石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(7/25-7/31)

2021-07-31 | 今週のエネルギー関連新聞発表

7/26 ExxonMobil

ExxonMobil, SABIC reach mechanical completion for Gulf Coast Growth Ventures derivatives

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/0726_ExxonMobil-and-SABIC-reach-mechanical-completion-for-Gulf-Coast-Growth-Ventures-derivatives

 

7/26 Shell

Shell Invests in the Whale Development in the Gulf of Mexico

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-invests-in-the-whale-development-in-the-gulf-of-mexico.html

 

7/27 bp

bp joins the Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping as a strategic partner

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/bp-joins-the-maersk-mc-kinney-moller-center-for-zero-carbon-shipping-as-a-strategic-partner.html

 

7/28 ExxonMobil

ExxonMobil announces oil discovery at Whiptail, offshore Guyana

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/0728_ExxonMobil-announces-oil-discovery-at-Whiptail-offshore-Guyana

 

7/29 Shell

SECOND QUARTER 2021 RESULTS – JULY 29, 2021

https://www.shell.com/investors/results-and-reporting/quarterly-results/2021/q2-2021.html

 

7/29 TotalEnergies

TotalEnergies and Amazon announce strategic collaboration

https://totalenergies.com/media/news/press-releases/totalenergies-and-amazon-announce-strategic-collaboration

 

7/29 TotalEnergies

Venezuela: TotalEnergies exits from Petrocedeño

https://totalenergies.com/media/news/press-releases/venezuela-totalenergies-exits-petrocedeno

 

7/29 TotalEnergies

Second Quarter 2021 Results

https://totalenergies.com/media/news/press-releases/second-quarter-2021-results

 

7/30 経済産業省

「洋上風力発電の地域一体的開発に向けた調査研究事業」を活用して調査を実施する海域を選定しました

https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730004/20210730004.html

 

7/30 ExxonMobil

ExxonMobil earns $4.7 billion in second quarter 2021

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/0730_ExxonMobil-earns-4_7-billion-in-second-quarter-2021

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ9(消費篇1)

2021-07-30 | BP統計

3.世界の石油・天然ガスの消費量

(1) 2020年の国別消費量

(石油の二大爆食国、米国と中国!)

(3-1-1)石油 (表http://bpdatabase.maeda1.jp/1-3-T01.pdf参照)

 2020年の世界の石油消費量は8,850万B/Dであり、前年の9,760万B/Dを9%下回った。国別で石油消費量が最も多いのは米国の1,720万B/Dであり、世界全体の19%を占めている。これに次ぐのが中国の1,420万B/D、シェア16%である。消費量が1千万B/Dを超えるのはこの2カ国だけであり、3位インド(470万B/D)と比べると米国は4倍、中国は3倍の消費量を誇っている。米国と中国は石油の爆食国であると言えよう。

 

 世界4位はサウジアラビア(350万B/D)、5位は日本(330万B/D)である。6位から10位までの各国の順位と消費量は以下のとおりである。

 6位ロシア(320万B/D)、7位韓国(260万B/D)、8位ブラジル(232万B/D)、9位カナダ(228万B/D)、10位ドイツ(200万B/D)。

 

(世界の天然ガスの2割強を消費する米国!)

(3-1-2)天然ガス  (表http://bpdatabase.maeda1.jp/2-3-T01.pdf参照)

 2020年の世界の天然ガス生産量は年産3.8兆立法メートル(㎥)であった。前年(2019年)より▲2%少なかったが、石油の落ち込み(▲9%)より小さく、石油に比べ環境負荷の小さい天然ガスに需要が集中したことがわかる。

 

 天然ガスの最大の消費国は米国であり、消費量は8,300億㎥、世界全体の22%を占める。同国は石油消費量も世界1位でありエネルギー消費大国である。2位はロシアの4,100億㎥、3位は中国の3,300億㎥である。これら3か国の世界シェアは4割強に達する。4位はイラン、5位はカナダであり、6位サウジアラビアに続いて7位を日本が占めている。以上7カ国が消費量1千万㎥を超えている。その他10位までの国はドイツ、メキシコ及び英国である。

 

 これら上位10カ国の顔触れを上記の石油と比較すると、米国、ロシア、中国、カナダ、サウジアラビア、日本、ドイツの7カ国は両方に顔を出しているが、イラン、メキシコ及び英国の3か国は石油消費上位10カ国に入っていない(同様に石油消費上位10カ国のうちインド、韓国及びブラジルは天然ガス消費上位10カ国に入っていない)。

 

(2020年の石油・天然ガス合計消費量は石油換算で1日当たり1.54億バレル!)

(3-1-3)石油+天然ガス(表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-3-T01.pdf参照)

 2020年の天然ガス消費量生産量3.8兆㎥を原油に換算すると6,600万B/Dとなり、石油と合わせた消費量は1億5,400万B/Dであった。これは2019年の合計消費量に比べ5.6%減少している。また石油と天然ガスの比率は57対43で原油の方が多い。

 

 上述のとおり米国は石油及び天然ガスそれぞれの消費量が世界一であり、従って合計消費量も世界一である。同国の天然ガス消費量8,300億㎥を原油に換算すると1,430万B/Dであり、従って米国の石油・天然ガスの合計消費量は3,150万B/Dとなり、全世界に占めるシェアは20%に達する。米国に次ぐのが中国である。同国は石油消費量では世界2位、天然ガス生産量は世界3位であり、合計消費量は原油換算1,990万B/Dである。第3位はロシアで合計消費量は1,030万B/Dである。因みに石油と天然ガスの比率は米国の場合石油55%、天然ガス45%であるのに対して中国は石油71%、天然ガス29%、ロシアは石油31%、天然ガス69%である。米国は石油が天然ガスを少し上っているのに対して、中国は石油が全体の7割を占め、ロシアは逆に天然ガスが消費量の7割を占め3か国の消費形態は対照的である。

 

 4位以下の国と石油・天然ガス合計生産量(原油換算)は以下のとおりである。

 4位イラン(573万B/D)、5位インド(570万B/D)、6位サウジアラビア(550万B/D)、7位日本(510万B/D)、8位カナダ(420万B/D)、9位ドイツ(353.7万B/D)、10位韓国(353.6万B/D)

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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石油と中東のニュース(7月30日)

2021-07-30 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(コロナウィルス関連ニュース)

・サウジ、ワクチン接種外国人訪問客に隔離措置免除

(石油関連ニュース)

・トルコ、黒海ガス田で点火式。2023年に生産開始、埋蔵量1,350億㎥

(中東関連ニュース)

・ヨルダン、ギリシャ、キプロス3カ国首脳、アテネで会議

・エジプト大統領、レバノン陸軍司令官と会談

・イエメンフーシ派、米のMarib戦闘停止呼びかけを拒否

・カタール、10月に湾岸初の立法府選挙。選挙権18歳以上、被選挙権30歳以上

・米国務長官、クウェイト訪問

・イラン最高指導者:「西側は信用できない」。新大統領に釘

・米、イランのドローン技術向上に脅威、関連産業を経済制裁対象に

・トルコ、イラン経由のアフガン難民流入防止で国境に壁建設急ぐ

・サウジオリンピック女子柔道選手、イスラエル選手との対戦受け入れ表明

 

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ8(生産篇4)

2021-07-28 | BP統計

2.世界の石油・天然ガスの生産量

(3) 主要国の2010~2020年の生産量推移(続き)

(カタールに迫るオーストラリア!)

(2-3-2)天然ガス  (図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-2-G03.pdf参照)

 2010年代の天然ガスの生産量の推移について、ここでは世界1位と2位の米国、ロシア及び3位イラン、5位カタール、7位オーストラリアの5カ国の動きを見る。

 

 2010年のロシアと米国の天然ガス生産量はそれぞれ5,980億㎥及び5,750億㎥でありロシアが米国をわずかに上回っていた。しかし米国では前項に触れたシェール石油と同様商業ベースのシェールガス開発が軌道に乗り、生産量が急増した。2011年に米国がロシアを上回るとロシアの生産が停滞または減少したこともあり、2015年には米国の生産量7,400億㎥に対し、ロシアの生産量は5,800億㎥にとどまった。格差はその後も年々広がり2020年は米国の生産量9,100億㎥に対しロシアは6,400億㎥であり、3,000億㎥近い差が生まれている。

 

 カタールとイランの生産量は2015年までほとんど同じであった。LNG輸出中心のカタールは2010年ごろまでにLNG年産7,700万トン体制を整えた。同国は長期契約により世界のLNG市場をリードし、供給過剰を回避するため新規設備投資を凍結する「モラトリアム体制」を維持した。このため2010年代を通じて生産量はあまり増えていない。これに対して1億人近い人口を抱えるイランは国内のエネルギー消費を賄うため天然ガスの生産を高めた。この結果2020年の生産量はイランの2,500億㎥に対しカタールは1,700億㎥となり、2010年に比べるとイランは1.7倍増加したのに対し、カタールは1.4倍の増加にとどまっている。

 

 カタールの生産量が停滞している間に意欲的な増産に取り組んだのがオーストラリアである。同国の2010年の生産量は500億㎥でありカタールの2分の1に過ぎなかったが、2020年には1,400億㎥に拡大しカタールに迫っている。

(注、最近、カタールは「設備増強モラトリアム宣言」を撤回し、年産1億2千万トンを目指しており、LNG輸出市場での主導権を維持しようとしている。)

 

(急伸する米国、停滞するロシアとサウジアラビア!)

(2-3-3)石油+天然ガス(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-G03.pdf参照)

 石油と天然ガスの合計生産量について上位3か国(米国、ロシア及びサウジアラビア)と5位イラン、6位中国、7位カタールの過去10年間の推移を検証する。

 

 2010年時点ではロシアの石油・天然ガス合計生産量が世界で最も多く、石油換算で2,070万B/Dであった。米国およびサウジアラビアは各々1,750万B/D及び1,130万B/Dでありいずれもロシアを大きく下回っていた。しかしロシアとサウジアラビアはその後増加が鈍り、一方米国はシェールオイル及びガスの本格開発により生産量が急増した。この結果、2020年には米国の生産量は3,200万B/D強となり2010年の1.9倍に達し、一方ロシア及びサウジアラビアは2,200万B/D、1,300万B/Dであり、ロシアは米国の7割、サウジアラビアは4割にとどまっている。

 

 イラン、中国及びカタールはいずれも過去10年間で1.2倍程度の増加にとどまっている。このうちイランは石油・天然ガス共に十分な増産余力を持ちながら米国の経済制裁のため低水準の生産を余儀なくされている。高い経済成長を誇る中国はエネルギー需要が旺盛であるが国内資源の開発が追い付かず生産増強に四苦八苦しているのが現状である。これら二国に対し自らの政策で生産増強を抑えてきたカタールはモラトリアム宣言解除により設備強化に乗り出し、今後の生産増に期待が持たれる。但し地球温暖化対策、2050年カーボン・フリーが叫ばれ炭化水素資源開発が抑制されようとしている。これまで炭化水素資源の中では比較優位とされていた天然ガスについても厳しい目が注がれており、カタールの地位も必ずしも安定ではないのが現状である。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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石油と中東のニュース(7月28日)

2021-07-28 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

米大統領:イラク首相と会談。年末までに戦闘行動停止

・サウジアラビア、造水・発電プラント民営化を一時中断

・サウジ自動車市場に中国車浸透。2019年シェア2.3%、長安自、今年1-5月55,000台販売

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ7(生産篇3)

2021-07-27 | BP統計

2.世界の石油・天然ガスの生産量

(3) 主要国の2010~2020年の生産量の推移

(シェールオイル開発で米国が驚異的な生産増!)

(2-2-1)石油 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/1-2-G03.pdf参照)

 ここでは石油生産量が世界1~3位の米国サウジアラビア、ロシアに加え、米国の経済制裁のため石油輸出に苦しみ2020年の生産量が世界8位のイラン、及び近年深海油田の開発で生産量が増加傾向にある世界9位のブラジルの5カ国について2010年以降の生産量の推移を検証する。

 

 2010年の石油生産量はロシアが唯一1,000万B/Dを超え(1,040万B/D)、世界2位がサウジアラビアの990万B/D、米国はこれら2カ国より200万B/D以上少ない760万B/Dにとどまっている。一方イランは440万B/D、ブラジルはイランの半分の210万B/Dであった。

 

 2011年にはサウジアラビアが1,100万B/Dを生産してロシアを追い抜き世界最大の石油生産国となった。同国はその後も2019年まで1,200万B/D前後の高い生産レベルを維持したものの、2020年は世界需要の減退の影響を受け1,100万B/Dに落ち込んだ。ロシアはサウジアラビアと同様の傾向で推移したが、2020年現在もサウジアラビアを下回っている。

 

 このよう中で生産量を大幅にアップしたのがシェールオイルの生産が本格化した米国である。同国の生産量は2011年から急激に増加し、2013年には1,000万B/Dを突破、2014年にはサウジアラビア、ロシアを追い抜いて世界一に躍り出た。その後も増産の勢いは止まらず、2019年の生産量は1,700万B/Dを記録し、これは2010年の2.3倍である。昨年(2020年)の生産量は若干減退し1,650万B/Dにとどまったが、サウジアラビア及びロシアとの差は5~600万B/Dに達する。

 

 イランは2012年から2015年まで400万B/Dを下回るレベルで推移した後、2017年には490万B/Dまで回復したが、2019年には大きく減退し340万B/Dにとどまった。これは米国の経済制裁の影響である。昨年(2020年)はコロナ禍も加わりイランの石油生産量は310万B/Dと過去10年間で最低のレベルに落ちている。

 

 ブラジルは深海油田の開発が軌道に乗り、2013年以降生産量が順調に増加している。即ち2013年に210万B/Dであった同国の石油生産量は、2015年に250万B/D、2017年に270万B/Dとなり、2020年は他の産油国の生産が減少する中で唯一前年を上回り300万B/Dの大台を突破した。この結果、同国の生産量はほぼイランに並ぶ水準に達している。

 

(続く)

 

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石油と中東のニュース(7月26日)

2021-07-26 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

・イラン次期大統領、サウジとの関係改善目指す。サウジは就任式に要人派遣の見込み

・カタール外相、訪米直後に予告なしでイラン訪問、次期大統領と会談

・レバノン大統領、首相にMikati指名の模様。但し組閣難航は必至

・デモ騒動下のチュニジアで大統領が首相を罷免、内閣凍結

・イスラエル、国交回復のモロッコに定期便就航

 

 

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ6(生産篇2)

2021-07-25 | BP統計

2.世界の石油・天然ガスの生産量

(2) 1970~2020年の生産量の推移

(1億B/D目前で足踏みする石油生産量!)

(2-2-1)石油 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/1-2-G02.pdf参照)

 1970年に4,800万B/Dであった石油の生産量は1970年代前半に5,000万B/D台、さらに1980年には6,300万B/Dに増加した。1985年には一旦5,700万B/Dまで減少したが、その後は再び成長軌道に転じ、2015年には9千万B/Dを突破、2019年には過去最高の9,500万B/D弱に達した。2020年は新型コロナウィルス禍のため経済活動が低迷、石油需要も大幅に減退したため、生産量も8,840万B/Dにとどまった。

 

 この間の地域別生産量の推移を見ると、1970年は中東が全世界の29%を占め、北米がこれに続く28%のシェアであった。その他の地域ではロシア・中央アジアが15%、アフリカ13%、中南米10%であり、アジア大洋州と欧州は5%以下であった。中東地域のシェアは1980年代半ばに一時北米あるいはロシア・中央アジアを下回ったが1990年半ば以降は再び30%のシェアを確保し、他の地域を抑えている。これに対して北米地域は1980年代半ばに世界最大の石油生産地域になったが、その後2000年前後はシェア20%を割る状態であった。しかし2010年以降、シェールオイルの生産が軌道に乗り2010年の1,390万B/Dが2020年には100万B/D近く生産量が急増して2,350万B/Dに達し、世界に占めるシェアも50年前に並ぶ27%に達している。

 

 全世界の生産量に占めるOPECのシェアを見ると、半世紀前の1970年のOPECシェアは47%を占めていたが、その後シェアは急落し1985年には27%に下がった。その後シェアは緩やかに回復し、2005年には42%になった。しかし2000年代後半以降再びシェアが漸減し、2020年のシェアは35%である。

 

(50年間で4倍になった天然ガス生産!)

(2-2-2)天然ガス  (図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-2-G02.pdf参照)

 1970年の世界の天然ガス生産量は9,800億㎥であった。その後半世紀の間生産量は毎年大きく増加し、2020年には1997年の4倍、3兆8,500億㎥に達している。この間、前年比でマイナスになったのは1997年、2009年及び2020年の3回だけである。

 

 年間生産量が1兆㎥を超えたのは1971年であるが、その後は5~7%の成長を続け20年後の1992年に2兆㎥に達した。増加のスピードはさらに加速し、年産3兆㎥を達成したのは16年後の2008年であった。そして2019年には4兆㎥目前の3.98兆㎥を記録したが、2020年はコロナ禍の影響で前年比3%減の3.85兆㎥にとどまった。

 

 生産量を地域別に見ると、1970年は北米が全体の65%を占め、これに次ぐロシア・中央アジアの19%、欧州の11%を大きく引き離していた。しかしその後20年の間に北米のシェアは31%に急落し、ロシア・中央アジアがシェア37%でトップとなった。2020年までの30年間は北米のシェアは30%前後で推移し、一方ロシア・中央アジアは2割強に落ち込んでいる。そして中東及びアジア・大洋州のシェアが大きく伸びた結果、2020年の地域別シェアは北米29%、ロシア・中央アジア21%、中東18%、アジア大洋州17%となっている。

 

(天然ガスの比率が26%から43%に!)

(2-2-3)石油+天然ガス(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-G02.pdf参照)

 石油と天然ガスの1970年の合計生産量は石油換算で6,500万B/D、内訳は石油4,800万B/D、天然ガス1,700万B/Dであり、石油が天然ガスの3倍であった。その後、合計生産量は1985年に一時的に減少した以外は毎年増加を続け、2020年には石油8,800万B/D、天然ガス6,600万B/D、合計1億5,500万B/Dに達している。50年間の間に2.4倍に増加したことになる。このうち天然ガスの伸びは3.9倍で石油のそれ(1.8倍)を大きく上回っている。石油と天然ガスの比率で見ると、1970年は石油74%、天然ガス26%であったが、2020年には石油57%、天然ガス43%と天然ガスの比率が大きく上昇している。

 

(続く)

 

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石油と中東のニュース(7月24日)

2021-07-24 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・OPECは市場操作をサウジに任せればすべてOK:みずほ証券エネルギー先物部長

・米国のイラン、ベネズエラ原油禁輸の抜け道突っ走る中国のCCPC

(中東関連ニュース)

・イスラエル、アフリカ連合(AU)のオブザーバーに

・エジプト、非常事態宣言を3カ月延長。2017年以来17回目

・エジプト、ガソリン価格引き上げ。燃料補助金廃止への道進む

・サウジ政府:ハジ巡礼は無事終了と宣言

・アメリカのユダヤ人グループ、入植地でのアイスクリーム販売停止の企業決定を支持

・イスタンブールのアヤソフィア、博物館からモスクに転換して一年

 

 

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今週の各社プレスリリースから(7/18-24)

2021-07-24 | 今週のエネルギー関連新聞発表

7/18 OPEC

19th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting concludes

https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/6512.htm

 

7/19 石油連盟

石油連盟会長コメント第19回OPECおよび非OPEC閣僚会合の終了にあたって

https://www.paj.gr.jp/paj_info/press/2021/07/19-001943.html

 

7/19 ExxonMobil

Andrew Swiger to retire as senior vice president of Exxon Mobil Corporation; Kathryn Mikells elected senior vice president and chief financial officer  

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/0719_Andrew-Swiger-to-retire-as-senior-vice-president

 

7/20 JOGMEC/丸紅/関西電力ほか

豪州から日本へのクリーン燃料アンモニアサプライチェーン構築に関する事業化調査実施について

http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_15_000001_00079.html

 

7/20 Shell

Shell confirms decision to appeal court ruling in Netherlands climate case

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-confirms-decision-to-appeal-court-ruling-in-netherlands-climate-case.html

 

7/21 TotalEnergies

TotalEnergies partners with Technip Energies to advance low-carbon solutions for LNG and offshore facilities

https://totalenergies.com/media/news/press-releases/TotalEnergies-and-Technip-Energies-Low-carbon-solutions-for-LNG-and-offshore-facilities

 

7/22 bp

bp acquires AI-driven energy optimisation business Open Energi

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/bp-acquires-ai-driven-energy-optimisation-business-open-energi.html

 

7/22 bp

bp teams up with Quaybridge to accelerate offshore wind growth

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/bp-teams-up-with-quaybridge-to-accelerate-offshore-wind-growth.html

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