石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(5月30日)

2022-05-30 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

 

(中東関連ニュース)

・イラン、無人攻撃機地下格納庫を公開。場所は不明。 *

*レポート「中東に広まるドローン(UCAV)の開発と軍事利用」参照。

・スーダン、昨年10月以来の非常事態宣言を解除

・イスラエル:ユダヤ人デモ数百人がエルサレムのアルアクサモスク乱入

・エジプト、UAE、ヨルダン、3か国産業パートナーシップを締結

・UAE外相、トルコ訪問。ウクライナ問題等で意見交換

・JICA、イランテヘラン市に大気汚染観測装置供与

 

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荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021年(度)業績比較 (9完)

2022-05-30 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf

 

2.営業キャッシュフロー (続き)

(コロナ禍に無関係な邦系2社、V字回復したメジャーズ!)

(2)2019年(度)~21年(度)営業キャッシュフローの推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-14.pdf 参照)

 2019年(度)から2021年(度)までの3年間の営業キャッシュフローの推移を見ると、メジャーズと邦系2社の動きは大きく異なる。即ち、メジャーズ5社は2019年から2020年にかけて急落した後、2021年は2019年の水準を上回るまでにV字回復している。これに対してENEOS及び出光はメジャーズと全く逆の様相を呈しており、2020年度は前年度よりキャッシュフローが増加しており、2021年度はむしろ減少している。但し金額面では両者の格差は極めて大きい。

 

 具体的に年(度)の推移を見ると、2019年はShellが422億ドルと飛び抜けて高く、次いでExxonMobil、Chevron、bp、TotalEnergiesが200億ドル台であった。ENEOSの営業キャッシュフローは47億ドルにとどまり、出光の場合は▲3億ドルであった。

 

2020年(度)にはメジャーズ5社は極めて厳しい状況となり、Shellのキャッシュフローは341億ドルに急減、他の4社はさらに大きく落ち込みChevronは前年の4割、100億ドルをわずかに上回るフローであった。これに対して邦系2社は前年度を上回るキャッシュフローを生み出している。但し金額的にはメジャーズで最も少ないChevronよりも低い水準にとどまっている。

 

 2021年に入るとメジャーズの営業キャッシュフローは大幅にアップし、2019年を上回るまでに回復している。一方、邦系2社はむしろキャッシュフローが減少している。3年間の動きを見るとメジャーズは販売(売上)の増減が営業キャッシュフローの増減と比例しているが、邦系2社はむしろ反比例しており、原油価格を製品に転嫁する方式により営業力の有無にかかわらず低い水準の営業キャッシュフローが生み出されていると言えよう。

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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石油と中東のニュース(5月29日)

2022-05-29 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・露原油禁輸に抵抗するハンガリー。原油価格上昇。Brent $115.63, WTI $112.66

・米大統領広報担当官:サウジ訪問の米高官2名の石油増産要請説を否定

・ギリシャ沖で米が60万バレル瀬積みのイランタンカーを拘束

・イラン、ペルシャ湾内でギリシャ船タンカー2隻拘留。自国船拘束への報復か?

(中東関連ニュース)

・イエメン:6/2の休戦期間切れを控え国連特使が双方に延長要請

・経済制裁に対抗、イラン石油相とロシア副首相、3件の協定に調印

・レバノン中央銀行、ドル交換レートを月曜から3日間一時的に変更

・レバノン:医師と病院がゼネスト

・サウジ、外国人のマッカ入国制限を強化

・トルコ、黒海天然ガスの海底パイプライン建設に着手

 

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今週の各社プレスリリースから(5/22-5/28)

2022-05-28 | 今週のエネルギー関連新聞発表

5/23 石油連盟

杉森 石油連盟会長定例記者会見 発言要旨・配布資料

http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2022/index.html#id1968

 

5/24 出光興産

機構変更に関するお知らせ

https://www.idemitsu.com/jp/content/100039526.pdf

 

5/24 出光興産

人事異動に関するお知らせ

https://www.idemitsu.com/jp/content/100039525.pdf

 

5/24 bp

Abu Dhabi’s ADNOC and Masdar to join bp’s UK hydrogen projects

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/abu-dhabis-adnoc-and-masdar-to-join-bps-uk-hydrogen-projects.html

 

5/24 TotalEnergies

South Korea: TotalEnergies Signs LNG Long-Term Sale Contract with Hanwha Corporation

https://totalenergies.com/media/news/press-releases/south-korea-totalenergies-signs-lng-long-term-sale-contract-hanwha

 

5/25 ExxonMobil

ExxonMobil to grow shareholder value by meeting need for energy, essential products and lower-emissions solutions

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0525_ExxonMobil-to-grow-shareholder-value-by-meeting-need-for-energy

 

5/25 Shell

Shell completes sale of retail and lubricants businesses in Russia

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2022/shell-completes-sale-of-retail-and-lubricants-businesses-in-russia.html

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荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021年(度)業績比較 (8)

2022-05-27 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf

 

荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021()業績比較 ()

2.営業キャッシュフロー 

(稼ぐ力に大きな内外格差!)

(1)2021年(度)営業キャッシュフロー

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-04.pdf 参照)

 2021年(度)の営業キャッシュフローを比較するとENEOSは2,095億円(19億ドル、換算レート:112円/ドル)であり、出光は1,461億円(13億ドル、換算レート:112.4円/ドル)であった。一方メジャー5社はExxonMobilが481億ドルと最も大きく、次いでShell(451億ドル)、TotalEnergies(304億ドル)、Chevron(292億ドル)、bp(236億ドル)であった。

 

 メジャーズ5社の営業キャッシュフローはいずれも200億ドル以上であり、これに対してENEOS及び出光は最も多いExxonMobilの25~33分の1に過ぎず、bpと比較してもその10分の1以下である。内外の石油企業は営業の稼ぐ力に大きな格差がある。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021年(度)業績比較 (7)

2022-05-26 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf

 

2.売上高利益率 (続き)

(コロナ禍の影響少なく2年連続で利益率が向上したENEOS/出光!)

(2)2018年(度)~21年(度)売上高利益率の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-13.pdf 参照)

 2018年(度)から2021年(度)までの4年間の売上高利益率の推移を見ると、メジャーズと邦系2社の動きは大きく異なる。即ち、メジャーズ5社は2020年にいずれも利益率が大幅なマイナスに落ち込んだのに対し、ENEOS及び出光は2020年度、21年度ともプラスであり、しかも2年連続で利益率が向上していることである。

 

 具体的に年(度)の推移を見ると、2018年(度)はChevronが9.3%で最も高い利益率を示し、以下ExxonMobil(7.2%)、Shell(6.0%)、TotalEnergies(5.5%)、bp(3.1%)、ENEOS(2.9%)、出光(1.8%)であった。2019年(度)はChevronの利益率が急下降(2.1%)したが、その他メジャーズ4社はほぼ横ばいであった。これに対してENEOS/出光両社は共にマイナスとなっている。これは先に「利益」の項でも触れたが、2020年初にコロナ禍が始まり、同年1-3月に大きな損失が発生しており、4-3月決算の邦系2社に影響したためである。

 

 2020年(度)はコロナ禍が企業業績を大きく圧迫しメジャーズ5社を直撃している。利益率もbp(▲18.6%)を筆頭にExxonMobil、Shellは▲12%台、Chevron、TotalEnergiesも▲5%台の損失率となった。しかし邦系2社は原油価格の製品価格への転嫁を認める政府のエネルギー政策のおかげで損失を出さずプラスの利益率となっている。

 

2021年(度)は原油価格が回復、メジャーズ各社の利益率はいずれも2018年を上回っている。ENEOS/出光の2社は原油価格の転嫁に加え円安により在庫評価が高くなったことにより、前年度を上回る利益率を達成している。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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石油と中東のニュース(5月26日)

2022-05-26 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

 

(中東関連ニュース)

・NATO加盟問題で北欧2カ国代表団がトルコ訪問

・トルコ外相、15年ぶりにイスラエル訪問。関係再活性化に取り組む

・トルコ、6年前のギュレン派政権転覆事件の全裁判終結

・UAEで初のサル痘感染者発生

・ヨルダン:アカバ湾経済特区の計画作成にJICAが協力

 

 

 

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荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021年(度)業績比較 (6)

2022-05-25 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf

 

2.売上高利益率 

(bpとほぼ同等のENEOS/出光、ロシア経済制裁問題を免れトップのChevron!)

(1)2021年(度)売上高利益率

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-03.pdf 参照)

 2021年(度)の売上高利益率を比較するとENEOSは4.9%、出光は4.2%であり、メジャーズ5社の中で最も低いbp(4.6%)とほぼ同じ水準であった。メジャーズの中で最も利益率が高かったのはChevronの10%であり、ENEOS或いは出光の2倍以上である。なおExxonMobil、Shell及びTotalEnergiesは共に8%前後であり、Chevronのみが二桁の利益率を確保している。同社は他のメジャー4社が対ロシア経済制裁問題で巨額の損失を余儀なくされた中で、その影響を免れ高い利益率を示している。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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荒波に翻弄される国際石油企業と政策に守られる邦系石油企業:2021年(度)業績比較 (5)

2022-05-24 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0559MajorEneosIdemitsu2021.pdf

 

2.売上高 (続き)

(原油価格とほぼ連動するメジャーズ、影響の薄いENEOS/出光!)

(2)2018年(度)~21年(度)年間売上高の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-12.pdf 参照)

 2018年(度)から2021年(度)までの4年間の年間売上高の推移を見ると、まず目につくのは原油価格との連動性である。メジャーズ5社は原油価格の変動との相関性が極めて高いのに比べ、邦系2社の売上高は相関性が低いことである。ENEOSと出光の変動が少ない理由は本稿の冒頭でも触れた通り原油価格の変動をほぼ自動的に製品価格に転嫁できる制度に助けられていることが主因である。と同時に国内の石油市場が成熟しており需要が好不況に左右されにくいためであると考えられる。

 

 具体的に年(度)の推移を見ると、2018年(度)はShellが3,884億ドルと最も多く、次いでbp2,988億ドル、ExxonMobil2,902億ドル、TotalEnergies2,094億ドルでChevronがメジャーズでは最も少ない1,589億ドルであった。これに対してENEOSは1,021億ドルと1千億ドルの大台を超えたが出光は399億ドルにとどまり、Shelの10分の1である。

 

 2018年のBrent原油年間平均価格は71ドル/バレルであったが、2019年は64ドル/バレルに下落、各社の売上も減少した(但し出光のみは売り上げがアップ)。7社の売上順位は変わらなかった。しかし2020年(度)には新型コロナ禍で世界の景気が一気に冷え込み、Brent原油価格も前年比で30%以上下落した結果、Shellの売上高は対前年比でほぼ半減1,805億ドルとなった。特にbpの落ち込みは激しく前年の2,784億ドルから1,091億ドルに激減している。一方、ENEOSは前年比21%の下落にとどまり、売上高(722億ドル)メジャーズで最も少ないChevron(945億ドル)の8割弱であった。

 

 2021年(度)にはBrent年間平均価格は前年の1.7倍に急上昇し、メジャーズトップのExxonMobilの売上高は2,856億ドルに急伸、他のメジャー各社も1.5倍或いはそれ以上の売り上げ増加となっている。これに対してENEOS、出光の売上は1.3倍弱にとどまり、メジャーズとの格差は再び大きくなっている。なおこの年(度)は各社とも前年比では売り上げが伸びたものの、出光以外は4年前の水準に戻っていない。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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石油と中東のニュース(5月24日)

2022-05-24 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・原油価格わずかに下落。Brent $112.43, WTI $109.72

・サウジ石油相:OPEC+の枠組みでロシアと行動を共にする

・サウジアラムコCEO:石油精製開発投資の必要性を強調

(中東関連ニュース)

・イラン大統領、オマーン訪問で12件のMoU締結

・イラン:革命防衛隊幹部、暗殺犯の銃撃で死亡

・ウクライナ紛争に仲介の用意あり:カタール首長、ダボス会議で演説

・サウジ皇太子、近くトルコ訪問。カショギ事件の溝埋める。 *

*レポート「どうなる?カショギ記者殺害事件の幕引き」(2019年4月)参照。

・トルコ、今年のインフレ予想は年率58%

・イラン/オマーン、ホルムズ海峡のHengam油田を共同開発

・サウジ国営ファンドPIF、Kigdom Holdingの株15億ドルを取得

・砂嵐、クウェイト空港襲う

・自由と安全のためカリブ海島国のパスポートを購入するレバノンの金持ち

 

 

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