(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(中東関連ニュース)
・レバノン:ヒズボッラー指導者ナスラッラー師、イスラエル空爆で死亡。
・イランハメネイ最高指導者、ナスラッラーを追悼、5日間の服喪指示。
・S&P、オマーンのソブリン格付けを投資適格のBBB-に格上げ。
*「世界主要国のソブリン格付け(2024年7月現在)」参照。
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(中東関連ニュース)
・レバノン:ヒズボッラー指導者ナスラッラー師、イスラエル空爆で死亡。
・イランハメネイ最高指導者、ナスラッラーを追悼、5日間の服喪指示。
・S&P、オマーンのソブリン格付けを投資適格のBBB-に格上げ。
*「世界主要国のソブリン格付け(2024年7月現在)」参照。
(英語版)
(アラビア語版)
(目次)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(9)
第二章 三つの飛行ルート (5/5)
こうして消去法の結果、サウジアラビア・イラクルートが採用された。もちろんこのルートにもリスクはある。しかしサウジアラビアもイラクもほぼ米国の言いなりであり、イスラエルがワシントンの上層部に手を回せば問題はないと判断した。
ただいずれのルートにも大きな問題点が一つあった。戦闘機の航続距離の問題である。どのルートも戦闘機の行動半径1,700キロメートルを超えており、任務終了の帰途どこかで給油しなければならないのである。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
9/24 INPEX
執行役員等の担当業務変更及び幹部社員の人事異動について
https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20240924.pdf
9/24 TotalEnergies
South Korea: TotalEnergies will supply 200,000 tons per year of LNG to HD Hyundai Chemical until 2033
https://totalenergies.com/news/press-releases/south-korea-totalEnergies-will-supply-200-000-tons-per-year-of-lng-to-hd-hyundai-chemical-until-2033
9/24 OPEC
OPEC launches WOO 2024 and sees global oil demand at over 120 mb/d in 2050
https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/7377.htm
9/24 Saudi Aramco
Aramco and China National Building Material Group announce strategic collaboration
https://www.aramco.com/en/news-media/news/2024/aramco-and-china-national-building-material-group-announce-strategic-collaboration
9/25 ENEOS
土壌炭素固定カーボンクレジット事業拡張に資する株式引受契約の締結について
https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240925_01_01_0944355.pdf
9/27 TotalEnergies
U.S.A.: TotalEnergies Enhances Gas Value Chain Integration by Acquiring Producing Assets in the Eagle Ford Basin
https://totalenergies.com/news/press-releases/usa-totalenergies-enhances-gas-value-chain-integration-acquiring-producing
(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0612WorldRank10.pdf
(世界ランクシリーズ その10 2024年版)
(ノルウェーが連続世界一位、躍進著しいカタール!)
4.日米中と中東主要国の世界ランクの推移(2020年~2024年)
(図http://rank.maeda1.jp/10-G01.pdf参照)
世界一位のノルウェーに加え日本、米国、ロシア、中国及び中東3か国(イスラエル、カタール及びサウジアラビア)の2020年から2024年までの5年間の世界ランクの推移を見ると、ノルウェーは5年連続でトップを維持している。
米国の世界順位は45位(20年) →44位(21年) →42位(22年)→45 位(23年)→55位(24年)と2022年まで毎年少しずつ順位を上げたものの、昨年から今年は連続してランクが下がり、今年はそれまでの40位台から50位半ばに下落している。日本の順位は66位(20年) →67位(21年) →71位(22年) →68位(23年) →70位(24年)と変化しており、70位前後で推移している。
中東のイスラエルは2020年から22年まで80位台後半であったが、2023年、24年と下落傾向が止まらず、2019年は97位に急落した。今年はついに100位以下に転落、2020年に比べて13ランクも下落している。イスラエルとは対照的にカタールは129位(20年) →128位(21年) →119位(22年) →105位(23年) →84位(24年)と2022年から24年までの3年間で大きく躍進、ついにイスラエルを追い抜き100位以内に上昇している。
ロシアとサウジアラビアと中国は過去5年間150位以下にとどまっており特にロシアは2021年から23年にかけて大きく落ち込んでいる。中国は5年間を通じて170位台にとどまり、特に2023年は最下位の北朝鮮に次ぐ179位と言う世界最低のレベルに落ちている。なおこれら3カ国の2024年の世界ランクはいずれも前年より2~7ランク上がっているが、これは評価対象国数が180ケ国から177カ国に減ったためであり、ポイントで比較するとロシア及びサウジアラビアは前年より悪化している。
(完)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-Mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
(英語版)
(アラビア語版)
(目次)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(8)
第二章 三つの飛行ルート (4/5)
副大臣はトルコ大使に人差し指を突き出し、ヘブライ語で「トルコは自国で放映された反ユダヤの番組を深く恥じ、このように謝罪に訪れたのである。」と居丈高に言い放ったのである。翌朝このニュースがテレビで報道され副大臣の発言内容が明らかになるとトルコ世論は激高し、副大臣発言は両国間の外交問題に発展した。さすがのイスラエルも副大臣の非礼を認めて謝罪した。
外務副大臣のトルコ大使侮辱事件とガザ救済船によるトルコ人殺害事件。この二つの事件はトルコ国民の心の奥底にいつまでも消えない反イスラエル感情を植え付けたのであった。イスラエルの外務省と諜報機関はトルコの国民感情を斟酌し、トルコ・ルートを避けるよう軍部に助言した。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
・中東紛争激化で油価上昇。Brent $75.69, WTI $72.24。
・露大統領、国際エネルギー市場でのBRICSの役割拡大を強調。
(中東関連ニュース)
・イスラエル、2日連続でレバノン南部を猛爆。子供50人含む550人死亡。
・ヨルダン国王国連で演説:国際社会はパレスチナ人保護のモラル義務を。
・トルコ大統領国連演説:ガザのジェノサイド阻止を何故ためらう。
・シリア、Al-Jalali内閣組閣。Mekdad前外相を副大統領に任命。
・米、カタールにアラブ諸国で初めてのビザなし入国の特典を付与。
(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
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(世界ランクシリーズ その10 2024年版)
3.分野別の自由度比較(レーダーチャート)
報道の自由度はPolitical context(政治)、Economic context(経済)、Legal framework(法制度)、Sociocultural context(社会)、Safety(安全)の5つの分野について各国の対応を評価したものである。ここでは(1)ノルウェー(総合世界1位)、米国、日本、(2)インド、ロシア、中国のBRICS3カ国、及び(3)イスラエル、カタール、サウジアラビアの中東3か国の分野別評価をレーダーチャート方式で比較する。
レーダーチャートは外側になるほど自由度が高く、中心に近づくほど自由度が低い。各分野のポイントを結ぶ輪が各国の項目別自由度の状況を示している。レーダーチャートの輪が外側に広がっているほど報道の自由度が高く、また輪の形が真円に近いほど各分野の自由度が平均していることを示している。
(すべての面で最高の評価を受けるノルウェー!)
(1) ノルウェー、米国、日本(図http://rank.maeda1.jp/10-G02a.pdf参照)
総合順位はノルウェーが世界1位、米国55位、日本70位である。ノルウェーは5つの分野のうち政治、社会、安全の3分野で90点を超え、他の2分野も89点台であり、総合点を含むすべての分野で85ポイント以上に与えられる最高評価Good situationを得ている。
分野別に見ると政治分野では3カ国の評価点はそれぞれノルウェー94.87, 米国69.03, 日本53.07である。5段階評価ではノルウェーが最高評価Good situationに対し、米国は2段階低いNoticeable problems、日本はさらに1段階低いDifficult situationと評価されており、3か国の格差は大きい。ちなみに日本の政治面の報道の自由度は他の4分野の中で最も低く、その一因としてRSFは国会記者クラブの閉鎖性を挙げている。経済、法制度、社会の3分野では3か国の評価は政治分野と同様の傾向を示している。これに対して安全分野の評価は、ノルウェー94.74に対し、米国は56.31、日本は82.95であり、米国の評価がノルウェー、日本に比べ非常に低いのが特徴である。
(社会・法制度の評価が高いインド、低い中国!)
(2) インド、ロシア、中国(図http://rank.maeda1.jp/10-G02b.pdf参照)
BRICS経済グループの中核をなすインド、ロシア及び中国3か国の総合順位はそれぞれ159位、162位及び172位であり3カ国ともレベルが低く特に中国は世界最下位クラスである。
3か国の自由度を分野別で比較すると、政治及び経済分野ではインドとロシアが30点台前半でほぼ同じであるが、中国は20点台にとどまっている。また安全分野ではロシア31.82、中国27.87、インド27.12であり、上記(1)のノルウェー、米国或いは日本に比べ極めて評価が低い。法制度及び社会分野の自由度は中国が他の2か国に比べ大きく後れを取っている。社会分野の場合、インド45.27、ロシア38.94に対し中国の評価は17.07である。
(安全の評価が高いカタール、すべての面で劣るサウジアラビア!)
(3) カタール、イスラエル、サウジアラビア(図http://rank.maeda1.jp/10-G02c.pdf参照)
総合順位はカタール84位、イスラエル101位、サウジアラビア166位である。政治、経済、法制度及び社会の4分野はいずれもイスラエルがトップであり、カタールがこれに次ぎ、サウジアラビアは最も低く総合順位と同じ傾向を示している。社会分野ではイスラエル76.14、カタール51.14、サウジアラビア30.11とイスラエルが米国並みの高い得点をあげている。一方安全分野ではカタール83.93、イスラエル44.3、サウジアラビア39.8であり、カタールは日本を上回る評価を得ており、イスラエルあるいはサウジアラビアに比べ群を抜いた得点である。
(続く)
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(英語版)
(アラビア語版)
(目次)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(7)
第二章 三つの飛行ルート (3/5)
トルコ船臨検事件とはガザ地区のパレスチナ人のための救援物資を積み地中海を南下中のトルコ船籍の小型船がガザ沖合でイスラエルの臨検を受け、その時イスラエル側の発砲により9人のトルコ人が死亡した事件である。トルコ船が積んでいた物資は食料、医薬品、衣料などあくまでも人道的な支援物資であった。しかしイスラエルは武器弾薬があるに違いないと邪推し臨検を行ったことから悲劇が発生したのであった。
臨検事件の少し前に発生したのがトルコ大使侮辱事件であった。それはイスラエルがトルコ国内で放映されたテレビ番組にクレームをつけ公式な謝罪を求めたことに端を発した。この時、イスラエルに駐在するトルコ大使は外務副大臣に呼び出され彼の執務室を訪れた。部屋に入ると既にイスラエルの報道陣が控えており、またテーブルの上にはイスラエルの国旗だけが置かれていた。このような場では報道陣は写真を撮ると直ぐに退席するのが普通であり、またテーブルには両国の国旗を飾るのが外交儀礼である。
大使は一瞬いぶかしく思ったが、さほど気にも留めず低くゆったりしたソファーに身を沈めた。副大臣は背の高い事務椅子に傲然と座り、低いソファーのトルコ大使を見下ろすポーズを取りながら居並ぶ報道陣にヘブライ語で滔々と演説をはじめた。ヘブライ語を理解できないトルコ大使は穏やかな外交スマイルで副大臣の話が終わるのを待っていた。彼は副大臣が報道陣にとんでもない説明をしていることを知る由もなかった。もしトルコ大使が多少ともヘブライ語を理解することができ、或いはイスラエル外務省の副大臣が英語でしゃべっていれば大使は間違いなく憤然と席を立って抗議の意思を示したであろう。
(続く)
荒葉一也
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http://mylibrary.maeda1.jp/0612WorldRank10.pdf
(世界ランクシリーズ その10 2024年版)
(世界177か国中で日本は70位、北朝鮮最下位、中国172位!)
2.2024年の世界ランク及び前年との比較
(表http://rank.maeda1.jp/10-T01.pdf参照)
2024年の報道の自由度世界1位はノルウェーで、そのスコアは91.89である。これに続く世界5位までにはデンマーク、スウェーデン、オランダ及びフィンランドが入っており全て北欧諸国である。ノルウェーは2017年以来8年連続世界1位である。
主要な国々の世界ランクを見ると、米国はスコア66.59で世界55位、日本はスコア62.12で世界70位である。スコアと順位を昨年と比較すると、米国はスコアが4.63悪化し順位は10ランク下がっている。日本もスコアは1.83、順位は2ランク下がっている。
日本以外のG7の国々はドイツ(10位)、カナダ(14位)、フランス(21位)、英国(23位)、イタリア(46位)、米国(55位)といずれも日本より報道の自由度が高いとされている。またBRICs諸国は南アフリカ(38位)が際立って高く、インド、ロシア及び中国は159位、162位及び172位と非常に低い順位にとどまっている。中国は最下位(177位)の北朝鮮に近い最低レベルに評価されている。
中東諸国を見ると、トップはカタールで同国の世界順位は84位と世界のほぼ中位である。しかし同国以外の中東各国はいずれも100位以下であり、イスラエルが101位である。昨年の順位はイスラエルが97位、カタールは105位であり、今年は逆転している。後にも触れる通り近年カタールに対する評価は急速にアップしており、反面、イスラエルのランクは年々下がっている。
カタールはアラビア語圏ではもっとも人気の高いアル・ジャジーラ放送の拠点であり、欧米諸国からは国際報道姿勢を高く評価されている。特に近年はアフガニスタンのタリバン政権或いはパレスチナガザ地区を実効支配しているハマスに事務所開設を認めるなど、かなり大胆な開放政策を取っていることが評価されているようである。
その他主要な中東諸国とそのランクは、トルコ(158位)、UAE(160位)、サウジアラビア(166位)、エジプト(170位)などであるが、いずれも自由度の評価は最低クラス(評価度:Very serious situation)である。またカタール以外はいずれも前年のスコアを下回っており、たとえばUAEは昨年の42.99から今年は30.62と大幅に下落しており、エジプト(33.37→25.10)、サウジアラビア(32.43→27.14)、イスラエル(57.57→53.23)、イラン(24.81→21.30)と軒並み下落している。
(続く)
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