。同国ではシェールガスの開発が急速に発展し、福島原発事故によるLNGの突発的需要増もあり設備はフル稼働の状況となった。

 

この結果、国別輸出シェアにも大きな変化が見られる。すなわちカタールは2013年のシェア32%をピークに毎年シェアは下降し、2021年は21%にとどまっている。一方オーストラリアのシェアは2013年の9%から2022年にはカタールと並ぶ21%までアップし、また米国は2013年の0.1%から2022年には19%と劇的に上昇している。

 

ロシアは2013年に145億㎥を輸出、2020年には400億㎥を超え、8.5%の世界シェアを獲得している。しかしウクライナ紛争による欧米の経済制裁のため2021年、22年と連続して世界シェアは落ちている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2023年版解説シリーズ(12)LNG貿易1

2023-08-23 | EIエネルギー統計

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0585EiWorldEnergy2023.pdf

 

4. LNG貿易

(2017年以降急成長するLNG貿易!)

(4-1) 2013年~2022年の国別輸入量の推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-G02a.pdf 参照)

 世界全体のLNG輸入量は2013年の3,268億㎥から2022年には1.7倍の5,424億㎥に増加している。2020年までは日本が輸入量世界一であり、2014年には10年間では最高の1,218億㎥のLNGが輸入されている。これは原発の運転停止のため火力発電用LNGの輸入が急増したことが主な要因である。しかし2015年以降はほぼ一貫して前年を下回っており、2022年には1千億㎥を切り(983億㎥)、2013年の8割にとどまっている。

 

一方、中国は毎年大きく増加しており、2013年の251億㎥が2021年1,099億㎥に増加、ついに日本を抜いて世界一のLNG輸入国になっている。2022年の輸入量は日本983億㎥に対し中国は932億㎥であり、日本がトップに返り咲いたが、世界景気が本格的に回復すれば今後は中国が世界最大のLNG輸入国になることは間違いないであろう。

 

日本、中国に次いで輸入量が多いのは韓国であり、4位フランス、5位スペイン、6位インド、7位台湾の順である。なお2013年から2021年まではインド、台湾が韓国に次ぐLNG輸入国であったが、2022年はフランス、スペインの輸入量が急増し順位に変動が生まれている。ウクライナ紛争のためロシアからのパイプラインによる天然ガス輸入が途絶し、その対応としてLNGの緊急輸入に踏み切ったことが最大の要因である。

 

上位3カ国はすべて極東アジアであり、その輸入シェアは47%に達している。LNGは輸出国の液化搬出装置及び輸入国の搬入ガス化装置に巨額の投資が必要であり、輸出入は一部の国に限定されている。但し最近では地球温暖化問題が重視され、石油より二酸化炭素排出量が少ない天然ガスの需要が増加、さらに今春のロシアのウクライナ侵攻によりLNG輸入を始めるヨーロッパ諸国が増えている。この結果、世界的にLNG争奪戦の様相を見せている。

 

(続く)

 

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EI世界エネルギー統計(旧BP統計)2023年版解説シリーズ(11)生消ギャップ2

2023-08-22 | EIエネルギー統計

3.主要国の石油・天然ガスの生産・消費ギャップと自給率(続き)

(3-2) 天然ガス

(輸出余力2千億㎥超すロシア、年々高まるオーストラリア及び米国の余力!)

(i)主要国の生産・消費ギャップ

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/4-G01b.pdf参照)

 2013年におけるロシアの天然ガス生産量は6,145億㎥、消費量は4,249億㎥で、生産が消費を1,896億㎥万B/D上回っていた。カナダ、オーストラリアはロシアほど多くはないがやはり生産量が消費量を465億㎥及び256億㎥上回っていた。

 

 これに対して米国は生産量6,557億㎥、消費量7,070億㎥で、差引▲513億㎥を隣国カナダから輸入していた。中国及びインドも天然ガスの純輸入国であり、中国は▲501億㎥、インドは▲179億㎥それぞれ消費が生産を上回っていた。

 

 その後2022年までロシア、カナダ、オーストラリアは引き続き生産が消費を上回っている。このうちオーストラリアは生産が急拡大し、2022年の生産量は2013年の2.5倍、1,528億㎥に達した。この結果、オーストラリアの生産余力は2013年の4.3倍に拡大している。

 

2013年当時純輸入国であった米国、中国及びインドのその後の推移は対照的である。米国の改善が顕著であるのに対して、中国とインドは生産・消費ギャップが拡大している。米国は2013年に▲513億㎥であったギャップが年々縮小し、2017年にはついに生産が消費を上回り純輸出国に変わっている。さらに2019年にはカナダを上回る生産余力のある国になり、2022年の生産・消費ギャップはプラス974億㎥に達している。一方の中国とインドは逆にギャップが年々拡大し、2022年は中国が▲1,539億㎥(生産2,218億㎥、消費3,757億㎥)、インドが▲284億㎥(生産298億㎥、消費582億㎥)になっている。

 

(自給率100%以下だった米国と中国が2022年には111%と59%に二極化!)

(ii)米国・中国・インドの自給率

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/4-G02b.pdf参照)

 生産量を消費量で割った自給率について米国、中国及びインドの2013年以降の推移を見ると、まず2013年の自給率は米国93%、中国71%、インド63%であった。即ち米国は1割、中国は3割、そしてインドは4割を輸入に依存していたことになる。中国とインドはその後年々自給率が低下し、2022年には中国は59%、インドは51%に下がり、両国とも必要量の半分近くを輸入に頼っている。

 

これに対して米国の自給率は改善を続け、2017年には自給率100%を達成した。その後も生産の増加が消費のペースを上回り、2022年には111%となり、天然ガスの輸出国に変身している。前項の石油で触れた通り、米国の2022年の石油自給率は93%である。かつて米国は不足する石油と天然ガスを中東産油国とカナダ、ベネズエラに依存していたが、エネルギー安全保障の面からも米国は外国に依存しない強い国家に変身したと言えよう。

 

(2005年の自給率50%が2022年は101%に!)

(iii)米国の石油と天然ガスの自給率(1970~2022年)

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/4-G03.pdf参照)

 1970年以降2022年までの半世紀強にわたる米国の石油・天然ガス自給率の推移を見ると、50年前の自給率は石油が77%、天然ガスは99%であり、石油と天然ガスを併せた自給率は86%であった。この当時米国では天然ガスはほぼ自給体制であり、石油の2割強を輸入に依存していた。

 

 天然ガスについては1980年代後半まで自給率100%であったが、1990年以降消費の拡大に生産が追い付かず自給率は徐々に低下し、2005年には82%まで下がった。しかしその後はシェールガス開発が急発展して生産量が劇的に増加、2015年には自給率が100%を超え、2022年には111%に達している。天然ガスについて米国はすでに輸出国の仲間入りを果たしているのである。

 

 同様に石油の自給率の推移を見ると1970年代後半には50%台後半に落ちている。その後1980年代半ばに67%まで回復したが、その後再び自給率は年々低下し、1994年に50%を割り2005年にはついに34%まで落ち込んでいる。即ち国内需要の3分の1しか賄えなかったことになる。しかし2010年以降はシェールオイルの生産が本格化し、自給率は急回復し、2022年は93%になっている。

 

石油と天然ガスを併せた自給率で見ると、1970年は86%であった。最近まで消費の主流は石油であったため自給率は石油に近く、例えば2005年の自給率は石油34%、天然ガス82%、合計ベースの自給率は50%であった。しかし、最近では石油と天然ガスの自給率の差が無くなり2022年の自給率は石油93%、天然ガス111%、合計ベースでは101%である。米国は炭化水素エネルギーの完全自給国になったわけである。

 

(続く)

 

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