(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・西欧諸国、エネルギー面でも対露制裁措置。bpはロスネフトから出資撤退。
(中東関連ニュース)
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・西欧諸国、エネルギー面でも対露制裁措置。bpはロスネフトから出資撤退。
(中東関連ニュース)
III. 2020年と2021年の5社業績比較
2020年と2021年の年間平均原油価格はBrent原油でそれぞれ1バレル当たり41.83ドル及び70.91ドルであり年間では70%近く上昇している[1]。これに伴い各社の売上高も5割前後増加、損益については全社がマイナスからプラスに好転している。
(売上高は前年比1.5倍!)
1.売上高[2]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-10.pdf 参照)
売上高は2020年及び2021年ともにExxonMobilがトップであった。同社の2021年売上高は2,856億ドルで前年より1千億ドル、57%増であった。これに次ぐのはShellで前年の1,805億ドルから45%増の2,615億ドルに達した。その他の3社もTotalEnergiesが1,407億ドル→2,059億ドル、bp 1,091億ドル→1,642億ドル、Chevron 945億ドル→1,556億ドルとそれぞれ大幅に売り上げを伸ばしている。
(前年のマイナスから一転して全社プラスに!)
2.損益[3]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-11.pdf 参照)
2020年全社が大幅なマイナス決算となり、特にExxonMobil、Shell、BP3社はいずれも200億ドルを上回る巨額の損失であり、Total及びChevronも50~70億ドルの赤字であった。しかし2021年は一転して各社プラス決算となっている。
各社の2020年と2021年の損益を比較すると以下のとおりである。
ExxonMobil(損失224億ドル→利益230億ドル)、Shell(損失217億ドル→利益201億ドル)、bp(損失203億ドル→利益76億ドル)、TotalEnergies(損失72億ドル→利益160億ドル)、Chevron(損失55億ドル→利益156億ドル)
(前年のマイナスからChevronは二桁、ExxonMobilなど3社も8%前後に改善!)
3.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-12.pdf 参照)
上記の通り各社とも売り上げ、利益が大きく改善したため、売上高利益率はマイナスからプラスに転じ、Chevronは二桁の利益率を達成している。2020年から2021年への各社の推移は以下の通り。
ExxonMobil(-12.4%→+8.1%)、Shell(-12.0%→+7.7%)、bp(-18.6%→+4.6%)、TotalEnergies(-5.1%→+7.8%)、Chevron(-5.9%→+10.0%)
(前年比では各社マチマチ!)
4.設備投資[4]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-13.pdf 参照)
五社の2021年の設備投資は2020年と比べ増加と減少が混在している。即ちExxonMobilは2020年の214億ドルから2012年は166億ドルに22%減少、またbp(141億ドル→128億ドル)、Chevron(135億ドル→117億ドル)も減少している。これに対しShellは166億ドルから190億ドルへ15%増加しており、TotalEnergiesもわずかながら増加(130億ドル→133億ドル)している。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行
〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
[1] Shell Quarterly Databookより
https://www.shell.com/investors/results-and-reporting/quarterly-results/2021/q4-2021.html
[2] 「売上高」は各社資料の下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Total revenues and other income
Shell: Total revenue and other income
bp: Total revenue and other income
TotalEnergies: Sales
Chevron: Sales and other operating revenues
[3] 「損益」は各社資料の下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)
Shell: Incom/loss attributabel to shareholders
bp: Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders
TotalEnergies: Netincome (TotalEnergies share)
Chevron: Net income
[4] 「設備投資」は各社資料の下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Capital and Exploration Expenditures
Shell: Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow
bp: Capital expenditure
TotalEnergies: 12. Net investments
Chevron: Capital & Exploratory Expenditure, Worldwide
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・ウクライナ危機でBrent原油100ドル超え、一時106ドルに。
・イラン:核協議まとまれば韓国に洋上備蓄のコンデンセート売却の意向。
(中東関連ニュース)
・トルコ:国際協定で露艦艇の海峡通過拒否できず。ウクライナ要請を拒む。
・サウジ政府系ファンドPIF、ニューヨーク、ロンドン、香港に事務所開設。 *
*参考「世界の政府系ファンド一覧表」(by SWF Instituteより)。
2/21 ExxonMobil
ExxonMobil and Papua New Guinea sign P’nyang gas agreement
https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0221_ExxonMobil-and-Papua-New-Guinea-sign-Pnyang-gas-agreement
2/21 Shell
LNG industry rebounds in 2021 amid supply constraints and volatile prices
https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2022/lng-industry-rebounds-in-2021-amid-supply-constraints-and-volatile-prices.html
2/23 経済産業省
ウクライナ情勢を受けたエネルギー市場安定化への我が国の対応
https://www.meti.go.jp/press/2021/02/20220223001/20220223001.html
2/23 Aramco
Aramco closes gas pipeline deal with global investor consortium
https://www.aramco.com/en/news-media/news/2022/aramco-closes-gas-pipeline-deal-with-global-investor-consortium
2/24 Chevron
Chevron, Iwatani Announce Agreement to Build 30 Hydrogen Fueling Stations in California
https://www.chevron.com/stories/chevron-iwatani-announce-agreement-to-build-30-hydrogen-fueling-stations-in-california
2/24 Chevron
Chevron announces investment in Carbon Clean CO2 capture technology business
https://www.chevron.com/stories/chevron-announces-investment-in-carbon-clean-co2-capture-technology-business
2/25 ENEOSホールディングス
組織改正について
https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20220225_01_01_0960492.pdf
2/25 ENEOSホールディングス
役員等の人事異動について
https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20220225_02_01_0960492.pdf
2/25 石油連盟
石油連盟シンポジウム開催の開催について――石油産業は「脱炭素」を生き残れるか――
https://www.paj.gr.jp/paj_info/topics/2022/02/25-001960.html
2/25 ExxonMobil
ExxonMobil to sell Mobil Producing Nigeria shallow-water affiliate
https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0225_ExxonMobil-to-sell-Mobil-Producing-Nigeria-shallow-water-affiliate
I. 2021年の業績比較 (続き)
(石油と天然ガスの比率はbpが3:1、TotalEnergiesは5:5!)
6. 石油及び天然ガス生産量
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-07.pdf 参照)
(1)石油生産量[1]
昨年の石油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,289千B/Dであり、5社の中でただ一社2百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはChevron(1,814千B/D)でExxonMobilの8割である。第3位、第4位はShellとTotalEnergiesが150万B/Dで並んでおり、最も少ないbpは978千B/D、5社の中で唯一百万B/Dを下回っている。
(2)天然ガス生産量[2]
天然ガスの生産量が最も多いのは石油と同じExxonMobilであり、同社の生産量は日産85億立方フィートで石油に換算すると1,423千B/Dであった。2位はChevronの77億立方フィート(石油換算1,319千B/D)。3位以下はTotal(同1,285千B/D)、Shell(718千B/D)、BP(329千B/D)と続いている。
(3)石油・天然ガス合計生産量[3]
石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で3,712千B/Dである。2位はChevronの3,099千B/Dでこの2社が合計生産量3百万B/Dを超えている。3位以下はTotalEnergies(2,819千B/D)、Shell(2,240千B/D)と続き、bpは最も少ない1,307千B/Dであった。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はChevron83、TotalEnergies76、Shell60、BPは35となっている。
各社の石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油62%、天然ガス38%である。5社の中では石油の比率が最も高いのはbpの75%であり、その他3社の石油:天然ガスの比率はそれぞれ、Chevron(石油59%:天然ガス41%)、TotalEnergies(石油53%:天然ガス47%)、Shell(石油68%:天然ガス32%)である。5社いずれも石油の比率が天然ガスを上回っている。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行
〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
[1] 「石油生産量」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Net production of crude oil, natural gas liquid, bitumen and tsynthetic oil
Shell: Liquid production available for sale
bp: Production (net of royalties), Liquids
TotalEnergies: 3.3 Production, Liquids
Chevron: Net liquid production
[2] 「天然ガス生産量」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Natural gas production available for sale
Shell: Natural gas production available for sale
bp: Production (net of royalities), Natural gas
TotalEnergies: Hydrocarbon production, Gas
Chevron: Net natural gas production, Worldwide
[3] 「石油・天然ガス合計生産量」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Production, Earnings and Volume Summary
Shell: Total production in barrels of oil equivalent
bp: Production (net of royalities), Total hydrocarbons
TotalEnergies: 3.3 Production
Chevron: Total net oil-eqivalent production
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・カタール首長:天然ガス価格は神のみぞ知る。ガス輸出国サミット演説。
・ロシア産ガスをLNGに置き換えるのは困難:カタールエネルギー相。
・サウジアラムコ、ブラックロック/中国資本とパイプラインリースバック契約締結。
・アブダビ、フィリピンで初のLNGプラント。洋上備蓄ターミナル方式。
(中東関連ニュース)
・イラン外相:核協議はぎりぎりの状況。レッドラインは超えない。
・UAE、中国製戦闘機購入を表明。米F-35ステルス商談難航に当てつけか?
・戦艦の黒海航行でボスポラス海峡通行許諾権握るトルコに脚光。
・サウジ:日サ自動車高等研修所とMETIで自動車エネルギーセミナー開催。
・JETRO、日本の匠の技の商品をドバイ現地商業店b8taで展示。
・エジプト人口1億3百万人に。232日間で100万人増加のハイペース。
(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」
6. 三羽の小鳥(下)
3機編隊のしんがりを務める「アブダラー」は地元生まれのアラブ人遊牧民ベドウィンの子供である。彼らはオスマントルコ帝国の時代から現在の地に住み続けていた。そこは第一次大戦後のイギリスによる信託統治時代にユダヤ人に割り当てられた土地であった。この時アラブ人にも「パレスチナ」としてヨルダン川西岸が割り当てられた。第三次中東戦争でイスラエルがパレスチナ地区を占領した結果、大量の難民が生まれたが、もともとイスラエル地域に住んでいた「アブダラー」たちはそのまま住み続けることができた。彼らはアシュケナージたちよりも古い先住民族なのである。イスラエルでは彼ら先住民の他エチオピアなどアラブ・イスラム圏から移住したアラブ人達をミズラフィムと呼んでいる。
ミズラフィムもロシア移住者と同様二級市民として扱われたが、実質的にはロシアの移住者以下の扱いであった。イスラエル国内でイスラム過激派の自爆テロが頻発するようになり、白い肌のユダヤ市民たちは一目でアラブ人とわかるミズラフィムを警戒するようになったため、彼らの立場はロシア移住者よりさらに悪くなった。「アブダラー」の仲間の若者には絶望して過激派組織に身を投ずる者もいたが、「アブダラー」はイスラエル国民として生きる道を選んだ。彼は「良き市民」たらんとした。その選択が軍隊に入り国を守ることだった。彼の心のよりどころは民族でもなく宗教でもなく国家そのものなのである。
実は彼自身「アブダラー」と言うニックネームが好きになれないのである。「アブダラー」は最もありふれたアラブ人の名前であり、「アブドゥ(僕:しもべ)」と「アラー」を合わせたもの、即ち「アラーの僕」と言う意味がある。「アブダラー」自身にとってはイスラム色の強すぎるこの名前が嫌だったのである。しかし彼はそれを我慢した。いずれそのようなことを意識せずに済む日が来ると信じていたからである。
3人のパイロットはそれぞれの思いを抱きつつ夜明けの砂漠と地平線の太陽を凝視していた。しかしいつまでももの思いに耽ける余裕はない。なにしろ彼らは現在サウジアラビアの領空すれすれを飛んでいるのである。サウジアラビア空軍には地上レーダーと早期警戒機AWACSが完備しており、上空を通過する3機を察知しているであろう。サウジアラビア戦闘機がスクランブル(緊急発進)をかけ、イスラエル戦闘機をインターセプト(迎撃)するかもしれない。だから一時たりとも警戒を怠れない。
ただこの点については基地出発前のミーティングで、サウジアラビアの迎撃の可能性は無い、と上官から告げられていた。政府上層部が空爆計画実施の数日前米国に秘かに計画実行の日時を通告、その後米国とサウジアラビアの間でイスラエル戦闘機の通過を黙認することが合意された、と教えられていた。しかしパイロット達には念のためイラク国境近くにあるサウジアラビアのハファル・アル・バテン空軍基地の近くではこれを大きく迂回し、サマワの南方を飛ぶよう指示が与えられた。イラク領内深くに飛行コースを変更するのである。イラクの制空権は米軍が握っているため攻撃される心配はない。
幸いハファル・アル・バテン基地から戦闘機がスクランブル発進する様子はなく、そのことは米国の軍事偵察衛星でも確認された。3人のパイロットは少し安堵して一路目標のナタンズにむけて高々度飛行を続けた。彼らはサウジアラビアが米国の意向に背くはずはないと信じて疑わなかった。とにかくイスラエルと米国は強い信頼関係で結ばれ、サウジアラビアごときが反抗できるはずはない、と言うのが3人のパイロットだけでなくイスラエル軍部全体の揺るぎのない確信であった。
しかしその頃、ハファル・アル・バテン基地の内部では慌ただしい動きが起こっていたのである。
(続く)
荒葉一也
I. 2021年の業績比較 (続き)
(各社100億ドル台で並ぶ設備投資!)
4.設備投資額[1]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)
2021年の5社の設備投資額はShellが190億ドルと最も多く、続いてExxonMobilが166億ドル、TotalEnergies133億ドル、bp128億ドルである。Chevronは5社の中で最も少ない117億ドルであった。5社いずれも投資額は100億ドル台であるが、Shellを100とした場合ExxonMobilは9割弱であり、TotalEnergies及びbpは7割、Chevronは6割である。
5.キャッシュフロー
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-05.pdf 参照)
(注)各社の決算を比較すると、ExxonMobilは営業キャッシュフローのみが明記されており、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー及び期末残高は不明である。またChevronは期末残高が明示されていない。
(ExxonMobil、Shellの営業キャッシュフローは400億ドル超!)
(1) 営業キャッシュフロー[2]
2021年1-12月のExxonMobil及びShellの営業キャッシュフローはそれぞれ481億ドル及び451億ドルである。その他3社のキャッシュフローはTotalEnergiesが304億ドル、Chevron292億ドルで、bpが最も少ない236億ドルであった。
(4社の中で飛び抜けて多いTotalEnergies!)
(2) 投資キャッシュフロー[3]
ExxonMobilを除く4社の投資キャッシュフローはTotalEnergiesが▲137億ドルと飛び抜けて多い。その他はChevron▲59億ドル、bpは▲57億ドル、Shell▲48億ドルであった。
(借入金返済で財務体質改善を図る各社!)
(3) 財務キャッシュフロー[4]
財務キャッシュフローは4社ともマイナス勘定である。最も大きいのはShellの▲347億ドルで、続いてTotalEnergies▲255億ドル、Chevron▲231億ドル、bp▲181億ドルであった。2020年はコロナ禍の操業率低下による運転資金不足に対処するため、各社はそれぞれの判断で大幅な新規借り入れを行ったが、2021年は返済を進め財務体質の改善を目指しているものと見られる。
(4) 年末キャッシュフロー残高[5]
キャッシュフロー年末残高はShell、BP及びTotalEnergies3社が明らかにしているが、各社の残高はそれぞれShell370億ドル、bp307億ドル、TotalEnergies213億ドルであった。
(続く)
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前田 高行
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E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
[1] 「設備投資額」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Capital and Exploration Expenditures
Shell: Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow
bp: Capital expenditure
TotalEnergies: 12. Net investments
Chevron: Capital & Exploratory Expenditure, Worldwide
[2] 「営業キャッシュフロー」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Cash Flow from Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)
Shell: Cash flow from operating activities
bp: Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement
TotalEnergies: Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements
Chevron: Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
[3] 「投資キャッシュフロー」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
Shell: Cash flow from investing activities
bp: Net cash used in investing activities
TotalEnergies: Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement
Chevron: Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
[4] 「財務キャッシュフロー」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
Shell: Cash flow from financing activities
bp: Net cash provided by (used in) financing activities
TotalEnergies: Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement
Chevron: Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
[5] 「年末キャッシュフロー残高」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
Shell: Cash and cash equivalent at end of period
bp: Cash and cash equivalent at the end of the period
TotalEnergies: Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement
I. 2021年の5社業績比較
(ExxonMobil/ShellとBP/Chevronで売上高1千億ドル以上の差!)
1.売上高[1]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-01.pdf参照)
ここではExxonMobil, Shell, BP, Total及びChevron5社の2021年の売上高を比較する。5社の中で売上高が最も大きいのはExxonMobilの2,856億ドルであり、次いでShellが 2,615億ドルである。これに続くのがTotalEnergiesの2,059億ドル、BP 1,642億ドルであり、Chevronは5社の中で最も少ない1,556億ドルであった。ExxonMobil及びShellの上位2社とBP及びChevronの下位2社とは売上高で1千億ドル以上の差がある。
(5社すべてが利益計上、ExxonMobil、Shellは200億ドル超!)
2. 損益[2]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)
2021年は景気回復の兆候が見られ各社の利益は伸びた。但し利益額に差があり、最も利益が多かったのはExxonMobilの230億ドルであった。Shellが201億ドルの利益でこれを追っており、TotalEnergiesが160億ドル、Chevronは156億ドルで3位、4位を争っている。これに対してBPは76億ドルの利益にとどまっており、他社に比べて見劣りがする。因みにExxonMobilの利益を1とした場合、Shellは9割弱、TotalEnergies及びChevronは7割であり、BPはExxonMobilの3分の1にとどまっている。
3.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)
売上高利益率を見ると、Chevronが10%で最も高く5社の中で唯一二桁の利益率であった。これに次いでExxonMobil(8.1%)、TotalEnergies(7.8%)、Shell(7.7%)が8%前後で並んでいる。一方、BPは4.6%にとどまっている。
(続く)
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E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
[1] 「売上高」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Total revenues and other income
Shell: Total revenue and other income
bp: Total revenue and other income
TotalEnergies: Sales
Chevron: Sales and other operating revenues
[2] 「損益」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)
Shell: Incom/loss attributabel to shareholders
bp: Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders
TotalEnergies: Netincome (TotalEnergies share)
Chevron: Net income
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・ウクライナ危機、イラン核問題で原油価格乱高下。Brent $92.81, WTI $92.93。
・2021年のサウジ原油輸出、前年比6.6%減:JODI統計。
(中東関連ニュース)
・イラン大統領、カタール訪問。首長と会談、天然ガス輸出国サミット出席。
・米第五艦隊、100艘の無人艦艇、潜水艦隊編成。ペルシャ湾・紅海に展開。
・貸付ゼロ、預金ゼロでレバノンの銀行はゾンビ状態。国内支店160閉鎖。
・ヨルダン王室、エアバス購入などクレディ・スイス漏洩の財産情報を否定。
・相川駐イラン大使、バンダルアバス港視察。制裁解除にらみ経済協力模索。