石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(1/22-1/28)

2017-01-28 | 今週のエネルギー関連新聞発表

1/22 Shell Shell to sell stake in sadaf chemicals joint venture in Saudi Arabia to Sabic  

1/23 JXエネルギー マレーシア ペトロナスLNG9社 商業生産開始について 

1/25 石油連盟 木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 

1/26 ExxonMobil ExxonMobil to Release Fourth Quarter and Full Year 2016 Financial Results  

1/27 石油連盟 石油業界における地球環境保全の取り組み 

1/27 三井物産 グローバルエンジニアリングに資本参画し、次世代エネルギー事業開発で業務提携 

1/27 住友商事 オマーン最大の石油開発会社と油井管の長期契約を5年間更新 

1/27 Chevron Chevron Reports Fourth Quarter Net Income of $415 Million 

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(1月27日)

2017-01-27 | 今日のニュース

OPEC生産制限は日本向け供給に影響しない:Al Saadounサウジ石油省次官東京で語る

2014年以来生産停止中の旧中立地帯カフジ油田再開についてサウジ/クウェイト両国石油相が協議

・アブダビ国営石油ADNOC、日本、韓国に次いでインドで原油備蓄

オマーン、新日鉄住金と油井鋼管供給の戦略的パートナーシップ締結。  *

 

**新日鉄住金プレスリリース参照:
http://www.nssmc.com/news/20170127_200.html

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(1月25日)

2017-01-25 | 今日のニュース

・OPEC・非OPEC協調減産監視委員会の初会合開催、今後毎月17日に報告:OPECプレスリリース

・産油国減産ニュース受け原油価格安定。Brent $55.18, WTI $52.80

 

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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(56完)  

2017-01-25 | 中東諸国の動向

エピローグ

 

3.見果てぬ平和

 皮肉にも「アラブの春」が中東でそれまでにない大量の難民を生んだ。故郷で名も無くつつましく暮らしていた彼らはやむを得ず国境を越えて逃げ延びた。そもそも彼ら庶民にとって「国境」は自分たちが生まれる前に英国とフランスがサイクス・ピコ協定を結び自分たちの手の届かないところで勝手に線引きしたものであった。そして今、「IS(イスラム国)」によって自分たちの目の前で国境が「溶けて」行こうとしている。

 

 国境があるがために紛争に巻き込まれ故郷を追われる中東の難民の苦悩は、周囲を海に囲まれ地上の国境線を持たないがゆえに当たり前のように平和を享受している日本人には理解することはとても難しい。

 

 「国破れて山河在り」というのは東洋思想である。しかしイスラームの一神教の世界ではそのような自然観を持つことも難しいようである。アラブの年配者たちの間では「これもすべてアラーの思し召し」とばかり運命をあるがままに受け入れる者も多いが、現世の矛盾と不平等に内心の怒りをたぎらせる若者はアラーが約束した来世の天国に急ぐため、「殉教」の名のもとに自爆テロに走る。

 

 ITの世界を好む若者たちはテロリストにはならずインターネットのSNSを通じて社会改革を求める。彼らはSNSで独裁者打倒の反政府デモを呼びかける。呼びかけに応じて多数の若者が街頭に繰り出し独裁者の退陣を勝ち取ったのが「アラブの春」であった。しかしその後が続かない。それはなぜだろうか。インターネットで呼びかければ世の中がかなり簡単に動くことは実証された。しかし世の中を動かすことは簡単であっても、世の中を変えることはたやすくない。

 

 現状で見る限りアラブ世界では学生たち民主主義勢力の成果は部族勢力或いは宗教勢力が引き継いでいる。民主主義勢力は「成果を横取りされた」と嘆くが、それが現代アラブ・イスーラム世界の現実である。アラブ・イスラーム世界では部族という「血」の絆、そしてイスラームという「心」の絆は強く根を張っているが、民主主義に代表されるイデオロギーという「智」の絆が欠けている。イデオロギーは智(=頭脳)の産物であるが、中東にはそれが無いのである。だが「血」の絆、或いは「心」の絆では対立は解消されない。イデオロギーは必ずしも西欧流の民主主義である必要はないが、中東に何らかのイデオロギーが生まれなければ次なる平和への展望は開けないように思われる。

 

 「アラブの春」以前の独裁政治の長い窮屈な時代が今よりも平和であったという庶民の声が聞こえる。現実の混乱状況(カオス)の前ではそれは確かに一面の真理を突いている。「自由な平和は短く、窮屈な平和は長続きする。」ということであろうか。皮肉なパラドックスである。

 

 戦後70年、歴史は目まぐるしく変化した。変化の速さに慣れた現代人は、自分の生きている間に歴史が動くものと錯覚しているのかもしれない。その錯覚の先にあるのが永遠の平和であろう。中東の平和は見果てぬ夢なのであろうか? 夢で終わらせずいつか平和の女神から月桂冠を受け取る偉大な指導者が中東に現れることを願ってやまない。

 

(完)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

       荒葉一也

       E-mail; areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

       携帯; 090-91の57-3642

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(1月23日)

2017-01-23 | 今日のニュース

・原油価格2%上昇。Brent $55.49, WTI $52.42

・今日ウィーンでOPEC/非OPEC減産モニタリング委員会開催

 

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今週の各社プレスリリースから(1/15-1/21)

2017-01-21 | 今週のエネルギー関連新聞発表

1/16 国際石油開発帝石 アラブ首長国連邦アブダビ サター油田及びウムアダルク油田の権益期限の延長に関する基本合意について  

1/17 ExxonMobil ExxonMobil to Acquire Companies Doubling Permian Basin Resource to 6 Billion Barrels  

1/18 経済産業省 世耕経済産業大臣がアラブ首長国連邦を訪問しました 

1/18 出光興産 スイス連邦での有機 EL 材料開発会社設立について  

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(1月20日)

2017-01-20 | 今日のニュース

・サウジアラビアー日本、沖縄石油備蓄の契約3年間更新。ADNOCとも喜入備蓄で同様の措置

・米シェール石油の生産回復:IEA Birol議長がダボス経済フォーラムで講演

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(1月18日)

2017-01-18 | 今日のニュース

・サウジ石油相:石油需給バランスで6か月以後の生産制限継続の必要性乏しい

・ドル安とサウジの減産順守言明で油価Brent $56.52, WTI $53.15に上昇。

・イラン石油積みタンカーの保険料、来月からほぼ100%に

・Platts紙がLNG価格で日韓指標に次いで中東指標を開設

 

 

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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(55)  

2017-01-18 | 中東諸国の動向

エピローグ

 

2.増え続ける中東の難民

 国家間の戦争或いは国内で内戦が勃発すると何の罪もない市民に多くの犠牲者が出る。それは戦火に巻き込まれる死者や負傷者という形だけではなく、戦火に追われて住み慣れた土地や家を失い異郷を彷徨う難民になる者も少なくない。

 

 第二次大戦後の中東で難民が最初に発生したのはイスラエル独立戦争(第一次中東戦争)であった。彼らはパレスチナ難民と呼ばれ、イスラエル国内のパレスチナ自治区と周辺のヨルダン、レバノンに逃れた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に登録されたパレスチナ難民は450万人に達するとされる。レバノンには12の難民キャンプがあり45万人が劣悪な環境の中で暮らしている。

 

 パレスチナ難民問題が解決しないまま、最近になってさらに大規模な難民が発生した。「アラブの春」を契機にシリアで政府軍と反政府軍が衝突、さらに過激なイスラーム原理主義組織が「イスラーム国」(IS)の樹立を宣言するに及んで、シリア、イラクにまたがる紛争地帯で大量の難民が生まれたのである。「難民」を「量」として十把一絡げにしてしまう「大量の難民」という言い方には良心の呵責を感じるがほかに適切な呼び方が無い。

 

 シリア紛争で国外に逃れたシリア難民は約410万人、国内で避難生活を送っている人々は760万人に上ると言われる。実にシリアの総人口の約半数であり、世界の避難民総数の5分の1を占める規模に達している。シリアの内戦が泥沼状態になると共に国内避難民への救援物資は滞り、満足な栄養や医療が行き渡らなくなった。彼らはトルコ、レバノン、ヨルダン等の周辺国の難民キャンプを目指したが、キャンプ自体がすでに飽和状態である。

 

 そこで彼らは陸路伝いに徒歩で西ヨーロッパ、中でも移民に優しいとされるドイツを目指す。シリア難民の多くは都会暮らしの中流階級出身である。彼らは故郷の街にいるころから西ヨーロッパの平和で豊かな生活を知悉しており、一方「イスラーム国」(IS)の野蛮で非文明的な行状をインターネットで見るにつけ、ISが自分たちの街を支配した場合の恐怖感に怯えた。だから彼らはISの足音が近づくと、一切合財の家財道具を投げ売りしてトルコに逃げ延び、そこから西ヨーロッパを目指したのである。

 

 彼らは着の身着のままで地中海を渡ろうともがく貧しいアフリカ難民とは異なり、難民ではあっても無一物ではなかった。難民の定義づけではアフリカ難民は経済難民であり、これに対してシリア難民は政治難民である。そのシリア難民が命の次に大切にしたものがスマートフォンであった。徒歩で西に向かう彼らはスマートフォンで現在の居場所を確認するとともに、先を行く知人友人からどこの国境検問所が難民を受け入れそうか、或いは国境が閉鎖されている場合は無断越境が可能なルートを探る。さらにそれらの情報を自分たちの後を追っている友人や親戚に知らせる一方、すでにヨーロッパに移住している親族と連絡を取り合って落ち着き先を探す。スマートフォンはまさに命綱であった。

 

 

 しかしヨーロッパ各国の難民の受け入れも限界に近付いたようである。各国の経済負担の限界を超えたというよりもむしろ大量の移民がもたらす市民自身の失業に対する不安感或いはイスラームテロなどに対する政治的社会的恐怖心が蔓延してきた。すでに多くのアフリカ難民がヨーロッパの大都市周辺に定住し、そこで生まれ育った移民二世たちの失業率は高く、彼らのある者はイスラームの過激思想に染まり、自暴自棄に陥り都市での自爆テロに走るようになった。他方、白人たちの不安を掬い取るように極右勢力は移民排斥、イスラーム排斥を主張して国民の支持を集めている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

       荒葉一也

       E-mail; areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

       携帯; 090-9157-3642

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(1月16日)

2017-01-16 | 今日のニュース

・オマーン、OPEC協調減産のためPDO, Occidentalなど各社に削減生産量を指示

・トルドー加首相:オイルサンド開発はフェーズ・アウト

 

 

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