石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ネタニヤフ首相にイスラエル3人目のノーベル平和賞?

2019-05-31 | 中東諸国の動向

はじめに

 イスラエルのネタニヤフ首相(組閣に失敗し再選挙に直面しているが)にノーベル平和賞が授与されるかもしれない、と書けばフェイク・ニュース或はブラック・ジョークと一蹴されるかもしれない。しかしイスラエルでは1978年のメナハム・ベギン及び1994年のイツハク・ラビンの二人の首相が平和賞を受賞している。トランプ米国大統領が出現して以来、イスラエルと米国の関係は過去に例を見ないほど強固となり、パレスチナ問題に「ある種の進展」をもたらしていることは間違いない。これが中東の恒久的な平和を意味するかどうかは解釈の分かれるところであるが、中東の力学バランスが崩れ、パレスチナ問題が沈静化していることはまぎれもない事実である。

 

ネタニヤフに追い風

 トランプ大統領は米国大使館のエルサレム移転、ゴラン高原のイスラエル編入容認など矢継ぎ早にイスラエル支持政策を打ち出している。来年の中間選挙を控えて自らの選挙母体であるキリスト教福音派の支持獲得が目的だと言われている。イスラエルの総選挙時期と重なったため、当初劣勢を伝えられたネタニヤフ率いるリクードが僅差で勝利をおさめた。再選挙の結果は不明だが第5次ネタニヤフ政権が成立する可能性は濃い。ネタニヤフはヨルダン川西岸の入植地を拡大し、ゴラン高原に強固な軍事基地を建設するつもりであろう。これは国連が認めたイスラエル・パレスチナ二国家共存を真っ向から否定するものである。

 

一方米トランプ政権は核合意協定(JCPOA)から脱退し、更にイラン産原油の輸入禁止を日本、中国など全世界に強要、また同国の革命防衛隊をテロ組織に指定するなど、イランの孤立化を図り、政権内部の強硬派はイランの政権転覆すら公言している。対抗するイランは態度を硬化させている。イランの脅威におびえるサウジアラビアは米国への依存度を高め、挙句はイスラエルと協力関係を模索する動きすら見せ始めた。

 

サウジアラビアと並ぶ地域の大国エジプトとトルコもパレスチナ支援の色合いを薄めつつある。エジプトではシーシ大統領が憲法改正国民投票により独裁基盤の強化に狂奔、トルコのエルドアン大統領も国内での強権政治色を強めている。そうした中で両国は米国の経済・軍事支援を当てにしてトランプ大統領との「駆け引き(ディール)」に余念がない。米国はイラン、サウジアラビア、トルコ、エジプトの中東四大国と熾烈なディール合戦に明け暮れている。中東は今や「ニュー・ディール」の時代である。

 

トランプのニュー・ディール外交(diplomacy)

 ニュー・ディールとはトランプゲームで親がカードを配りなおすことを意味している。米国の1930年代のニュー・ディール政策は恐慌を克服するためルーズベルト大統領が実施した国内向けの金融緩和・財政出動政策であった。これに対してトランプ大統領のニュー・ディールは国内政策(domestic policy)ではなく対外政策(diplomacy)であり、中東はもとより中国、EU、南米など地球的規模での米国の覇権外交である。

 

 イスラエル・パレスチナ和平問題におけるディール外交の核心は、クシュナー大統領上級顧問の和平工作と言えよう。トランプ大統領の娘婿でありユダヤ教徒であるクシュナーは、大統領から和平工作を任され6月初めのラマダン明けに和平案を提示すると言明している。伝えられるところではこれまでのイスラエル・パレスチナ二国家共存策は取らず、パレスチナを「大イスラエル国家」に取込み、経済開発によってパレスチナの地位向上を目指す内容と見られる。その一環としてパレスチナ開発投資国際会議(6月下旬、バハレーン)を提唱している。

 

 クシュナーの和平案がイスラエルに肩入れした一方的なものであることは明らかである。パレスチナ自治政府は既に明確な拒絶の意思を示しているが、国際社会はパレスチナに冷淡である。パレスチナは国際的に孤立し、イスラエルの領土内で二級市民として隷属させられる運命が待ち構えている。

 

ノーベル平和賞の現実

 皮肉にもこのような状況が中東に平和をもたらそうとしている。「平和」と言う言葉に抵抗があるなら「戦火を交え(Hot war)ない政治的・社会的状況」と言って良かろう。そしてそのような状況を作った政治家にはノーベル平和賞授賞の資格がある、という訳である。

 

 これまでの例を見ても中東におけるノーベル平和賞の授賞基準は、平和達成の既成事実ではなく平和が実現することを期待して選定されている。さらに現在では中東の平和は紛争当事者間の妥協と言う形から、強者による一方的かつ威圧的な非戦闘状態の実現という形に変質しつつある。

 

 過去二度のイスラエル首相のノーベル平和賞授賞を見ると、最初の1978年のベギン首相とエジプト・サダト大統領の共同受賞は第四次中東戦争(1973年)後、クリントン米国大統領の仲介で両者は周囲の反対を押し切って和平に踏み切った。二度目の1994年のラビン首相の場合(ペレス外相及びアラファトPLO議長との共同受賞)はノルウェーのオスロ合意で和平が達成されている。二つのノーベル平和賞はいずれも紛争当事者同士が妥協した結果である。

 

 ところが現在イスラエル・パレスチナ間に生まれようとしているのは紛争当事者の一方であるイスラエルが米国の強い後押しを受けて創り出そうとしている強権的な平和であって過去2度の場合とは異なる。これを「平和」と呼ぶかどうかは判断が分かれるが、紛争のない状態が生みだされることに違いは無い。その意味でネタニヤフがクシュナーの和平調停案に沿ってパレスチナとの紛争を(皆無は無理としても)鎮静化させることが出来れば、彼にノーベル平和賞受賞の資格があると言えよう。

 

 トランプ大統領はその時、きっと次のようにツイートするに違いない。「おめでとう!ネタニヤフ。君の平和賞受賞は自分と自分の婿のおかげであることを忘れないように!」と。

 

 しかし最後にもう一つ重要なことを指摘しておきたい。1978年の平和賞ではサダト大統領が3年後に、そして1994年の受賞者ラビン首相はその2年後に暗殺されているという事実である。中東にまつわるノーベル平和賞は本人に名誉をもたらすと同時に本人の生命に危険も及ぼしていることは肝に銘じるべきであろう。

 

以上

 

 

本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

荒葉一也

Arehakazuya1@gmail.com

 

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石油と中東のニュース(5月30日)

2019-05-30 | 今日のニュース

 

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・ロシア第一副首相:OPECとの協調減産延長を検討

(中東関連ニュース)

・米クシュナー特別顧問、モロッコ、ヨルダン、イスラエルを歴訪。ヨルダン国王とパレスチナ和平で意見交換

・米ボルトン国家安全顧問、アブダビ皇太子と会談:タンカー攻撃はイランの機雷が原因

・カタール、サウジ・ジェッダでのサミットにアブダッラー首相が出席を表明

・LNGジャパン社幹部、カタールのAttiyah氏と会談

 

 

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石油と中東のニュース(5月28日)

2019-05-28 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油価格安定。Brent $68.79, WTI $58.54

(中東関連ニュース)

・ボルトン米大統領補佐官、サウジ、UAEを訪問予定

・サウジ、カタールに30日のGCC/アラブサミット招聘状。カタールの出欠は未定

・カタール、天然ガス増産プロジェクトのFEED作業をMcDermottに発注

・財政危機のレバノン、緊縮予算案を漸く閣議決定。議会承認までさらに1か月

・オマーン、外国人技能労働者を7%削減、自国民化推進

・NEC、オマーンの国営バス会社から高度交通運用管理システムを受注。  *

 

*NECプレスリリース参照。

https://jpn.nec.com/press/201905/20190517_02.html

 

 

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JXTGと五大国際石油企業の2018年業績比較:売り上げはShellの4分のⅠ (3)

2019-05-26 | 今日のニュース

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0469MajorJxtg2018.pdf

設備投資額 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-05.pdf 参照)

JXTGの2018年度の設備投資額は3,824億円(34億ドル)であった。これに対してメジャー5社の年間設備投資額は最も多いExxonMobilが259億ドル、ついでShell 230億ドル、Chevron 201億ドル、BP 167億ドル、Total 156億ドルであり、いずれも100億ドルを超えている。JXTGの投資額はExxonMobilの8分のⅠ、Totalの5分のⅠと非常に少ない。製油所設備投資中心のJXTGと探鉱投資により石油・ガスの確保を競っているメジャーとの格差は大きい。

 

原油・ガス生産量 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-06.pdf 参照)

 JXTGの決算付属書類では原油と天然ガスの合計生産量のみが示され、原油・天然ガスそれぞれの生産量は示されていないので、ここではメジャー5社とJXTGの原油換算石油・ガス合計生産量を比較する。

JXTGの2018年度の原油・ガス合計生産量は原油換算で日量平均20.5万バーレル(以下B/D)であった。一方メジャー5社はいずれも250万B/Dを超える生産を行っており、トップのExxonMobilは383万B/D、これに続くShellは367万B/Dである。その他の3社はChevron293万B/D、Total278万B/Dであり最も少ないBPでもJXTGの12倍強の254万B/Dの石油・天然ガスを生産している。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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石油と中東のニュース(5月26日)

2019-05-26 | 今日のニュース

 

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油価格1%上昇、但し週前半の落ち込み取り戻せず。Brent $68.50, WTI $58.54

・中国の4月サウジ原油輸入、153万B/D。前年比43%増

(中東関連ニュース)

・安倍首相、来月イラン訪問か:NHKが報道

・米、中東兵力を1,500人増派

・トランプ大統領、議会承認経ずにサウジ、UAE、ヨルダンに総額80億ドルの武器売却

・オマーン外相:米・イランの緊張緩和に乗り出す

・イラン外相、バグダッド訪問 イラク首相と地域問題協議

・スーダン暫定軍事協議会議長、カイロでシーシ大統領と会談。副議長はサウジで皇太子と協議

・宿泊予約サイトのAirbnbがアラビア語ページ開設

・カタール副首相兼国防相、岩屋防衛相と会談。  *

*防衛省プレスリリース:

https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/area/docs/2019/05/23_j-qatar_gaiyo.html

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JXTGと五大国際石油企業の2018年業績比較:売り上げはShellの4分のⅠ (2)

2019-05-25 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0469MajorJxtg2018.pdf

 

 (表http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-25.pdf参照)

 

1.売上高 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-01.pdf 参照)

JXTGホールディングス(以下JXTG)の2018年4月-2019年3月(以下2018年度)の売上高は11兆1千億円である。これを1ドル=111円で換算すると1,003億ドルとなる。

これに対して国際石油企業(以下メジャー)5社の2018年1-12月(以下2018年)の売上高は最も多いShellが3,966億ドル、ついでBP 2,988億ドル、ExxonMobil 2,902億ドル、Total 2,094億ドル、Chevron 1,664億ドルである。JXTGはメジャーで最大のShellの4分の1であり、最も少ないChevronの6割にとどまっている。売り上げ規模ではJXTGはメジャーにまだまだ及ばない。

 

総合利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D--02.pdf 参照)

 JXTGの2018年度の総合利益は5,086億円(46億ドル)であった。一方メジャーの2018年の年間利益額はShellの234億ドルを筆頭に、以下ExxonMobil 208億ドル、Chevron 148億ドル、Total 114億ドルで最も少ないのはBPの94億ドルである。JXTGの利益はShellの5分の1であり、メジャーでは最も少ないBPの2分の1である。

 

売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-03.pdf 参照)

 JXTGとメジャーの売上高利益率を比べてみると、利益率が最も高いのはChevronの8.9%であり、これに次ぐのがExxonMobil 7.2%、さらにShell 5.9%、Total 5.5%、JXTG 4.6%、BP 3.1%と続いており、JXTGの利益率はBPを上回っている。

 売上高利益率で見る限りJXTGはメジャーに比肩する水準である。

 

上流部門と下流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-04.pdf 参照)

 旧日本鉱業の事業を継承しているJXTGは非鉄金属事業が全社の売上の1割弱を占めている。ここではJXTGの決算書が示すセグメント別業績の内、エネルギー事業(いわゆる石油下流部門)と石油・天然ガス開発事業(いわゆる上流部門)の営業利益を取り上げてメジャー5社と比較する。

まず上流部門の利益を見るとJXTGの利益は3億ドル(378億円)であった。これに対してメジャー5社の上流部門の利益はBP、ExxonMobil及びChevronがそれぞれ146億ドル、141億ドルおよび133億ドルとほぼ一線に並び、Totalがこれら3社に次ぐ102億ドルの利益を計上、Shellは最も少ない68億ドルである。これをJXTGと比較するとメジャー上位3社はJXTGのほぼ50倍であり、最も少ないShellでもJXTGの20倍以上である。メジャーとJXTGの上流部門の利益格差はこのように非常に大きい。

これに対して下流部門についてはJXTGは3,754億円(ドル換算34億ドル)の利益を確保しており、メジャーで最も多いShell或はBPの76億ドルのほぼ半分であるが、Total(34億ドル)、Chvron(38億ドル)と同等の利益を計上している。日本国内では現在のガソリン価格は原油価格の変動に応じ各社が適正な利潤を確保できる水準に維持されている。JXTGの下流部門がメジャーと遜色ない利益を確保しているのはこのような特有の価格制度にあるためと言えよう。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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今週の各社プレスリリースから(5/19-5/25)

2019-05-25 | 今週のエネルギー関連新聞発表

5/19 OPEC 

A balanced oil market remains our focus- JMMC 

https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/5509.htm 

5/20 JOGMEC 

23年ぶりの大規模地熱発電所が運転開始  

http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_03_000027.html

5/20 国際石油開発帝石 

組織改編等について  

https://www.inpex.co.jp/news/pdf/2019/20190520_d.pdf

5/20 国際石油開発帝石 

役員の異動に関するお知らせ  

https://www.inpex.co.jp/news/pdf/2019/20190520_c.pdf

5/20 国際石油開発帝石 

定款の一部変更に関するお知らせ  

https://www.inpex.co.jp/news/pdf/2019/20190520.pdf

5/21 経済産業省 

「夏季の省エネルギーの取組について」を決定しました 

https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190521005/20190521005.html

5/22 Saudi Aramco 

Sempra LNG and Aramco Services Company sign heads of agreement for Port Arthur LNG 

https://www.saudiaramco.com/en/news-media/news/2019/sempra-lng-asc-port-arthur

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石油と中東のニュース(5月24日)

2019-05-24 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・インド、5月以降のイラン原油輸入を停止

・サウジアラムコ、米シェールガスLNG企業と長期購入契約、25%の資本参加も

(中東関連ニュース)

・米国、中東への兵力増強を考慮 

・サウジ、UAE:米主催の来月バハレーン「繁栄による中東平和」投資会議に参加表明

・リビア:仏大統領と会談の反政府ハフタール司令官、停戦を否定。勢力入り乱れる内戦



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JXTGと五大国際石油企業の2018年業績比較:売り上げはShellの4分のⅠ (1)

2019-05-23 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0469MajorJxtg2018.pdf

 

  

はじめに

 国内最大の石油企業JXTGホールディングス(以下JXTG)の決算が5月13日に発表された。2017年4月にJXホールディングスと東燃ゼネラル石油グループが合併して設立された同社は今回で二期目の年間決算である。

 

以下は今回のJXTG連結決算の中から売上高、総合利益、上流及び下流部門利益、設備投資、石油・天然ガス合計生産量を取り上げ、メジャー5社と比較したものである。

 

なお年間の決算期はJXTGが2018年4月から2019年3月までである。これに対してメジャーズは四半期決算をメインとし、その間、1-6月半年決算、1-9月の9カ月決算、年末に1-12月の年間決算を開示している。従って本稿で比較するJXTGとメジャー5社の年間決算数値は正確な期間対応になっていない。また原油価格が随時変動することを考慮すると、3か月間のずれは小さくない。従って以下の比較はあくまで参考的なものであることをご承知いただきたい。なおJXTGの決算は円建てであり、これについては同社の決算付属資料に示された1ドル=111円を使用してドル換算している。

 

メジャー各社の昨年1-12月決算及び今年1-3月(第1四半期)の決算比較については下記のレポートを参照されたい。

 

「五大国際石油企業2018年業績速報シリーズ」(2018.3.2付け)

http://mylibrary.maeda1.jp/0459OilMajor2018.pdf

「五大国際石油企業2019年1-3月期決算速報」

http://mylibrary.maeda1.jp/0468OilMajor2019-1stQtr.pdf

 

 またメジャー五社及びJXTGの詳細な決算資料は下記の各社ホームページをご覧ください。

ExxonMobil: https://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-24-billion-first-quarter-2019

Shell: https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2019/first-quarter-2019-results-announ cement.html

BP: https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/first-quarter-2019results.html

Total

https://www.total.com/en/media/news/press-releases/first-quarter-2019-results

Chevron https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-first-quarter-2019-net-income-of-2-6-billion

JXTG

https://www.hd.jxtg-group.co.jp/ir/library/statement/

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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石油と中東のニュース(5月22日)

2019-05-22 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油タンカー攻撃で湾岸諸国に航行安全の関心高まる

・OPEC減産継続、米・イラン関係緊張で原油価格上昇。Brent $72.24, WTI $63.36

(中東関連ニュース)

・UAE、外国投資か6,800人に永住ビザ発行

・イラク、緊張緩和に向け、米とイランに特使を派遣

 ・イエメン反政府組織フーシ派がサウジ南部の都市を無人ドローンで爆撃

・PLOアッバス大統領、カタール訪問

 

 

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