石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇10 消費量(2)

2013-08-31 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf

 

(米国は圧倒的なエネルギー消費国。一国で世界の5分の1を消費!)
(2)2012年の石油と天然ガスの国別消費量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-T01.pdf 参照)
 消費量を国別に見ると、世界で石油と天然ガスの合計消費量が最も多いのは米国である。同国の消費量は石油換算で3,100万B/D、実に世界の5分の1強の石油と天然ガスを消費しているのである。米国は2位中国の2.5倍を消費しており米国が如何にエネルギーを大量消費しているかが解る。

 米国に次いで消費量が多いのは中国の1,270万B/D(石油換算)である。同国は石油の消費量は世界2位(1,022万B/D)、天然ガスは世界4位(石油換算248万B/D)であり、天然ガスの消費量は石油の4分の1弱である。第3位はロシアの1,035万B/Dで以上3カ国が石油と天然ガスの合計消費量が1千万B/Dを超えている。日本は第4位で合計消費量は673万B/D、内訳は石油471万B/D、天然ガス1,167億㎥(石油換算201万B/D)である。日中両国を比較すると、石油消費量は中国が日本の2.2倍、天然ガスは1.2倍であり、それぞれの国における石油と天然ガスの構成比は日本が70%(石油)対30%(天然ガス)、中国は80%対20%となっており、日本は天然ガスの構成比率が高い。

 5位以下10位までは、サウジアラビア(合計消費量471万B/D、石油62%、天然ガス38%)、イラン(同466万B/D、42%、58%)、インド(同459万B/D、80%、20%)、カナダ(同415万B/D、58%、42%)、ドイツ(同365万B/D、65%、35%)、メキシコ(同352万B/D、59%、41%)と続いている。

(続く)
 
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月31日)

2013-08-31 | 今日のニュース

・OPEC8月生産、リビア減産のため3,032万B/Dにとどまる

 

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今週の各社プレスリリースから(8/25-8/31)

2013-08-31 | 今週のエネルギー関連新聞発表

8/27 昭和シェル石油    サウジアラビアのメガソーラー、稼働から6カ月の発電実績を公開 【ソーラーフロンティア株式会社 http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2013/0827.html
8/27 国際石油開発帝石    直江津LNG基地への液化天然ガス(LNG)第一船入港について(お知らせ) http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2013/20130827.pdf
8/28 コスモ石油    「アブダビ首長国王立科学技術系高等学校 短期留学プログラム」の実施について~安倍昭恵内閣総理大臣夫人がプログラム修了式に来校~ http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_130827/index.html
8/29 JOGMEC    カタール国営石油会社とMOU締結~石油・天然ガス開発分野における技術協力と人材育成を強化~ http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_000037.html
8/29 丸紅    サウジアラビア王国におけるサウジアラムコ向けコジェネレーション案件 電力蒸気販売契約締結の件 http://www.marubeni.co.jp/news/2013/release/00084.html

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月30日)

2013-08-30 | 今日のニュース

・原油価格:WTI $109.16, Brent $115.92

・サウジアラビア、8-10月の原油生産量を100万B/D増の1,050万B/Dに引き上げ

・リビアの石油輸出14.5万B/D、積出能力のわずか10%に下落

 

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BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇9 消費量(1)

2013-08-29 | その他

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf

 

 

3.世界の石油と天然ガスの消費量
(拮抗するアジア、北米、欧州の3地域!)
(1)2012年の石油と天然ガスの地域別合計消費量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-G01.pdf 参照)
 2012年の世界の石油消費量は日量8,977万バレル(以下B/D)であり、これに対して天然ガスの消費量は年間3兆3,144億立方メートル(以下㎥)であった。天然ガスの消費量を石油に換算すると5,712万B/Dとなり、従って石油と天然ガスを合わせた1日当りの消費量は1億4,689万B/Dとなる。両者の比率は石油61%、天然ガス39%でほぼ3:2の割合である。

 消費量を地域別に見ると、アジア・大洋州が4,055万B/D、北米3,866万B/D、欧州・ユーラシア3,721万B/Dと並んでおり、これら3地域が世界に占める割合は8割に達する。但し各地域の石油と天然ガスの比率にはそれぞれ違いがあり、アジア・大洋州は石油の比率が73%に対して天然ガスは27%である。一方欧州・ユーラシアは石油と天然ガスの比率がそれぞれ50%ずつを占め、北米の場合は石油60%に対して天然ガスは40%で世界全体の比率と同じである。世界的に見ると上述の通り石油がエネルギーの太宗を占めているが、欧州・ユーラシア地域はロシア・中央アジアなど天然ガスの生産地と西ヨーロッパの消費地が陸続きのためパイプライン網による天然ガス利用が発達したという歴史的経緯がある。ヨーロッパでは天然ガスは家庭用・発電用燃料として使われ、一方石油の用途は輸送用燃料(ガソリン、ディーゼル)或いは石油化学原料が一般的であり、天然ガスと石油の利用が相半ばしているのである。

 これら以外の3地域(中南米、中東、アフリカ)は全て併せても20%に過ぎず、それぞれの世界消費に占めるシェアは中東11%、中南米6%、アフリカ4%である。石油及び天然ガスの消費が先進国及びアジアの新興工業地帯に集中していることがわかる。

(続く)
 
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇8 生産量(4)

2013-08-28 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf

 

(生産量世界一のロシアに肉薄する米国の底力!)
(4)ロシア、米国等主要国の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-G03.pdf 参照)
 ここでは2012年の生産量上位4カ国(ロシア、米国、サウジアラビア、イラン)に中国、カタール及びブラジルを加えた7か国について2000年以降の生産量の推移を見ることとする。

 2000年における石油・天然ガス合計生産量は米国が1,709万B/D(内訳:石油773万B/D、天然ガス5,432億㎥、石油換算936万B/D。以下同じ)でトップであり、ロシアは1,569万B/D(658万B/D、5,285億㎥、911万B/D)であった。その後、米国は生産量が減少、一方のロシアは増加したため2002年には両国の順位が逆転した。その後両国の差は年々大きくなり2005年の生産量はロシアが1,959万B/D、米国は1,571万B/Dと両国の差は400万B/Dまで拡大した。しかし米国の生産が2005年を底に上向きに転じる一方、ロシアはその後横這い或いは減少している。この結果2012年の生産量はロシアの2,085万B/Dに対し米国は2,065万B/Dで両国の差はわずか20万B/Dにまで縮まっている。

 サウジアラビアの場合は従来から石油の比率が圧倒的に高く、2000年の生産は石油が947万B/D、天然ガスは86万B/D(石油換算)で石油はガスの11倍であった。その後同国の石油生産は常時1千万B/D前後で推移する一方、天然ガスの生産は毎年前年を上回る増加を続けている。この結果2012年の生産量は石油1,153万B/D、天然ガス177万B/Dの合計1,330万B/Dに達し、石油とガスの比率は7.5対1となり天然ガスの比率が上がっている。

 カタールは2000年時点では石油と天然ガスの生産量はそれぞれ85万B/D、41万B/D(合計126万B/D)であり、石油が天然ガスを上回っていたが、その後天然ガスの生産が急速に拡大し、2006年には倍増、さらに2012年には石油換算で271万B/Dに達している。この結果、2012年の石油・天然ガスの合計生産量は2000年の3.7倍の467万B/Dを記録するとともに、石油と天然ガスの比率は石油42%に対し天然ガスは58%と逆転している。

 中国とイランは2000年以降も着実に生産量が増加しており、中国は373万B/D(2000年)が2012年には600万B/Dの1.6倍に増えている。イランも2000年の合計生産量489万B/Dが2011年には1.5倍の697万B/Dに増加した。しかし同国の場合は核開発疑惑をめぐる欧米諸国の禁輸方針の結果、2012年の石油・天然ガスの合計生産量は前年を8%下回る645万B/Dにとどまっている。天然ガスは全量国内消費のため生産量は微増すると見込まれるが、原油の生産は厳しく、同国は2年連続で石油・天然ガスの合計生産量は減少することは避けられないであろう。

 ブラジルの生産量はこれらの国々に比べて必ずしも多くないが、2012年の生産量は2000年に比べて1.8倍である。これは6カ国の中ではカタールに次いで高い伸び率であり、ロシアの1.3倍、米国の1.2倍に比べかなり大きい。

(石油+天然ガス篇 生産量完)

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月28日)

2013-08-28 | 今日のニュース

・リビア、ストライキと武装勢力のパイプライン占拠で石油生産わずか20万B/Dに

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月27日)

2013-08-27 | 今日のニュース

・インド国営石油ONGC、Anadarkoからモザンビーク深海ガス田の権益10%を26.4億ドルで買収。 *

*モザンビークRovuma Offshore Area 1鉱区(推進2,500m)は、2010年にガスを発見。推定埋蔵量24-50Tcf。オペレーターは米Anadarco, 三井物産が20%出資。なおONGCは7月にVideocon(印)から10%権益を買収済のため今回の買収により三井物産と同じ20%株主となる。

鉱区図参照:http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-3-01Mozanbique.gif

 (JOGMEC「石油天然ガスレビュー」2012.7 Vol.46 No.4 P.33より)

 

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BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇7 生産量(3)

2013-08-27 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf

 

(伸びる天然ガス。2012年の石油と天然ガスの比率は60対40!)
(3)1990年~2012年の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-G02.pdf 参照)
 1990年から2012年までの世界の石油と天然ガス合計生産量の推移を追ってみると、1990年の生産量は9,951万B/Dであり、その内訳は石油6,539万B/D、天然ガス1.98兆㎥(石油換算3,413万B/D)であった。その後1992年には合計生産量が1億B/Dを突破、2008年に1億3,556万B/Dに達するまで一貫して増加している。2009年に若干減少したが、2010年には再び増勢に転じ2012年の石油と天然ガスの合計生産量は過去最高の1億4,412万B/D(内訳:石油8,615万B/D、天然ガス3.4兆㎥)を記録している。

 1990年と2012年の生産量の伸びを比較すると、合計生産量では1.45倍、石油と天然ガスのそれぞれの増加率は石油1.32倍、天然ガス1.70倍であり、天然ガスの生産が急速に伸びていることがわかる。これを比率で見ると1990年には石油と天然ガスの比率が石油66%、天然ガス34%であったものが、その後天然ガスの比率が徐々に拡大し、2012年には石油60%、天然ガス40%となっている。現在天然ガスについては米国におけるシェールガスを含め世界各地で開発生産活動が活発に行われており、またパイプライン、LNGのサプライチェーンも急速に整備拡充されている。従って生産に占める天然ガスの比率は今後更に高まるものと思われる。

(続く)

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   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇6 生産量(2)

2013-08-26 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf

 

(ロシアと米国が石油・天然ガス生産の二大国!)
(2)国別生産量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-T01.pdf 参照)
 生産量を国別に見ると、世界で石油と天然ガスの合計生産量が最も多い国はロシアである。内訳は石油が1,064万B/D、天然ガスは5,920億㎥(石油換算1,021万B/D)、合計では2,085万B/Dで、同国は石油生産量、天然ガス生産量がともに世界第2位である。

 ロシアに次ぐ世界第二位の生産量を誇るのは米国である。同国は石油生産量が世界第3位の891万B/D、天然ガス生産は世界1位の6,810億㎥(石油換算1,174万B/D)、石油と天然ガスの合計生産量は2,065万B/D、一位のロシアとほぼ同じ規模である。因みに埋蔵量(前章参照)と比較するとロシアは埋蔵量ベースで世界4位に対して、米国は世界11位である。ロシア及び米国が世界全体の生産量1億4,412万B/D(前章参照)に占める割合は各々14%強となる。

 3位はサウジアラビアの1,330万B/Dである。内訳は石油1,153万B/D、天然ガス1,030億㎥(石油換算177万B/D)でありロシア或いは米国に比べて石油の比率が圧倒的に大きい。4位から10位までの生産国は、4位イラン645万B/D(内訳:石油368万B/D、石油換算天然ガス277万B/D。以下同じ)、5位カナダ644万B/D(石油374万B/D、天然ガス270万B/D)、6位中国600万B/D(石油416万B/D、天然ガス185万B/D)、7位カタール467万B/D(石油197万B/D、天然ガス271万B/D)、8位UAE427万B/D(石油338万B/D、天然ガス89万B/D)、9位メキシコ392万B/D(石油291万B/D、天然ガス101万B/D)、10位ノルウェー390万B/D(石油192万B/D、天然ガス198万B/D)となっている。

 11位以下20位までの国を列挙すると、クウェイト、ベネズエラ、ナイジェリア、イラク、アルジェリア、ブラジル、インドネシア、カザフスタン、アンゴラ、マレーシアの順である。

(続く)

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   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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