石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月30日)

2013-03-30 | 今日のニュース

・日本のイラン原油輸入2月分は昨年同月比3分の1の21.4万B/D。中国は81%増の52万B/D。イラン輸出量2月の128万B/Dから3月は140万B/Dに増加

 

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今週の各社プレスリリースから(3/24-3/30)

2013-03-30 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/28 JXホールディングス    JXグループ 「第2次中期経営計画」 および 「長期ビジョン」 の策定について http://www.hd.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20130328_01_0920492.html
3/28 昭和シェル石油    役員の新業務分担のお知らせ http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2013/0328.html
3/29 経済産業省    再生可能エネルギー固定価格買取制度に関する平成25年度新規参入者向け買取価格及び平成25年度の賦課金を決定しました http://www.meti.go.jp/press/2012/03/20130329001/20130329001.html
3/29 石油連盟    「今日の石油産業2013」の改訂・発行について http://www.paj.gr.jp/paj_info/press/2013/03/29-000627.html

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三大国際石油企業2012年度業績速報シリーズ(9)

2013-03-29 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0259SuperMajors2012.pdf

 

IV.三大国際石油企業の業績比較(下)

3.2008~2012年の石油・天然ガス生産量の比較
(1)石油生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93l.pdf 参照)
 2008年の石油生産量はExxonMobilが最も多く2,405千B/Dであり、BPがほぼ同じ2,401千B/Dであった。Shellはこれら2社より3割近く少ない1,771千B/Dであった。その後、ExxonMobilは2010年の2,422千B/Dをピークに減少傾向をたどり2012年には2,185千B/Dと、5年前に比べ10%近く落ち込んでいる。このような長期的な石油の生産減少は他の2社にも見られることであり、BP及びShellの2012年の生産量を2008年と比べるとそれぞれマイナス16%、マイナス8%となっている。

(2)天然ガス生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93m.pdf 参照)
 天然ガスの生産量の推移を見ると2008年及び2009年の2年間は3社の天然ガスの生産量に大きな変化はなかった。即ち2年間の各社の生産量は、ExxonMobilが9,095mcfd(08年)→9,273mcfd(09年)、Shellは8,569mcfd→8,483mcfd、BPは8,334mcfd→8,485mcfdであった。ExxonMobilは他の2社より5~8億cfd多く、ShellとBPは殆ど差がなかった。

 しかし2010年にExxonMobilのガス生産量は対前年比で31%の大幅な伸びを示して100億cfdを突破(12,148mcfd)、2011年も8%増加して132億cfdに達した。これに対してShellは2010年は対前年比で10%増加した(9,305mcfd)が2011年は90億cfdに減少し、BPは2010年、2011年と2年連続して減少、2011年の生産量は75億cfdとなり、ExxonMobilとShellおよびBPの差は拡大している。2012年はExxonMobilの生産量が減少する一方、Shellの生産量が増加したため両者の差は縮小している。このような推移の結果、5年前の2008年には大きな差が無かった3社の天然ガス生産量の差が拡大し、ExxonMobil、Shell、BPの順位が固定化しつつある。ExxonMobilが積極的なM&Aで生産増を図る一方、BPは2010年のメキシコ湾事故の対応に追われ天然ガス鉱区の売却を余儀なくされたためであり、3社の明暗がくっきりと分かれたのである。

(3)石油・天然ガス合計生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93n.pdf 参照)
 天然ガスを石油に換算し合計した生産量を見ると2008年はExxonMobilが3,921千B/D、BP 3,838千B/D、Shell 3,248千B/Dであり、ExxonMobilが3社のトップであるが、その差は大きくなかった。しかしExxonMobilは2010年以降に天然ガスの生産量を大幅にアップした結果、石油換算の合計生産量では4百万B/D台を維持しているのに対し、Shellは08年325万B/D→09年315万B/D→10年331万B/D→11年322万B/D→12年326万B/Dと5年間横這い状況である。またBPの場合は08年384万B/D→09年400万B/D→10年382万B/D→11年345万B/D→333万B/Dと過去4年間は生産量の下落が止まらない状況である。この結果、2008年、09年にExxonMobilと肩を並べていたBPは2012年にはShellと同じ生産水準に落ちている。

(完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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三大国際石油企業2012年度業績速報シリーズ(8)

2013-03-28 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0259SuperMajors2012.pdf

 

 

 

IV.三大国際石油企業の業績比較(中)

2.2008~2012年の売上・利益・設備投資の比較
(1)売上高の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93i.pdf 参照)
 ExxonMobilの2008~12年の5年間の売上高の推移4,774億ドル(08年)→3,106億ドル(09年)→3,832億ドル(10年)→4,864億ドル(11年) →4,823億ドル(12年)であった。また同期間中Shellは4,709億ドル→2,851億ドル→3,782億ドル→4,845億ドル→4,817億ドル と推移しExxonMobilをわずかに下回る規模であった。BPの場合は3,611億ドル→2,393億ドル→2,971億ドル→3,755億ドル→3,709億ドルであり、他の二社と隔たりがあった。

 各社とも2008年から2009年にかけて売上は急減した後、2010年、2011年と2年連続して売上は急増し、2011年に過去最高の売上を記録、2012年はほぼ横這いとなっている。5年間を通じて常にExxonMobilがトップを占めているがExxonMobilとShellの差は極めて小さい。BPは3社の中で常に売上が最も小さく、2010年以降は上位2社と一千億ドル以上の格差が続いている。

(2)利益と売上高利益率の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93j.pdf 参照)
 利益額は5年間を通じてExxonMobilが毎年トップであり、2008年、2011年及び2012年には400億ドル台の年間利益を計上している。2008年の利益が263億ドルであったShellは2009年には125億ドルに半減しBPにも追い抜かれたが、2010年以降の利益は201億ドル→309億ドル→266億ドルと回復している。しかしExxonMobilとの利益格差はむしろ拡大する傾向にあり、2011年はExxonMobilの75%であったが、2012年には59%にとどまっている。

 BPの場合は利益の変動が激しく、212億ドル(2008年)→166億ドル(2009年)→マイナス37億ドル(2010年)→257億ドル(2011年)→116億ドル(2012年) と2009年以降は激しいアップダウンを繰り返している。2010年に利益がマイナスに転落したのはメキシコ湾暴墳事故の影響である。翌2011年にはShellをしのぐ利益を計上し、スーパーメジャーの底力を見せたが2012年には再び急落している。メキシコ湾事故については今も巨額な民事訴訟のリスクを抱えており、またロシアにおいては現地合弁事業TNK-BPとロスネフチの合併問題を巡りTNK-BPのロシア側株主との合意形成が遅れロシアにおける事業拡大が足踏みするなどトラブルが相次いでいる。ExxonMobil、Shellのように安定した利益を維持することが最大の課題である。

 3社の2008年から2012年までの売上高利益率の推移を見ると、ExxonMobilは9.5%(08年)→6.2%(09年)→7.9%(10年)→8.4%(11年)→9.3%(12年)と平均8.3%の高い利益率を示している。Shellの場合は5.6%(08年)→4.4%(09年)→5.3%(10年)→6.4%(11年)→5.5%(12年)であり、ExxonMobilほどではないがほぼ5~6%の利益率を確保している。これに対しBPの場合は利益率の変動が激しい。同社の過去5年間の利益率は5.9%(08年)→6.9%(09年)→ マイナス1.3%(10年)→6.8%(11年)→3.1%(12年)であり、2009年には3社中で利益率が最も高かったがその後はぶれが激しい。

(3)設備・探鉱投資の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93k.pdf 参照)
 過去5年間の設備投資額はExxonMobilが261億ドル(08年)→271億ドル(09年)→322億ドル(10年)→368億ドル(11年) →398億ドル(12年)と毎年前年を上回るペースの投資を行っている。これに対しShellは2008年に351億ドルとExxonMobilを上回る投資を行ったが2009年以降は265億ドル(09年)→269億ドル(10年)→263億ドル(11年)と260億ドル台の水準の投資が続き、2012年に漸く300億ドル台に戻りしている(326億ドル)。BPの場合は毎年の投資額にかなり大きな変動が見られ、307億ドル(08年)→203億ドル(09年)→230億ドル(10年)→315億ドル(11年) →243億ドル(12年)であった。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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三大国際石油企業2012年度業績速報シリーズ(7)

2013-03-27 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0259SuperMajors2012.pdf

 

 

 

IV.三大国際石油企業の業績比較(上)

 シリーズI、II、IIIでExxonMobil、Shell及びBP(いわゆるスーパーメジャー)各社の業績を概観したが、シリーズIVはこれら3社を横並びで比較してみた。(2008~2012年各社業績比較一覧表参照)
http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-93.pdf 

1.2012年の売上・利益・投資の比較
(1)売上高
 (図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93f.pdf 参照)
 売上高が最も大きいのはExxonMobilの4,823億ドルであり、次いでシェルがほぼ同額の4,817億ドルである。BPの売上は3社の中で最も少ない3,709億ドルであり、ExxonMobil或いはShellの8割弱にとどまっている。

(2)利益
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93g.pdf 参照)
 ExxonMobilの2012年1-12月の利益は449億ドルであり、他の2社に比べ圧倒的に多い。Shellの利益は266億ドル、BPのそれは116億ドルであり、ShellはExxonMobilの6割、BPは3割弱にとどまっており売上高(上記)に比べ利益の開きが大きい。売上高利益率はExxonMobilの9.3%に対し、Shellは5.5%、BP3.1%であり、スーパーメジャーといわれる3社間の格差は大きい。

(3)設備・探鉱投資
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93g.pdf 参照)
 3社の設備投資額はExxonMobilが398億ドルと最も多く、次いでShellが326億ドル、BPは最も少ない243億ドルであった。BPは当期利益額を上回る設備投資を行っているもののその額はExxonMobilの6割にとどまっている。

2. 2012年の石油・天然ガス生産量の比較
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93h.pdf 参照)
(1)石油
 3社の中で2012年の石油生産量が最も多かったのはExxonMobilで平均日産量は2,185千B/Dであった。これに次ぐのがBPの2,055千B/D、シェルは3社の中で最も少ない1,633千B/Dであった。BPはExxonMobilの94%、Shellは75%にとどまり、特にShellは石油生産部門が他の2社に比べてかなり劣っていると言える。前年(2011年)の生産量と比較するとExxonMobil5.5%減、Shell2%減、BP4.7%減であり、3社とも減少している。3社とも近年の石油生産量は低落傾向にあり問題含みと言えそうである。

(2)天然ガス
 3社の天然ガス生産量はExxonMobilが123億立法フィート/日(以下cfd)、Shell 94億cfd、BP 74億cfdであった。これを昨年と比べると、ExxonMobilは6.4%減、Shell5.2%増、BP1.7%減でShellのみが前年比で増加しており、ExxonMobilの落ち込み幅が大きい。

(3)石油・天然ガスの合計生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93h.pdf 参照)
 上記(2)の天然ガス生産量を石油に換算し、(1)の石油と合計した生産量で比較すると、合計生産量が最も多いのはExxonMobilの4,239千B/Dであり、これに次ぐのがBP(3,331千B/D)、Shellは3社の中では最も少ない3,262千B/Dであった。ExxonMobilは他の2社に比べかなり生産量に差がある。

 各社の石油と天然ガスの比率はExxonMobilが52%対48%、Shellが49%対51%でほぼ同量であるが、ExxonMobilは石油が天然ガスより多いのに比べ、Shellは逆に天然ガスが石油の生産量を上回っている。BPは石油62%、天然ガス38%であり他の2社に比べ石油の比率が高い。

 なおShellの決算資料にはLNGの販売量として2,020万トン(年間)が示されており、Shellの売上高がBPを上回っているのはそのためと考えられる。(BP、ExxonMobilもLNGを取り扱っていると考えられるが、具体的な数値がホームページの決算概要に示されていないのでLNGに関して3社を比較することはできない。)

 因みにBP統計(BP Statistical Review of World Energy 2012)による2011年の国別生産量とこれら3社を比較すると、ExxonMobilは世界第6位のカタール(合計生産量4,253千B/D)とほぼ並んでおり、BPとShellは同10位ノルウェー(同3,787千B/D)と11位ベネズエラ(同3,258千B/D)の中間に位置している。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月26日)

2013-03-26 | 今日のニュース

・原油100ドルは適正価格:サウジアラビア・クウェイト両石油相が口を揃えて発言

・カタールとアルジェリアがLNG船を共同運航

 

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三大国際石油企業2012年度業績速報シリーズ(6)

2013-03-26 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括ご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0258Bp2012.pdf

 

III.BPの業績(下)

2.2008~2012年の業績推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93eBp.pdf参照)
2008年から2012年までの過去5年間のBPの売上、利益、設備投資及び生産量は以下の通りであった。

(1) 売上高
 2008年に3,611億ドルであったBPの売上は原油価格が急落したため2009年には34%減の2,393億ドルに減少した。その後2010年は2,971億ドルに回復、2011年には過去5年間で最高の3,755億ドルに達し、2012年もほぼ横ばいの3,709億ドルであった。
 後述するように生産量は2008年から2009年にかけて4.2%増加した後は毎年減少を続けており、売上高の増減と全く逆の様相を示している。つまり売上高の増減はひとえに石油価格の急騰と急落によるものであり、売上高と生産量には相関関係が無いのである。

(2) 利益
2008年に212億ドルの利益を計上したBPは2009年には166億ドルにとどまった。この額はShell(125億ドル)よりも多く、ExxonMobil(193億ドル)に比べ遜色がなかった。しかし2010年以降の同社の損益は不安定な状況を示している。即ち2010年はメキシコ湾事故の影響により37億ドルの赤字となり、翌2011年は石油価格の高騰により一転して史上最高の257億ドルを計上した。しかし2012年はメキシコ湾事故に関する米国政府との補償問題が決着した結果、改めて事故関連の損失50億ドルを計上したことにより同年の利益は前年比23%減の116億ドルとなった。メキシコ湾事故の民事訴訟は未だ最終決着しておらず今後も同社の業績の足を引っ張る可能性が残っている。

(3) 設備・探鉱投資額
 同社の投資額は2008年307億ドル、2009年203億ドル、2010年230億ドル、2011年315億ドル、2012年243億ドルであった。同社は過去5年間、毎年利益額を上回る投資を続けており、メキシコ湾事故で巨額の損失を計上した2010年も高い投資水準を維持し、2011年及び2012年は当年度利益を大幅に上回る投資を行っている。但し次項に述べるごとく生産量は2009年をピークに毎年減少しており短期的には投資の効果が見られない。

(4) 生産量(石油及び天然ガスの合計生産量)
 2008年に384万B/Dであった生産量は2009年には400万B/Dに達した。しかし翌2010年には382万B/Dに減少、その後2011年345万B/D、2012年333万B/Dに減少、BPは生産の低落傾向に歯止めがかからない状態である。

(BP編 完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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三大国際石油企業2012年度業績速報シリーズ(5)

2013-03-25 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括ご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0258Bp2012.pdf

 

III.BPの業績(上)

(注)詳細は下記同社HP参照。
http://www.bp.com/extendedgenericarticle.do?categoryId=2012968&contentId=7083528
 
1.2012年の売上・利益・投資及び生産量
(1)売上高
 BPの2012年1-12月の売上高は370,866百万ドルであり、前年度の売上375,517百万ドルに対し1.2%の減収であった。後述するように同社の石油・ガスの生産量は対前年比で3.6%減であったが、売上が微減にとどまったのは石油価格が高値を維持したためである。

(2)利益・損失
 BPの2012年1-12月の利益は11,582百万ドルであり、前年比マイナス22.8%減であった。BPの損益は2010年のメキシコ湾原油漏出事故以来不安定な状況を呈している。部門別で見ると上流部門の利益は258億ドル(ロシアTNK-BP社を含む)、下流部門は28億ドルの合計287億ドルであり、Shellの利益266億ドル(前章参照)を上回っているが、メキシコ湾事故による50億ドルを含め巨額の損失を計上したため、最終利益はShellの半分以下に留まっている。BPはメキシコ湾事故の後遺症が尾を引いており、その他ロシアの合弁企業TNK-BPの内紛を抱え、三大メジャーの中では先発していたロシア事業においてExxonMobilに先を越されるなど経営ミスが続いている。また最近ではアルジェリアの天然ガスプラントが国際テロ組織に襲撃される事件も受けている。同社の今後の利益見通しには不透明な要素が少なくない。

(3)設備・探鉱投資
 2012年度の投資総額は24,342百万ドルであり、前年に比べ23%の減少である。投資を上流部門、下流部門およびその他部門に分けると、上流部門には全体の73%を占める17,859百万ドルが配分されている。下流部門は5,048百万ドル(全体の21%)であり、その他部門は1,435百万ドル(同6%)であった。

(4)石油・天然ガスの生産量
 2012年の生産量は石油が一日当たり平均206万バレル(ロシアTNK-BPの88万バレルを含む。以下B/D)であり、天然ガスは日産74億立法フィート(以下億cfd、TNK-BP8億cfdを含む)である。天然ガスを石油に換算し石油と合計した場合は333万B/Dに達する。
 石油生産量を地域別にみると、最も多いのはロシアの88万B/Dであり、続いて米国が39万B/D、欧州11万B/D、その他地域68万B/D(詳細不明)である。BPは石油生産の4割をロシアに依存しておりExxonMobil, Shellに見られない特色である。一方天然ガスについては米国が全体の22%(17億cfd)を占めている。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月24日)

2013-03-24 | 今日のニュース

・サウジアラビアでシェールガス試掘着手。推定埋蔵量は600億立法フィート

・アブダビ、Babガス田開発、近くShellに発注

・アブダビMubadala、日本のINPEXとインドネシアガス田を開発。 *

・仏Total、従来の15倍のデータ処理スピードのスーパーコンピュータ開発。 **

 

*INPEXニュースリリース参照。

http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2013/20130321.pdf

**Total社ニュースリリース参照。

http://www.total.com/en/press/press-releases/consultation-200524.html&idActu=2945

 

 

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今週の各社プレスリリースから(3/10-3/23)

2013-03-23 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/12 METI    海底面下のメタンハイドレートから天然ガスの生産を確認しました~メタンハイドレートの世界初海洋産出試験を開始~ http://www.meti.go.jp/press/2012/03/20130312002/20130312002.html
3/18 出光興産/三井物産    出光興産、三井物産は米国でアルファオレフィン製造・販売事業の検討に関する基本契約を締結しました http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2012/130318.pdf
3/18 東燃ゼネラル   石油製品供給体制に関する協業について http://www.tonengeneral.co.jp/news/uploadfile/docs/%5BFor%20Internet%5D20130318_J.pdf
3/18 Total    Total Sells 25% Interest in Italy's Tempa Rossa Field to Mitsui http://www.total.com/en/press/press-releases/consultation-200524.html&idActu=2941
3/18 三井物産    仏トタール社保有イタリア陸上油田の一部権益を取得 http://www.mitsui.com/jp/ja/release/2013/1199944_4689.html
3/19 石油資源開発/三菱商事    インドネシア共和国カンゲアン鉱区のテランガス田における原油換算累計生産量、1千万バレル達成 http://www.japex.co.jp/newsrelease/pdf/20130319_Kangean_TerangGasField_Reashes10millionBarrels_J.pdf
3/21 INPEX    インドネシア共和国 南マカッサル海域ウエストセブク鉱区(探鉱鉱区)の落札について http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2013/20130321.pdf
3/21 Total    Total inaugurates its new Pangea supercomputer, ranking it among the global top ten in terms of computing power http://www.total.com/en/press/press-releases/consultation-200524.html&idActu=2945
3/22 BP    BP to Buy Back $8 billion of Shares, Returning its 2003 Investment in TNK-BP to Shareholders http://www.bp.com/genericarticle.do?categoryId=2012968&contentId=7085356
3/22 三井物産/丸紅    ブラジル沖合プレソルト層下油田イラセマ・ノルテ鉱区向け 超大水深対応FPSO傭船事業に三井物産、商船三井及び丸紅が参画 http://www.mitsui.com/jp/ja/release/2013/1200000_4689.html

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