石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(12月31日)

2019-12-31 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油、3か月ぶりの高値に。Brent $68.56, WTI $61.82

・ExxonMobil、エジプトの海上鉱区170万エーカーを買収

(中東関連ニュース)

・ゴーン元日産会長がベイルートに逃亡。日本出国ルートは不明

・ドバイ来年予算歳出17%増の181億ドル。万博で歳入増期待

・イラク、米空爆で25人死亡。抗議の声あがる

 

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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(20)

2019-12-29 | 今日のニュース

(英語版)

(アラビア語版)

第2章:戦後世界のうねり:植民地時代の終焉とブロック化する世界

 

荒葉 一也

E-mail: areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

 

6.立ち上がるパレスチナ人

 1956年の第二次中東戦争ではエジプトはスエズ運河の国有化を国際社会に認めさせたことにより政治的な勝利を得た。しかし軍事的には間違いなく敗北であった。結果としてエジプトのナセル大統領はアラブの英雄として讃えられたものの、パレスチナに住み続け或いはパレスチナからヨルダンなどの隣国に移住した「パレスチナ人」と呼ばれる人々は歴史の渦にのみこまれる羽目に陥った。

 

そもそもパレスチナとはシリア南部地中海東岸の地域的名称である。そこには古代からセム系の民族が住んでいたが、歴史に登場する最も古い部族はヘブライ語を話すユダヤ教徒である。彼らはパレスチナを自分たちに約束された土地イスラエルと称した。イスラエルとはユダヤの祖先アブラハムの孫ヤコブの別名である。

 

 しかしもちろんここに住んでいたのはユダヤ教徒だけではない。むしろ住民の多くはアラブ人である。キリスト生誕の紀元後はローマ帝国が支配し、キリスト教の勢力下に入る。そして7世紀にイスラームが興るとそこはアラブ人イスラム教徒の世界となり、その後1300年の間イスラームが支配する平穏な世界であった。もちろん地域の小競り合いが無かった訳ではないが、ヨーロッパや他のアジア地域に比べれば極めて平和な世界であったことは間違いない。オスマン帝国など歴代王朝の過酷な圧政があったことは否定できないが、それはヨーロッパやアジアでも同じだった。とにもかくにもパレスチナの住民たちは平和な暮らしを続けてきた。

 

 その平和を破ったのが20世紀の初めヨーロッパのユダヤ人たちが唱え出したパレスチナ祖国建設運動である。ロスチャイルドなど豊かな同胞の支援を受けて貧しいユダヤ人たちが大挙してパレスチナに押しかけ、先住民であるイスラム教徒(ムスリム)のアラブ人を圧迫した。ユダヤ人たちは「国無き民に民なき土地を」と言う巧妙なスローガンでパレスチナ入植を正当化した。しかしパレスチナが「民なき土地」ではないことは誰の目にも明らかである。

 

結局パレスチナのアラブ人たちの多くは土地を追われ難民となってヨルダンなど隣国のアラブ諸国に移り住んだ。その動きを加速したのが第一次中東戦争、いわゆるイスラエル独立戦争である。70万人ともいわれるパレスチナ人が祖国を追い出された。祖国に残り或いは祖国を離れたアラブ人たちは以後「パレスチナ人」と呼ばれるようになった。親子代々パレスチナに住み続けた彼ら自身にはそもそも「パレスチナ人」などと言う意識は無かったはずである。第二次大戦後、国民国家が当たり前となり誰しもが「何々国民」として色分けされる世界になり、パレスチナにパレスチナ人が生まれたのである。

 

彼らパレスチナ人はいつの日にかアラブの同胞が自分たちの土地を取り戻してくれると信じ、1948年の第一次中東戦争(イスラエル独立戦争)さらには8年後の第二次中東戦争(スエズ戦争)に耐え抜いてきた。第一次中東戦争ではイスラエルなど一ひねりで潰してみせると豪語したアラブ諸国の為政者たちに裏切られた。そして第二次中東戦争(スエズ戦争)ではエジプト軍とイスラエル軍の装備と戦闘能力の差をいやと言うほど見せつけられた。結局第一次中東戦争ではアラブ連合軍が単なる烏合の衆に過ぎなかったことを思い知らされ、第二次中東戦争ではスエズ運河の国有化を勝ち取ったナセル大統領ただ一人が英雄となった。パレスチナ人の心の中にはアラブ陣営が束になってもイスラエルには勝てないと言う無力感が残っただけであった。まさに「一将功成って万骨枯る」である。パレスチナ人はアラブの同胞に失望した。

 

パレスチナ人たちに残された道はただ一つ、自ら立ち上がることであった。1964年、彼らはパレスチナ人の民族自決と離散パレスチナ人の帰還を目的とするパレスチナ解放機構(PLO)を結成する。

 

(続く)

ホームページ:OCININITIATIVE 

(目次)

 

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石油と中東のニュース(12月29日)

2019-12-29 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・ロシア石油相:OPEC+の減産の幕引き検討を示唆。 *

・イラク、反政府デモ拡大のため南部バスラの油田生産を停止

*レポート「OPEC+の減産強化は持続可能か?」(2019年12月)参照。

 

(中東関連ニュース)

・イラン、インド洋でロシア、中国と共同軍事演習

・対リビア政策巡り利害対立するトルコとロシア。1/8日、プーチン大統領トルコ訪問で諸懸案を協議

・イスラエル、リクード党首選でネタニヤフ首相が6選

・オマーン、外国投資法施行。100%外資可能に

・1月5日からサウジ・ダカール・ラリー開催、62カ国からドライバー550人が参加

 

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石油と中東のニュース(12月27日)

2019-12-27 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

・トルコ大統領、チュニジアを電撃訪問、年明け議会でリビア派兵の承認必至

 

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サウジ・カタール・UAE間の磁場に微妙な変化 (2/2)

2019-12-26 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0490GccSummit2019.pdf

 

(英語版)

 

(アラビア語版)


カタールと争う余裕の無くなったサウジアラビア

 ここにきてサウジアラビアの動きに変化が見え始めた。GCCサミットでは内外の諸問題に対する結束を掲げたが、カタールボイコット問題には触れなかった[1]。サルマン国王はサミット前にトランプ大統領と電話会談を行っている。会談はその数日前にフロリダの海軍基地で発生したサウジ人パイロット訓練生による銃撃事件に対する謝罪と釈明が主目的であったと報じられているが[2]、その時トランプ大統領からGCCの和解を強く指示(恫喝?) されたことはほぼ間違いないであろう。またサミット以外の場でも今秋カタールで開催されたサッカーの湾岸カップでは試合をボイコットすることなく自国チームを送り込んでいる。これまでGCCの雄として力にものを言わせて牛耳ってきたサウジアラビアが明らかに弱気になっている。カショギ事件でサウジアラビアのイメージは大きく傷つき、汚職摘発に名を借りた政敵逮捕劇により国内民間財閥の信頼を失い、さらに石油を武器とするOPEC戦略もままならない現状で、サウジアラビアはカタールと争っている余裕はないのである。こうしてサウジとカタールの磁場は反発から融和に変わりつつある。

 

サウジとUAE間に隙間風

 しかしその反動としてサウジとUAEの間に隙間風が吹き始めた。UAEのGargash外務担当国務相はサミットの後、カタール問題の片がついた訳ではない、とツイートしサウジとカタールの和解の気配に不快感を示している[3]。またイエメン問題を巡ってもUAEはサウジと一線を画す姿勢である。イエメン内戦でサウジとUAEは国連のお墨付きを得てアラブ連合軍を結成、イランが後押しするフーシ派反政府勢力を空爆し正統政府を支援してきた。しかしフーシ派と攻防を繰り返すうちに両国の立ち位置が変化した。即ちサウジがリヤドのイエメン亡命政府を支援したのに対し、UAEは勢力が正統政府より有力とされる南部独立勢力を支援したのである。事態はイエメン政府勢力の内部抗争に発展、フーシ派掃討どころではなくなった。意図せぬ成り行きにUAEは嫌気がさしてイエメンからの撤退を決定、後始末をサウジにゆだねた。イエメン問題でもサウジとUAEの間に隙間風が吹き出したのである。両国間の磁場は親和から反発に変わりつつある。

 

悠然と構えるカタール

 サウジはカタールボイコットの当初、自己の圧倒的な力を過信し、いずれカタールが屈すると見ていた。ところがその後様相は一転、今ではサウジが慌てふためき、カタールは悠然としている。カタールはトルコから食料品を輸入し、またトルコ軍を駐留させることでボイコットの影響力を最小限に抑え込んだ。さらにOPECを脱退し天然ガスの増産とLNG拡販に力を注いでいる。最近ではマレーシアのマハティール首相が開いたイスラム国際会議にトルコのエルドガン大統領、イランのロウハニ大統領等とともに出席している。この会議についてはサウジアラビアとその息のかかったOIC(イスラム協力機構)が分派活動だとして強く反対したがカタールは意に介さない[4]

 

 GCC内部の磁場が微妙に変化しつつある。GCCの結束が今後どうなるのか、はたまたGCCそのものが瓦解するのか、当分目が離せない。

 

以上

 

 

本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

荒葉一也

Arehakazuya1@gmail.com



[1] GCC summit calls for greater economic and defense unity among Gulf countries

2019.12.10 Arab News

https://www.arabnews.com/node/1596771/saudi-arabia

[2] King Salman leads Saudi official condemnations of Florida attack

2019/12/7 Arab News

https://www.arabnews.com/node/1595296/saudi-arabia

[3] Qatar should address issues raised by four states, says Gargash

2019/12/12 Khaleej Times

https://www.khaleejtimes.com/region/qatar-crisis/uae-minister-issues-statement-on-solution-to-qatar-crisis-

[4] Organization of Islamic Cooperation: Malaysia meeting runs against Muslim community interests

2019/12/18 Arab News

https://www.arabnews.com/node/1600941/saudi-arabia

 

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石油と中東のニュース(12月25日)

2019-12-25 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・サウジ/クウェイト、旧中立地帯カフジ及びワフラ油田の操業再開に合意

・クウェイト、アジア向け原油価格算定方式を来年2月から変更

(中東関連ニュース)

・シリア、イドリブ空爆で逃げ場失う住民。トルコ、仏はシリア政府軍侵攻抑制を要望

・サウジ、カショギ事件の第一審で死刑5人、3人有罪、3人無罪の判決。 *

・レバノン、30年ぶりに人口動態統計発表。人口480万人、14歳以下が24%

・サウジ ジェッダ港の運営権をドバイDP Worldに24億ドルで譲渡

・ドバイエミレーツ航空のTim Clerk実力CEO、来年6月末に退任

 

*レポート「どうなる、カショギ事件の幕引き」(2019年4月)参照。

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サウジ・カタール・UAE間の磁場に微妙な変化(1/2)

2019-12-23 | 中東諸国の動向

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0490GccSummit2019.pdf

 

(英語版)

(アラビア語版)

GCCサミットにカタール首相出席

GCC6か国の首脳が一堂に会する恒例のGCCサミットが12月10日サウジアラビアのリヤドで開催された。サルマン国王の呼びかけに応じクウェイト及びバハレーンから首長と国王が参加した。UAE及びオマーンはいずれもトップの健康状態が良くないため、UAEは副大統領兼ドバイ首長が、またオマーンは第一副首相が出席した。オマーンの場合、首相を兼務するカブース国王は会議直前にメディカルチェックのため、ベルギーに出国、14日に帰国している[1]。カタールはタミーム首長本人が出席するかどうか注目を集めたが、結局No.2のアブダッラー首相が代理出席したのであった[2]

 

カタールのタミーム首長は1979年生まれの40歳であり、6カ国首脳の中では最も若く健康そのものである。病気を理由に欠席を続けるUAEあるいはオマーンのトップとは異なりサミット出席には何の支障もないはずである。因みに今年90歳のクウェイト首長は9月に米国の病院で何度目かの治療入院を行っており写真で見る限り明らかに衰えが目立つ。GCCの結束維持に執念を燃やす首長は病を押してサミットに出席しているのである。

 

GCCの磁場:引き合うサウジとUAE、反発するサウジ/UAEとカタール

カタール首長が欠席した理由は2年前にサウジとUAEがバハレーン及びエジプトを伴って同国と断交したことが原因である[3]。この時4カ国はカタールに対して、イランとの外交関係のレベルをさげること、ムスリム同胞団と関係を断つこと、アルジャジーラを閉鎖すること、トルコ軍の駐留を直ちに中止すること、など13項目の要求を突き付けた。カタールとしては到底容認できるものではなく、両者は断交して現在に至っている。

 

 サウジアラビアとアブダビの両ムハンマド皇太子は宿敵イラン打倒を掲げて固く結束しており、このことが対カタール断交の基本にある。またイエメン内戦においてもサウジとUAEは国連が認めるハーディー政権を支持し、反政府勢力のフーシ派を支援するイランとの間で代理戦争の様相となり、イエメン紛争は泥沼化している。こうしてGCC内部の磁場はサウジとUAEが強く引き合い、この2か国とカタールが反発しあう構図を呈している。

 

病身の体で調停に奔走するクウェイト首長

 このようなGCC内部の混乱した状況を懸念しているのが米国とクウェイトである。米国のトランプ大統領は今やイスラエルを脅かす唯一最大の脅威であるイランを抑え込むためGCCを最初の防波堤と位置付けている。GCCそのものはあまり頼りにならないため、米国は自国の空軍基地をカタールに、また海軍基地をバハレーンに設けている。さらにごく最近サウジの石油施設にイランとみられるドローン攻撃があったためサウジアラビアの要請に応じ米軍3千名を増派したばかりである[4]。米国はカタールとサウジとの対立を看過できない。

 

またクウェイトはかつてフセイン政権時代のイラクに国土を蹂躙された苦い経験があり、外敵に対してGCCが結束する必要性を痛感している。このためサバーハ首長は病身の体でこれまでも幾度か仲介に奔走している。9月の米国治療時にはトランプ大統領との会談を試みているほどである[5]

 

(続く)

 

 

本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

荒葉一也

Arehakazuya1@gmail.com



[1] His Majesty the Sultan leaves for Belgium for medical check-up

2019/12/8 Muscat Daily

https://muscatdaily.com/Oman/385511/His-Majesty-the-Sultan-leaves-for-Belgium-for-medical-check-up

及び

His Majesty the Sultan returns from Belgium

2019/12/14 Muscat Daily

https://muscatdaily.com/Oman/385575/His-Majesty-the-Sultan-returns-from-Belgium

[2] GCC summit calls for greater economic and defense unity among Gulf countries

2019.12.10 Arab News

https://www.arabnews.com/node/1596771/saudi-arabia

[4] Deployment of 3,000 US troops to Saudi Arabia almost complete

2019/11/19 Arab News

https://www.arabnews.com/node/1586641/saudi-arabia

[5] Kuwait Amir continues medical tests, postpones Trump meeting

2019/9/8 The Peninsula

https://www.thepeninsulaqatar.com/article/08/09/2019/Kuwait-Amir-continues-medical-tests,-postpones-Trump-meeting

 

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2024年のイスラム経済規模は7兆ドル―Global Islamic Economy Report 2019/20の概要 (6完)

2019-12-23 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0489GlobalIslamicEconomy2019-20.pdf

 

4.イスラム・ライフスタイル別市場の規模(続き)

 

(ムスリム向け医薬品輸出は欧米が独占!)

 

4-5 医療 (Halal Pharmaceuticals)

 

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-O-07a.pdf 及びhttp://menadabase.maeda1.jp/2-O-07b.pdf 参照)

 

 2018年の全世界のハラール医薬品支出総額は920億ドルであったが、国別ではトルコが110億ドルと最も多い。これに次ぐのがサウジアラビアの80億ドル、米国70億ドル、インドネシア50億ドル、アルジェリア40億ドルと続いている。イラン、ロシア、ドイツ、パキスタン及びフランスの支出額はいずれも30億ドルである。

 

 

 

 これに対してハラール医薬品の輸出額はドイツが51億ドルと最も多く、2位はフランスの44億ドル、3位米国35億ドルである。4位はインド、5位英国でありハラール医薬品の輸出は欧米諸国がほぼ独占している。

 

 

 

(今後の成長率が最も高い化粧品!)

 

4-6 化粧品 (Halal Cosmetics)

 

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-O-08a.pdf 及びhttp://menadabase.maeda1.jp/2-O-08b.pdf 参照)

 

 ハラール化粧品の世界市場は640億ドルであり、ハラール食品の20分の1に過ぎず、アパレル・ファッション、メディア・娯楽に比べてもかなり小さい。しかし今後の伸び率は年間8.1%で6分野の中では最も高い。

 

 

 

 国別ではインドの消費額が年間60億ドルで最も多い。インドに次いで消費額が多いのはインドネシア、ロシア、マレーシア、トルコなどが年間40億ドル程度とみられる。

 

 

 

 輸出額で見ると、ハラール化粧品の輸出が最も多いのはフランスの26億ドルである。これに次ぐのがUAE(12億ドル)、ドイツ(11億ドル)、米国(10億ドル)である。UAEは自国で生産しておらず、全て世界各地から輸入した製品の再輸出である。化粧品も前項の医薬品と同様、ほぼ欧米の独占状況のようである。

 

 

 

以上

 

 

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

 

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

 

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

 

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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石油と中東のニュース(12月23日)

2019-12-23 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・サウジ-クウェイト旧中立地帯の操業再開へ。サウジ石油相一行が今週クウェイト訪問調印の見通し

・露-独天然ガスパイプラインNord Stream 2、米の制裁法案懸念し工事中断

(中東関連ニュース)

・イラン、ロウハニ大統領:日本が米主導の湾岸合同査察に参加しないことを歓迎

・ロシア支援のシリア政府軍、北西イドリブの反政府拠点を次々攻略

・レバノン、新首相候補に大規模反対デモ。スンニ派最大勢力Hariri前首相との協議難航で組閣めど立たず

・トルコ、2020年予算を国会承認。赤字234憶ドル

・米の経済制裁回避のためイラン企業がトルコに会社設立。今年1-10月だけで外国系最大の800社

・UAE、来年のラマダンは4月24日開始の予定

・オマーン、ゴルフ協会を設立。ゴルフ産業の発展目指す

・アブダビEtihad航空とクウェイト航空が来年初からコードシェア

・サウジ リヤドで日本人DJスティーヴ青木のパフォーマンスに観客熱狂

 

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2024年のイスラム経済規模は7兆ドル―Global Islamic Economy Report 2019/20の概要 (5)

2019-12-22 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0489GlobalIslamicEconomy2019-20.pdf

 

 

4.イスラム・ライフスタイル別市場の規模(続き)

 

(米国、ロシア、英国など非イスラム国が上位に!)

 

4-3 メディア・娯楽 (Halal Media and Recreation)

 

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-O-05a.pdf 及びhttp://menadabase.maeda1.jp/2-O-05b.pdf参照)

 

 ムスリム向けメディア・娯楽の支出額は2018年に世界全体で2,200億ドルに達している。最も多かったのはトルコの290億ドルであり、ついで米国220億ドル、ロシア130億ドル、サウジアラビア110億ドル、英国とインドネシアが100億ドルで続いている。世界10位までに入っている国はこれら6か国のほか、ドイツ、フランス、エジプト及びイランである。メディア・娯楽分野で特徴的なのは、米英独仏及びロシアの非イスラム国が上位に並んでいることである。欧米諸国はメディアの技術あるいは娯楽ソフトウェアの蓄積があるため、国内に居住するムスリムに対するサービス網が発達していることが大きな要因であろう。

 

 

 

 これは輸出額についても同様の傾向であり、ムスリム向けメディア・娯楽の輸出額は中国が22億ドルと際立って多く、米国および英国が56億ドル、45億ドルで続いている。4位はUAEの38億ドル、5位はロシアの36億ドルである。

 

 

 

(GCC諸国が上位に並ぶ!)

 

4-4 旅行・観光 (Halal Travel)

 

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-O-06a.pdf 及びhttp://menadabase.maeda1.jp/2-O-06b.pdf参照)

 

 旅行・観光分野ではサウジアラビアが最大の支出国であり、2018年の支出額は220億ドルであった。2位以下はUAE(170億ドル)、3位カタール(150億ドル)、4位クウェイト(120億ドル)とGCC産油国が上位を独占している。5位のインドネシアの支出額は110億ドルで、以上5か国が年間支出額100億ドル以上の国々である。6位から10位までには、イラン、マレーシア、ロシア、ナイジェリア及びトルコが入っている。

 

 

 

 一方ムスリムの旅行先のトップはトルコで年間640万人が訪れており、2位はUAEの620万人である。両国はトルコが歴史的な観光資産を多く抱えており、UAEのドバイは近代的な娯楽観光施設を有するいずれもイスラム国家であり、ムスリム旅行者にとって親近感があることが人気の秘密であろう。3位から5位まではロシア(560万人)、フランス(500万人)、マレーシア(480万人)である。ロシアとマレーシアはハラールが浸透しており、トルコなどと同様ムスリムに優しい旅行環境である。フランスは宗教、民族に関係なく世界中から観光客が集まる観光立国である。

 

 

 

(続く)

 

 

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

 

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

 

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

 

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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