石油と中東

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コロナ禍で大幅な減収・減益:五大国際石油企業2020年4-6月期決算速報 (7)

2020-08-18 | 今日のニュース
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http://mylibrary.maeda1.jp/0512OilMajor2020-2ndQtr.pdf


2.2019年第1四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(2)利益の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)
 過去1年間の四半期ごとの利益水準は各社とも大きく変動している。特に今年第2四半期は5社すべてがマイナス決算になり、ExxonMobilを除く4社、中でもShellとBPは共に▲150億ドルを超える巨額の欠損を計上している。

昨年第2四半期の利益はChevronの43億ドルを筆頭に、ExxonMobil31億ドル、Shell30億ドル、Total28億ドル、BP18億ドルと全社が利益を計上、さらに各社の利益格差も比較的小さかったが、次の第3四半期になるとShellの利益が59億ドルに拡大する一方、BPは▲7億ドルの欠損を出し、また第4四半期にはExxonMobilがShellに替わってトップの57億ドルの利益を計上、Chevronは▲66億ドルの大幅な損失を出している。さらに今年第1四半期にはChevronが前期のマイナスから一転して36億ドルの利益を計上、TotalとShellは収支トントンであり、BPとExxonMobilはマイナス決算に転落した。

そして今期(20年第2四半期)は先に述べた通りコロナ禍による油価下落、需要減退が重なり5社すべてが赤字に転落している。ExxonMobilは▲11憶ドルで比較的傷は浅かったが、ChevronとTotalは80億ドル強の欠損となった。とくにBPとShellの赤字はそれぞれ▲168億ドル、▲181億ドルの巨額の赤字を強いられている。

(3)売上高利益率の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)
 1年前の昨年第2四半期の五社の利益率はChevronが11.1%と最も高く、次いでTotal 5.4%、ExxonMobil 4.5%、Shell 3.3%と続き、BPは最も低い2.5%にとどまっている。

各社のその後の利益率の推移を見るとChevronは11.1%(’19 2nd Qtr)→7.1%(3rd Qtr)→▲18.2%(4th Qtr)→11.4%(’20 1st Qtr)→▲51.9%(2nd Qtr)と激しいアップダウンを繰り返しており、Totalは5.4%(’19 2nd Qtr)→5.8%(3rd Qtr)→5.3%(4th Qtr)→0.1%(’20 1st Qtr)→▲38.8%(2nd Qtr)であった。またExxonMobilの利益率は4.5%(’19 2nd Qtr)→4.9%(3rd Qtr)→8.5%(4th Qtr)→▲1.1%(’20 1st Qtr)→▲3.3%(2nd Qtr)と推移した。Shellは3.3%(’19 2nd Qtr)→6.6%(3rd Qtr)→1.1%(4th Qtr)→0.0%(’20 1st Qtr)→▲55.8%(2nd Qtr)であり、BPは及び2.5%(’19 2nd Qtr)→▲1.1%(3rd Qtr)→0.0%(4th Qtr)→▲7.3%(’20 1st Qtr)→▲53.2%(2nd Qtr)と低空飛行を続けた末に今期の利益率は大きなマイナスとなった。

ExxonMobilの利益率は比較的安定していたが、その他の4社は振幅が大きく、特に今期は前期比で50%以上下落した企業が5社中3社を占めており、記録的に悪い決算となっている。

(続く)

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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