石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

五大国際石油企業2016年度業績速報シリーズ(9)  

2017-02-28 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してごらんいただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf

 

 

III. 2015年と2016年の5社業績比較

 2016年は2015年に引き続き原油価格の低迷により国際石油企業は売上が大幅に落ち込んだが、利益は各社によって明暗を分けた。また原油価格回復の見通しが立たない中、各社とも設備投資を下方修正する動きが止まらない。ここでは両年の売上、利益、設備投資を取り上げて各社の業績の明暗を分析する。

 

1.売上高

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-25.pdf 参照)

5社の売上順位は2015年と2016年でトップはExxonMobilからShellに替わったが、両社の差はわずかである。3位から5位はBP、Total、Chevronと続く。各社とも2015年から2016年にかけて売り上げは9%から18%程度落ち込んでおり、Shellは2,650億ドル→2,336億ドル、ExxonMobil 2,689億ドル→2,261億ドル、BP2,229億ドル→1,830億ドル、Total1,654億ドル→1,497億ドル、Chevron1,385億ドル→1,145億ドルであった。落ち込み幅が最も大きかったBPは18%減、最も少ないTotalで9.4%であった。

 

売り上げの減少はひとえに石油・天然ガス価格の下落が原因だったと言える。因みに代表的な指標原油であるBrent原油の2015年の年間平均価格は52.39ドル/バレルであり、2016年のそれは43.73ドル/バレルと価格は17%下落しており、また天然ガスの指標価格である米国Henry Hub引渡価格は百万BTU当たり2015年の2.60ドルに対して2016年は2.46ドルであり、5%下がっている[]

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

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(ニュース解説)サウジ国王のアジア長期歴訪を憶測する  

2017-02-28 | OPECの動向

2017年2月28日

荒葉 一也

 

 サウジアラビアのサルマン国王が2月26日から日本を含むアジア5か国歴訪の旅に出かけた。国王は1935年12月生まれで、現在83歳の天皇陛下とは2歳しか違わない高齢である。加えて健康に不安があり2015年1月の即位以来外国への公式訪問はエジプトとGCC諸国など近隣諸国の他は同年5月に訪米したくらいであり、それ以外は私的な夏季休暇を外国の別荘で過ごす程度である。

 

 ところが今回の外国訪問は31日間という長期にわたりアジア5か国を歴訪、帰途ヨルダンに立ち寄る予定になっている。2月26日に最初の訪問国マレーシアに3日間滞在したのち、インドネシアではバリ島での5日間の休養を含め12日間を過ごし、次いで中国に4日間、さらに日本を3日間公式訪問する。そして最後にモルディブを訪問、帰途ヨルダンに立ち寄るという強行スケジュールである[1]

 

 リヤドからのフライト時間だけで見ればヨーロッパはもとよりワシントンの方がよほど近い。そしてサウジアラビアが現在抱えている外交或いは経済問題から考えた場合、今回訪問するアジア各国は近隣アラブ諸国或いは欧米諸国との関係に比べ外交の優先度が低いことは明白である。

 

 国王本人の健康問題或いはサウジアラビアが置かれた状況から考えて今回の長期外遊には違和感がぬぐえないのである。勿論今回の訪問国がサウジアラビアにとって重要な国々であることは論をまたない。マレーシアとインドネシアは東南アジアのイスラーム国家であり、イスラームの盟主であるサウジアラビアにとって需要な国であろう。中国と日本はサウジアラビアの原油の最大の顧客である。そしてサウジアラビアは今、ビジョン2030を掲げ石油依存の経済から先進国家に脱却しようと固い決意で臨んでいる。そのためにサウジアラビアは先進イスラーム経済国家であるマレーシアとインドネシアとの協力が必要であり、また経済大国である日本と中国の先端技術或いは資本が必要であることは理解できる。

 

 しかしそれらの事情を踏まえたうえでなぜサルマン国王がこの時期に長期にわたり国を留守にしてまでアジア4か国(モルディブ訪問には政治的経済的背景は考えにくい)を訪問するのであろうか。敢えて今回の外遊を裏読みすると次のような憶測も否定しきれないのである。

 

憶測1.何らかの手術或いは治療をするのではないか?

 マレーシアは医療設備が整っており実際多くのサウジ人が手術・治療のため同国に出かけている。いわゆる医療ツーリズムである。GCC各国の君主はサルマン国王の実兄故ファハド国王がスイスで長期療養し或いはオマーン現国王がドイツで手術しているように海外の病院に入院することが珍しくない。そして時には治療目的を隠して外国に出かけることもある。今回の外遊がそのためと考えられないこともない。但しインドネシアを除き各国の滞在期間が短いことを考えると入院手術は無理かもしれない。

 

憶測2.外遊目的は半分保養、半分ビジネスではないか?

 中国と日本の訪問前にインドネシアのバリ島に立ち寄り、両国訪問後にモルディブを訪れることになっている。サルマン国王が高齢かつ病弱であるため中国・日本訪問のハードスケジュールの前後に休養日程を入れたことは間違いないであろう。ただサルマン国王がアジアの保養地を訪れるのは初めてである。国王は皇太子時代から夏の休暇シーズンを南仏ニースの別荘で過ごしてきた。しかし一昨年ニースに行ったとき、国王一行は地元民から激しい拒絶反応を受けた。その年の1月にパリでイスラーム過激派による風刺画週刊誌シャルリー・エブド本社襲撃事件があり、仏全土に嫌イスラーム(イスラム・フォビア)感情が高まったためである。国王一行はわずか1週間でニースを引き揚げた。それ以来、西欧にサルマン国王が安息できる場所はなくなった。そこで浮かび上がったのが穏健なアジアのイスラーム国である。季節的にも今のアジアモンスーン地帯は保養にうってつけである。

 

憶測3.日本及び中国に恩を売るつもりか?

 もし国王の歴訪がビジネス半分、保養半分であれば、日本及び中国はサルマン国王来訪に過大な期待はできそうもない。両国にとってサウジアラビアは重要な石油供給源であり、最高のもてなしで国王を心地よく迎え、そして送り出せれば成功と言えよう。幸い日中双方ともサウジアラビアとの間に面倒な問題は無い。イスラーム問題で険悪になりがちな米国トランプ政権やヨーロッパ諸国とは状況が異なる。またイスラーム国(IS)掃討作戦でロシア、イラン、トルコがシリア・アサド政権との連携を強める中で、サウジアラビアはシーア派のイランを極度に警戒し、IS対策では反政府組織の支援に固執しており、同国はシリア和平問題で蚊帳の外に置かれている。その点、日本及び中国に対してサルマン国王は石油の安定供給をちらつかせるだけで十分恩を売ることができる。

 

憶測4.中国、日本訪問は息子ムハンマド副皇太子への側面支援?

 サルマン国王は最愛の息子ムハンマドにサルマン家とサウジアラビアの将来を託している。ムハンマドを強引に副皇太子に引き上げのはムハンマド・ビン・ナイフ皇太子(国王実兄故ナイフ皇太子・内相の子息、即ち息子ムハンマドとは従兄弟関係)に男児がいないため、サルマンの思惑通りに事が運べば王位はいずれ息子ムハンマドとその子孫、即ちサルマン系統に収れんされるとにらんでいるに違いない。その息子ムハンマド副皇太子はビジョン2030を掲げて華々しい活躍を見せている。

 否、今のところは活躍している、と言うべきであろう。ビジョン2030はあまりにも野心的すぎるため、現在多くの障害にぶつかり実現の見通しに危険信号がともり始めたからである。石油に依存しない経済を創るには国内産業の多角化のため外国の資本と技術の導入が不可欠である。それには是非日本と中国から協力を取り付けたい。同時に経済改革の原資は石油しかなく、そのため原油の長期安定的な顧客である中国と日本をつなぎ留めなければならない。一方、日本と中国にとっても資本と技術の輸出相手、そして石油の輸入相手としてサウジアラビアと緊密な関係を保つことが必要である。

 サウジアラビアと日本、或いはサウジアラビアと中国は現在のところ政治や宗教で面倒な問題がなく、経済ではウィン-ウィンの関係である。サルマン国王にとって訪中、訪日は苦境にたちつつある息子副皇太子に対する強力な側面支援なのではないだろうか。そのためであればサウジ国内ではよほどのことがない限りビジネスマンと面談することのない国王が例えば東京でソフトバンクの孫社長を謁見することも考えられないことではなさそうだ。

 

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       荒葉一也

       E-mail; areha_kazuya@jcom.home.ne.jpエジプト

       携帯; 090-91の57-3642



[1] Saudi Gazette on 2017/2/23, ‘Many pacts to be signed during King’s 31-day Asian tour next week’,

http://saudigazette.com.sa/saudi-arabia/many-pacts-signed-kings-31-day-asian-tour-next-week/

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五大国際石油企業2016年度業績速報シリーズ(8)  

2017-02-27 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してごらんいただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf

 

 

II. 2016年の業績比較 (続き)

5. 石油及び天然ガス生産量

(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20.pdf 参照)

(1)石油生産量

 昨年の石油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,365千B/Dであり、5社の中で同社だけが2百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはShell(1,838千B/D)、第3位はChevron(1,719千B/D)である。両社の生産量はExxonMobilの4分の3前後である。BP及びTotalはこれら3社よりかなり少なく、Totalは1,271千B/D、BPは1,208千B/Dの石油を生産しており、ExxonMobilの2分の1強にとどまっている。

 

(2)天然ガス生産量

 天然ガスの生産量が最も多いのはShell(日量10,613百万立方フィート、以下mmcfd)であった。2位はExxonMobilの10,127mmcfdで、この2社が日産100億立方フィートを超えている。3位以下はTotal(6,447mmcfd)、BP(5,796mmcfd)、Chevron(5,252mmcfd)と続いている。Chevronは5社中で最も少なく、ExxonMobilの半分である。

 

(3)石油・天然ガス合計生産量(石油換算)

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-05.pdf 参照)

 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で4,053千B/Dである。2位はShellの3,668千B/DでExxonMobilの9割である。その他の3社はChevron(2,594千B/D)、Total(2,452千B/D)、BP(2,208千B/D)と200万B/D台に並んでいる。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はShell91、Chevron64、TotalとBPはそれぞれ60及び54である。

 

 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、Chevronは石油66%、天然ガス34%であり5社の中では石油の比率が最も高い。その他4社の石油:天然ガスの比率はそれぞれ、ExxonMobil(石油58%:天然ガス42%)、BP(石油55%:天然ガス45%)、Total(石油52%:天然ガス48%)、Shell(石油50%:天然ガス50%)である。Shellは石油と天然ガスの比率が1対1である。

 

(続く)

 

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今週の各社プレスリリースから(2/19-2/25)

2017-02-25 | 今週のエネルギー関連新聞発表

2/21 コスモエネルギーホールディングス/キグナス石油 資本業務提携に関するお知らせ 

2/21 コスモエネルギーホールディングス 人事異動に関するお知らせ 

2/21 石油資源開発 秋田・福米沢油田タイトオイル(シェールオイル)実証試験の終了について  

2/22 国際石油開発帝石 イラク共和国 ブロック 10 鉱区(探鉱鉱区)における油層の発見について  

2/22 ExxonMobil ExxonMobil Announces 2016 Reserves  

2/23 石油連盟 木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 

2/24 JXエネルギー 原油処理能力の削減について 

2/24 JXエネルギー 人事異動について 

2/24 東燃ゼネラル石油 常圧蒸留装置の公称能力の削減について  

2/24 OPEC Joint Ministerial Monitoring Committee reports solid progress made towards full conformity 

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(2月25日)

2017-02-25 | 今日のニュース

・石油業界、トランプ米大統領の次の動きに注目:ロンドンで国際石油会議開催

 

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五大国際石油企業2016年度業績速報シリーズ(7)  

2017-02-24 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してごらんいただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf

 

 

II. 2016年の業績比較 (続き)

2. 利益

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)

 ExxonMobilが5社の中で利益額が最大であり(78億ドル)、これに次ぐのがTotalの62億ドル、Shellの46億ドルである。昨年大幅な赤字を出したBPは今期は1億ドルとわずかながらも利益を計上している。これら4社に対してChevronは5社の中で唯一5億ドルの欠損を出している。

 

3.売上高利益率

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)

 売上高と利益の比率である売上高利益率を見ると、Totalが4.1%と最も高く、ExxonMobilが3.5%で続いている。シェルは売上高トップであるが利益率は2.0%と5社の中では真ん中である。BPは今期漸くプラスに転じたが利益率はわずか0.1%にとどまり、欠損を計上したChevronの売上高利益率はマイナス0.4%である。

 

4.設備投資額

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)

 2016年の設備投資額が最も大きいのはChevronの224億ドルである。シェルはChevronに並ぶ221億ドルで、これら2社に続くのはExxonMobi(193億ドル)及びTotal(178億ドル)で、5社の中で最も少ないのはBP(167億ドル)であり、トップのChevronの4分の3にとどまっている。

 

(続く)

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(2月22日)

2017-02-22 | 今日のニュース

・アブダビ、中国CNPCに陸上油田権益8%を17.7億ドルで譲渡。 *

・クウェイト、2040年までに原油生産量を315万B/Dから475万B/Dに拡大

 

*アブダビ陸上油田操業会社(ADCO)の60%はADNOCが保有。
40%を外国企業に放出することとし、すでにBP10%、Total10%、INPEX(日)5%、GS Energy(韓)3%獲得済み。残るは4%。

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五大国際石油企業2016年度業績速報シリーズ(6)  

2017-02-22 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してごらんいただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf

 

 

II. 2016年の業績比較

1.売上高

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-01.pdf 照)

 ここではExxonMobil, Shell, BP, Total及びChevron5社の2016年の売上高を比較する。5社の中で売上高が最も大きいのはShellの2,336億ドルであり、これに続くのがExxonMobilの2,261億ドルである。なお後述する8カ年(2009-2016年)業績推移で詳しく触れるが、2012年までの売上高はExxonMobilがトップであったが、2013年、2014年および2015年は僅差ながらShellがトップである。

 

 Shell、ExxonMobilに次いで売上高が大きいのはBPの1,830億ドルであるが、これはシェルの約8割である。Total、Chevronの売上高はそれぞれ1,497億ドル及び1,145億ドルで、ChevronはトップのShellの売上高のほぼ半分である。

 

(続く)

 

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五大国際石油企業2016年度業績速報シリーズ(5)  

2017-02-21 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してごらんいただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf

 

 国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2016年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil、Shell, BP(英), Total(仏)及びChevron(米)の主要5社を取り上げ、各社の売上高、利益、石油・ガス生産量、投資額等を概観し、さらに5社の業績比較を行う。

 

I. 各社の業績概要

(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20.pdf 参照)

 

5.Chevronの2016年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)の業績

*同社ホームページ:

https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-fourth-quarter-net-income-of-415-million

 

(1)売上高

 Chevronの2016年10-12月の売上高は315億ドルであり、また通年売上高は1,145億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ8%増収、17%減収である。

 

(2)利益

 10-12月期の損益は4億ドルの利益、通年では5億ドルの損失である。前年同期と比較すると10-12月期は赤字から黒字に転換したが、通年では前年の46億ドルの利益から赤字に転落している。通年利益(損失)のうち上流部門は25億ドルのマイナスであり、下流部門は34億ドルの利益を確保している。(注、最終損益額には石油化学部門その他の損益が合算されているため、部門別の上流・下流部門の損益合計額とは一致しない。)

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は、マイナス0.4%であり、前年のプラス3.3%からマイナスに転落している。

 

(4)設備・探鉱投資

 2016年の年間の設備・探鉱投資額は224億ドルであり、これは2015年比で34%減である。

 

(5)石油・ガス生産量

 昨年のChevronの石油生産量は日量平均1,719千B/Dであり、前年(2015年)比1.4%減であった。天然ガスは日量平均5,252mmcfdで前年横ばいであった。

 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で2,594千B/Dとなり、2015年比では1%減である。

 

 (続く)

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(2月20日)

2017-02-20 | 今日のニュース

・上昇機運乏しい石油価格、WTI$53.4。OPEC減産守るも米シェールオイルが圧迫

・OPEC-非OPEC減産監視会議、3/25-26日クウェイトで。その他OPEC関連ニュース

・サウジアラムコ上場問題:取扱銀行決まるが、法律問題等難問山積。2018年上場は微妙

 

 

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